楽天、複数店舗から購入した商品をまとめて翌日配送する「楽天24」


発表会で挨拶する三木谷社長

 楽天株式会社は10月5日、新サービス「楽天24(らくてん トゥエンティーフォー)」の提供を開始したと発表。同日、日用品などリピート購入する商品を中心に、複数店舗から一括購入・一括配送が可能な専用サイト「楽天24」をオープンした。

 「楽天24」で扱う商品はすべて翌日配送が可能で、複数店舗の商品をまとめて配送する。配送日時の指定もでき、送料は日本全国240円で、税込3900円以上の購入で送料無料となる。

 発表会で三木谷社長は、「楽天市場では幅広い商品を多数の店舗から購入できるが、各店舗から別々に配送されてくるという問題があったが、このたび『楽天24』として、暮らしに必要な生活必需品を中心に、複数の店舗で買っても、まとめて配送されるというサービスを開始します」と既存の楽天市場とは別にサービスを開設した理由を説明。

 「わたし自身も生活の中でこういうサービスがあれば非常に便利だなと思っております。品揃えもこれからどんどん増やして、楽天の中核サービスとして育てていきたい」と新サービスへの期待を述べた。

 「楽天24」では、共働き家庭や若年単身者世帯、小さな子どものいる夫婦などで、日用品の買物に割く時間が十分取れない、できれば買いに行く手間を省きたいという層を主なターゲットとする。

 楽天市場に出店している店舗の受注・決済・カスタマーサービス業務を、楽天が代行するため、 サービス開始にあたり楽天では「楽天24」の取扱商品を管理する専用の物流センターを設けた。商品を一括管理し、複数店舗の商品を同梱して配送できる仕組みを構築したことで、「低コストでスピーディーな配送サービスが提供可能となった」としている。配送業務はクロネコヤマトを中心に展開する。

 今後について、執行役員兼楽天市場事業副事業長 高橋理人氏は「日用品はまだ実店舗での購入が主流だが、繰り返し購入する日用品を安い送料で扱うことで、これまでの2倍利用していただければと考えている。価格的には、最安値を目指していきたい」とコメント。安い送料でも、利用頻度が上がることで、店舗とともに売上増を目指す考えだ。

 商品については、リピート購入する日用雑貨、ペット用品、化粧品、調味料や飲料、おむつ、プリンターインクなどの消耗品など定番商品を中心に展開。このほかに目玉となる特売品を定期的に掲載し、季節の変わり目などにとくに需要が高まる商品なども揃えていくとしている。

 サービス開始時点では、「飲物屋」「エレコムダイレクトショップ」「キラット」「グルメコーヒー豆専門!加藤珈琲店」「激安 ディスカウントワン」「ケンコーコム」「香水通販B-CAT.COM」「CosmeSpot」「コスメスポット」「爽快ドラッグ」「Nailyasan~ネイル&キラキラ小物」「ペッツビレッジクロス」「fam楽天市場店」の12店舗が参加する。

日用雑貨や食品、飲料、ペット用品などリピート購入する商品を中心に扱う楽天市場では、買物を楽しめる品揃えと店舗数を充実させてきた楽天市場では、多数の店舗からそれぞれ店舗ごとに決済・配送している
「楽天24」では専門の物流センターを設け、一括決済・一括配送を可能にした想定利用ユーザーは、日用品の買物に使う時間を節約したいと考えているDINKSや単身世帯、こどものいる夫婦などリピート購入する定番品に加え、目玉商品や季節商品も扱う
スタート時の商品ジャンル季節商品は、楽天の販売実績から季節の変わり目などに売れる商品を扱う「楽天24」のサイト構成

 なお、競合となるAmazon.co.jpでは、Amazon.co.jpが販売する商品は現在通常配送料無料となっているが、Amazon.co.jp配送センターから出荷される商品を除き、出品者の店舗および個人から商品を購入する場合には、1点ごとに送料がかかる。ホーム&キッチン、文房具・オフィス用品などは送料が1点450円で、さらに1kgあたり50円の重量加算があるため、洗剤やコピー用紙などについては、「楽天24」の方が送料がかなり安く上がることになる。


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(工藤 ひろえ)

2010/10/5 18:30