MSが同期サービスをWindows Live Syncに1本化~数クリックで複数PCを同期


 米Microsoftは10日、同期サービスをWindows Live Syncに1本化する方針を発表した。

 これまでMicrosoftには同期サービスとして「Windows Live Sync」と「Live Mesh」ベータ版という、似た機能を持つ2つのサービスが存在していた。同社では、今後同期サービスをWindows Live Syncに基本的に1本化し、Live Meshの基盤の上にWindows Live Syncを構築し、結果として統合していく方針を明らかにした。

 近日中に公開されるWindows Live Syncベータ版は、Windows7/Vista SP2/Windows Server 2008 R2/Server 2008/Mac OS X 10.5以上に対応する。

 Windows Live Syncでは、複数のPCやMac間で、データをわずか数クリックで同期できる。同期対象となるフォルダは、ドキュメント、ピクチャ、ビデオ、ミュージック、Internet ExplorerやMicrosoft Officeの設定など。

 同期方法として、P2Pとクラウド経由の2通りを選択できる。P2Pによる同期方法はインテリジェントに改良され、自動的にLANまたはインターネットの適切な経路を選択する。この際同期できる最大ファイルサイズは40GBだ。

 また、同期元PCがオフラインの場合でも同期できるよう、クラウド経由でも同期できる。この際、同期フォルダとなるクラウドストレージ容量は2GBだ。Microsoftでは、この容量は一般的な用途では十分な量であり、かつ無料で信頼できるサービスを提供するために、この容量にしたと説明している。

 SkyDriveの無料容量は25GBあるが、Windows Live Sync同期のためのフォルダは構造が異なるため、SkyDriveの全容量を利用できないとしている。将来的には、有料でこの同期容量を追加購入できるようにすることも検討している。

 Live Meshで人気機能であったリモートデスクトップは、Windows Live Syncに引き継がれ、一部機能が改良された。リモートデスクトップでは、ズーム機能が高速になったほか、接続されているデバイスにアクセスするためのWebサービス「devices.live.com」も公開されることになる。そこからWindows Live Syncに接続されている複数のPCにリモート接続し、出先からファイル等にアクセスできるようになる。

 なお、Live Meshでは携帯端末もサポートされていたが、現時点でWindows Live Syncは携帯端末に対応しない。将来的な対応を計画していると説明している。また、Windows Live Syncでは、Windows XPやWindows Home Serverをサポートしないことにも注意する必要がある。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2010/6/11 11:49