DL違法化でファイル共有ソフトやめる? ACCSらが利用者意識調査


 コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)、日本レコード協会、日本国際映画著作権協会は22日、「ファイル共有ソフト利用実態調査」の2009年版の結果を公表した。ファイル共有ソフトの利用者率が前年から低下したことがわかった。また、今回の調査では、“ダウンロード違法化”が盛り込まれ、2010年1月1日に施行される改正著作権法の認知状況なども調査している。

 調査は2009年9月24日から9月30日まで、株式会社メディアインタラクティブの「アイリサーチ」のモニターを活用したWebアンケートで実施した。回答数は2万1669件。

 ファイル共有ソフトを使ってインターネットでファイル共有を行った経験についてたずねる設問に回答した2万1317人のうち、「現在、ファイル共有ソフトを利用している/2008年10月以降に利用したことがある」(以下「現在利用者」)が9.1%、「現在は利用していないが、過去にファイル共有ソフトを利用していた/2008年9月以前に利用していた」(以下「過去利用者」)が11.7%、「ファイル共有ソフトのことは知っているが、利用したことはない」が59.2%、「ファイル共有ソフトのことを知らない」が20.0%だった。

 現在利用者の割合は、2002年が3.0%、2003年が3.4%、2004年が2.6%、2005年が2.7%、2006年が3.5%、2007年が9.6%、2008年が10.3%だったため、5年ぶりに低下したことになる。ACCSらは、「違法配信からのダウンロードも違法とする著作権法改正の影響が少なからずある」としている。

著作権法改正でも「今まで通り利用したい」が2割

 現在利用者(1903人)について、ダウンロード違法化など著作権法の改正内容を説明した上で、著作権法改正の認知状況を聞いたところ、「詳しい内容まで知っていた」が14.5%、「ダウンロードが違法になることは知っていた」が34.6%に対して、「見聞きしたような気がする程度」が25.6%、「知らなかった」が25.2%だった。なお、年代別では、19歳以下のファイル共有ソフト現在利用者(129人)においては「詳しい内容まで知っていた」が32.6%あった。


ファイル共有ソフトの「現在利用者」における著作権法改正の認知状況(報告書よりグラフ転載)

 さらに、今後の利用意向については、著作権法改正により「利用をやめようと思っている」としたのは13.6%、「継続利用は減ると思う」は30.7%で、「継続利用するかどうかわからない」が34.6%、「今まで通り利用したい」が21.1%だった。年代別では、若年層ほど「今まで通り利用したい」の割合が高くなっており、19歳以下では32.6%だった。


著作権法改正による、「現在利用者」の今後の利用意向(報告書よりグラフ転載)

 一方、過去利用者(2493人)がファイル共有ソフトの利用をやめた理由は、「ウイルスや自分のPCの情報が流出することが不安になった」が最多で31.5%。以下、「著作権侵害などの問題がある」が24.1%、「飽きた」が23.1%、「ダウンロードに時間がかかる」が20.5%、「ファイル共有ソフトの利用が社会問題化している」が18.9%など。なお、性・年代別でみると、男性の20代以下で「著作権侵害などの問題がある」が最大の理由になっている点に注目されるとしている。

 調査ではこのほか、現在利用者がおもに利用しているソフトの種類や利用歴、利用目的、ダウンロードしたファイルの数や種類、ファイル共有ソフト利用による消費行動の変化などもまとめている。

 おもに利用しているソフトは、「Winny・Winnyp」が23.1%、「Cabos」が19.0%、「LimeWire」が16.3%。「BitComet・BitTorrent」が14.5%、「Share」が9.6%、「WinMX」が8.7%などの順。ほとんどの性・年代で「Winny・Winnyp」が最多だが、男性10代では「BitComet・BitTorrent」、女性20代以下では「Cabos」が最多だった。


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(永沢 茂)

2009/12/22 18:24