Google、Chromeの中にリアルタイム音声・動画通信機能を組み込む計画
Googleが、Chromeブラウザーの中で、音声や動画によるリアルタイム通信をウェブアプリケーションとして実現するための機能を開発中であることが明らかになった。これが実現すれば、Skypeのようなアプリケーションをネイティブアプリケーションとしてではなく、ウェブアプリケーションとしてHTML5とJavaScriptだけで実現できることになる。
このことが明らかになったのは、WebRTC(ウェブリアルタイムコミュニケーション)プロジェクトが発表したコメントによる。それによると、オープンソース版Chrome(Chromium)内に、WebRTCのソースコードをサードパーティソフトウェアとして組み込むことが示されている。
WebRTCプロジェクトは、米Googleが2010年5月に買収したテレビ電話会議ソフトウェアのGIPSの技術をオープンソース化したプロジェクトが元となっている。
WebRTCプロジェクトの公式ブログによると、「我々は、WebKitのJavaScript API群や、ネイティブオーディオとビデオキャプチャー、レンダリングを取り扱えるようにするために、ChromiumとChromeの中に完全に統合する残りのステップを踏むために奮闘しているところだ。これが完了すれば、ウェブ開発者なら誰でも、GmailのGoogleTalkクライアントのようなリアルタイムコミュニケーションアプリケーションを、プラグインなしに、サンドボックスの中で動作するWebRTCコンポーネントを使用するだけで開発できるようになる」とコメントしている。
この計画が実現すれば、PCやMac上のGoogle Chromeでさまざまな音声アプリケーションやビデオ会議アプリケーションが可能になるだけでなく、GoogleのChrome OSの中でも、ひいてはChromebookでも、同様の機能が実現できることになるだろう。
WebRTCプロジェクトには、現時点でMozillaとOperaも参画しており、これらのブラウザーがWebRTCを組み込む可能性も高い。一方、MicrosoftはSkypeを買収しているため技術的には直接競合することになりそうで、Internet Explorerでどのように扱われるかにも注目が集まりそうだ。
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(青木 大我 taiga@scientist.com)
2011/6/22 11:17
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