ライブドア、検索エンジンに「NAVER」を全面採用

広告を減らし、ユーザー視点のサービスに回帰


livedoorの新しい検索結果ページ。検索エンジンに「NAVER」を採用

 ライブドア株式会社は1日、ポータルサイト「livedoor」において、グループ会社のネイバージャパン株式会社が提供する「NAVER」の検索エンジンを全面的に採用し、提供を開始した。

 ライブドアは5月10日にNHN Japanグループに加入し、6月にはlivedoorの画像検索にNAVERのエンジンを採用。採用後に画像検索のユニークユーザー数が約30%増加するなど好調の伸びを見せたことから、livedoorの検索エンジンとしてNAVERを全面的に採用した。

 NAVERの検索は、ウェブ、画像、動画、NAVERまとめなど各分野別の検索結果を横断的に表示する「統合検索」が最大の特徴となっており、livedoorの検索結果ページもNAVERと同様の統合検索表示となる。国内ポータルサイトでNAVERの統合検索の採用は初となる。

 さらに、今回の導入に合わせて、検索クエリーが人物名だった場合には人物検索の結果を上位に表示するなど、関連性の高い結果を優先して表示する「コレクションランキング」機能も導入した。

 また、NAVERが提供する「NAVERまとめ」「pick」「Nドライブ」についても、livedoor IDでの利用が可能となるID連携を開始。ネイバージャパンとの本格的な連携を進め、ライブドアとNAVER双方のサービス利用者に高品質で利便性の高いサービスを提供していくとしている。

人物名の検索では人物検索の結果が上位に表示されるlivedoorトップページの検索窓も「powered by NAVER」に

NAVERのリッチな検索結果で新しい検索体験の提供を

ライブドア ネットサービス事業部 検索ビジネス部 部長/シニアマネージャーの窪島剣璽氏

 livedoorでNAVERの検索エンジンを全面採用した経緯について、ライブドア ネットサービス事業部 検索ビジネス部 部長/シニアマネージャーの窪島剣璽氏に話を伺った。

――NAVERの検索エンジンを採用した決め手は何でしょうか。

窪島氏:もちろんまず(ライブドアとNHN Japanの)資本提携があるのですが、そもそも検索エンジンはGoogleとYahoo!という選択肢しか事実上無く、検索は他社と差別化がしづらいサービスだったという状況がありました。そうした中で、資本提携をきっかけとして、NAVERの検索エンジンに切り替えることで他のポータルサイトとの差別化を図り、また今までは広告も多すぎたのでこれを減らして、ユーザー視点のサービスに回帰しようという結論に達しました。

――広告はどの程度減るのでしょうか。

窪島氏:これまでは上部に最大7本の広告が出ていましたが、これが最大2本になります。検索エンジンについてはNAVERに切り替わりますが、広告については引き続きGoogleの広告も採用しています。

――livedoorの検索サービスはすべてNAVERに切り替わるのですか。

窪島氏:これまで、ウェブ検索などではGoogle、動画検索ではWoopie、ブログ検索では自社開発の検索エンジンを使用していましたが、これらをすべてNAVERに切り替えます。NAVER以外の検索として残るのは、子会社のジェイ・リスティングが提供している「登録サイト検索」と、ビカム提供の「商品検索」です。また、現時点ではモバイルの検索も従来通りで、「livedoorグルメ」などのサービス内の検索も自社開発の検索を使用します。

――NAVERの検索サービスに切り替えることでどのような効果を期待していますか。

窪島氏:当面はまず、livedoorの検索利用者数の30%アップを目指したいと考えています。livedoorはユーザーのリテラシーが高いこともあって、他のポータルサイトに比べて検索サービスの利用率があまり高くありません。ただ、その分だけ利用率の伸び代があるとも言えますし、6月に画像検索をNAVERのエンジンに切り替えてからはユーザー数が約30%増加しました。また、今後はlivedoorのユーザーがNAVERを利用することでユーザーも増えるため、検索の品質がさらに向上することにも期待しています。

――ユーザーにはどのような点をアピールしていきたいですか。

窪島氏:NAVERの検索の特徴はリッチな検索結果画面です。GoogleやYahoo!など従来の検索結果ページを見慣れたユーザーに対しては、大胆な提案で、大きなチャレンジだと認識しています。ただ、マイクロソフトのBingもそうですが、検索エンジンも各社が新しいユーザーインターフェイスを試行しており、livedoorでも新しい検索体験の提供として提案していきたいと思っています。

 また、NAVERでは「NAVERまとめ」などのサービスでユーザー参加型の検索エンジンという方向性を打ち出しています。今回のID連携により、livedoorのユーザーもNAVERのサービスが利用できるようになりますが、こうした連携を今後もさらに進めていきたいと思います。

――ありがとうございました。


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(三柳 英樹)

2010/9/1 12:20