ヤフーとタオバオが提携、中国商品が買える「Yahoo!チャイナモール」開設


 ヤフーと中国アリババグループの淘宝(タオバオ)は1日、中国最大のショッピングサイト「タオバオ」の商品を日本の「Yahoo!ショッピング」から購入できるサイト「Yahoo!チャイナモール」を開設した。タオバオに出品されている約5000万点の商品が、Yahoo!ショッピングと同様の手続きで購入できる。

 同様に、中国・タオバオにもYahoo!ショッピングに出品されている商品約1000万点を購入できるサイト「淘日本(タオジャパン)」が1日、オープンした。

Yahoo!チャイナモール淘日本(タオジャパン)

 「Yahoo!チャイナモール」では、タオバオに出品されている商品約4億5000万点のうち、一定の基準を満たした出店者の輸入可能な商品約5000万点が、日本から購入できる。商品は業者が購入代行する形となり、支払い方法は日本円による代引きとなり、9月にはクレジットカード払いにも対応する予定。

 商品の説明文などは機械翻訳だが、購入手続きはYahoo!ショッピングと同様にすべて日本語で行われ、顧客サポートもYahoo! JAPANが行う。購入代行会社が中国で商品を確認した上で発送・決済を行うため、「代金を振り込んだのに商品が届かない」といった事態は起きないとしている。

 商品代金は、タオバオでの販売価格に手数料などを加えて日本円に換算したものが表示され、別途送料と関税・消費税がかかる。送料は500g以下の場合で約1700円、関税・消費税は商品価格合計が1万6666円未満の場合にはかからない。配送までに日数は1~2週間程度。

Yahoo!チャイナモール商品購入の流れYahoo!チャイナモールの取扱対象外品目

 同様に、中国のユーザーも「タオジャパン」で、日本のYahoo!ショッピングに出品されている商品が購入できる。Yahoo!ショッピングの出店者にとっては、自動的に中国にも出店する形となり、販路が広がる。こちらも購入代行の形となるため、出店者は商品を代行業者の倉庫(日本国内)に発送すればよく、ユーザーからの問い合わせも代行業者が間に入るため、中国語対応は必要ない。決済も日本円で商品発送前に行うため、「商品を送ったのに代金が振り込まれない」といった事態は発生しないとしている。

タオジャパン商品購入の流れタオジャパンの取扱対象外品目
日本人が買いたい中国商品(Yahoo! JAPAN調べ)タオバオでの売れ筋日本製品

「世界最大のeコーマス市場が誕生」孫氏

ソフトバンクの孫氏とアリババグループのジャック・マー氏

 1日には、ソフトバンク社長兼ヤフー会長の孫正義氏と、アリババグループCEOのジャック・マー氏が揃って会見。孫氏は、「ヤフーとタオバオを合計すると、顧客数は2億5000万人、取扱高は3兆8000億円。取扱高は既に楽天の1兆2000億円を超え、アジアの圧倒的ナンバーワンとなり、今年中にはeBayを抜いて世界最大のeコマース市場になる」と語った。

 マー氏は、「中小企業の手助けをするのが、アリババグループ創設からの我々の使命。中国の中小企業の日本進出と、日本の中小企業の中国進出の双方をお手伝いしたい。翻訳の問題や物流の問題など様々な課題に直面することも予想されるが、消費者、パートナー、そして我々の三者によるWin-Win-Winの関係を目指したい」と語った。

 ヤフーの井上雅博社長は、日本のユーザーにとっては、Yahoo!ショッピングとほぼ同様の手続きで中国の商品が購入できるようになり、カシミアマフラーなどの商品では送料込みでも日本で買うより60%安くなると説明。一方、現状では商品説明の機械翻訳はまだ精度の低い状態で、今後改善していきたいとした。

取扱高3.8兆円でアジアナンバーワンに今年中にはeBayを上回り世界ナンバーワンになると説明

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(三柳 英樹)

2010/6/2 12:42