Kindle向け出版物の著者印税率を70%に倍増できるオプション
米Amazon.comは20日、電子書籍端末「Kindle」シリーズ向け出版物の著者印税率を70%にするオプションを発表した。
Amazon.comでは、個人作家であっても、Kindle Digital Text Platform(DTP)を使用し、Kindle向け出版物を出版できる仕組みを提供している。これまで、同プラットフォームを使用した際の著者印税率は35%だった。今回発表されたオプションでは、その金額は2倍になる。
ただし、70%の印税率が適用されるためには制約もある。まず、著者側が読者のダウンロードコストを負担する必要がある。ダウンロード費用は1MBあたり0.15ドル。現在、Kindleで流通しているファイルの平均サイズは368KBだとしており、その場合のダウンロードコストは0.06ドルになる。
さらに70%の印税率が適用されるためには、5つの条件がある。
- タイトルの設定価格は2.99ドルから9.99ドルの間でなければならない
- 設定価格は紙書籍の設定価格の80%以下でなければならない
- 著者または出版社が権利を持つすべての地域で販売できなければならない
- Kindleの「text-to-speech」など、今後Amazon.comがKindleに追加するさまざまな機能で利用できなければならない
- 紙書籍を含む競合と同等あるいはそれ以下の価格で提供されなければならない
また、これ以外に、タイトルはパブリックドメインであってはならないこと、現時点で70%の著者印税率は米国内で販売されるタイトルに限定されているといった制約もある。
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(青木 大我 taiga@scientist.com)
2010/1/21 13:34
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