ネット上の児童ポルノ対策にブロッキング導入、犯罪対策閣僚会議で決定


 政府の犯罪対策閣僚会議は27日、「児童ポルノ排除総合対策」を決定した。今後3年間をめどに官民一体で取り組むべき対策をまとめたもので、インターネットで流通する児童ポルノへの対策の1つとしてブロッキングの導入を盛り込んだ。

 ブロッキングとは、児童ポルノへのウェブアクセスをISPが強制的に遮断する手法。インターネットユーザーの通信内容の一部をチェックして判定する。遮断する児童ポルノのアドレスリストは、中立的な団体を設置して作成・管理し、これをISPに提供する流れ。ISPに対して「実効性のあるブロッキングの自主的導入」を促すなどして、2010年度中に開始できるよう環境を整備する。

 取り締まりの面では、ファイル共有ソフト利用を含む児童ポルノ事犯について各都道府県警の捜査能力を向上させるため、児童ポルノ捜査に特化した専科教養を実施することなどを盛り込んでいる。

 総合対策の序文によれば、2009年における児童ポルノ事犯の検挙件数は935件で、前年から約4割増加した。5割以上がインターネットを利用したもので、特に児童ポルノ提供事犯・公然陳列事犯では約9割に上るという。


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(永沢 茂)

2010/7/28 06:00