中国のインターネット利用者は4億8500万人に。ミニブログは半年間で一気に普及
中国ネットワークインフォメーションセンター(CNNIC)は、中国における2011年6月末におけるインターネットの利用状況をまとめた「第27次中国互換網発展状況統計報告」を発表した。
●PC、ケータイともにインターネット利用者の増加が鈍化
2011年6月末時点のインターネット利用者は4億8500万人で、総人口に対するインターネット利用率は36.2%。半年前に行った前回調査より2770万人、2010年末からの1年間では6500万人増加した。インターネット利用者のうちブロードバンドの利用者は前年比ほぼ横ばいとなる840万人増の3億8977万人で、インターネット利用者の98.8%がブロードバンドを利用している。また携帯電話の利用者もほぼ前回調査と横ばいとなる1495万人増の3億1768万人。
インターネット利用者数の推移 | インターネット各サービスの利用用途と利用率と利用者増加率 |
インターネットを利用する機器について(複数回答可)では、「デスクトップPC(74.0%。同4.4%減)」「携帯電話(65.5%。前回調査比0.7%減)」が全体からみた利用率が減少している一方、「ノートPC(46.2%、同0.5%増)」や「その他(1.0%(同0.5%増)」が増加。筆者自身の中国現地調査の感覚でいえば、特に上海でしばしばスレートPCユーザーを見ることがあった。その他の増加はそうしたことが背景ではないかと推測する。
インターネットを利用する場所について(複数回答可)は、「インターネットカフェ(26.7%、同9.0%減)」が大幅に減少した。その他では「自宅(91.3%。同2.1%増)」「職場(33.0%。同0.7%減)」「公共の施設(14.8%。前年比1.3%減)」となり、自宅からのインターネット利用がより当たり前になりつつある。
中国に限ったネット利用者層の特徴は若者が多いことで今回もその傾向はあまり変わらず。学生の利用者は29.9%。ただ50歳以上で若干利用者の増加が見られる。収入別では都市住民でもまずまずの所得である月収2000元(約2万5000円)以上の利用者増加(37.1%。同3.8%増)が目立った。男女別利用比は55.1:44.9で近年ほぼ横ばいの状態が続く。
インターネット利用者の所得別構成比 | インターネット利用者の年齢別構成比 |
農村部のインターネット利用者は同600万人増の1億3100万人。当レポートにおいては「社会的に農村部の住民がが都市部にシフトする渦中にあり、農村部のインターネットの増加傾向は把握し切れていない」としている。
一昨年の「.cn」ドメイン取得1元キャンペーン終了と、継続する不良ドメイン粛清活動を行ったことにより、「.cn」ドメイン数は前回調査時よりも減少の一途を辿り、昨年の1346万から350万まで減少。IPv4アドレスの中央在庫がついに枯渇した際、中国国内専門家「IPv4は、中国で5年はもつ」と予測している(http://internet.watch.impress.co.jp/docs/column/m_china/20110209_425771.html)。海外バックボーンの総容量は前回調査比7.6%増の1,182,261Mbps。
IPv4数の推移 | IPv6数の推移 |
●twitterのようなミニブログ「微博」利用者が激増、かわりに掲示板やSNSで利用者微減
インターネット利用者のインターネット平均利用時間/週は、前回調査時の19.8時間から18.3時間(1日平均2.6時間)へと減少した。
利用用途で目立った変化では、「微博」と呼ばれるtwitterもどきの「ミニブログ」が激増、前回調査の6311万人から1億9497万人へと3倍以上の増加。利用率でも13.8%から40.2%まで増加した。
また、本家グルーポンも参入したクーポンサイトも前回調査の1875万人から4220万人と倍以上の増加となった。またオンラインペイメント・オンラインショッピング・チャット・ブログ・動画視聴も5%程度の利用者増となった。一方で利用者が減少するサービスもあり、「オンライントレーディング」の利用者が前回調査の7088万人(利用率15.5%)から5626万人(同11.6%)となったほか、SNSや掲示板の利用者が減少した。
インターネット利用者の利用用途のトップ5は、1位から順に「情報検索(3億8606万人、利用率は79.6%)」「チャット(3億8509万人、79.4%)」「音楽試聴(3億8170万人、78.7%)」「ニュース(3億6230万人、74.7%)」「ブログ(3億1768万人、65.5%)」。
6位から10位までは、「オンラインゲーム(3億1137万人、64.4%)」「動画視聴(3億119万人、62.1%)」「電子メール(2億5172万人、51.9%)」「SNS(2億2989万人、47.4%)」「ネット小説(1億9497万人、40.2%)」。
11位以降は多い順に、「ミニブログ(1億9497万人、40.2%)」「オンラインショッピング(1億7266万人、35.6%)」「オンラインペイメント(1億5326万人、31.6%)」「オンラインバンキング(1億5035万人、31.0%)」「掲示板/BBS(1億4405万人、29.7%)」「オンライントレーディング(5626万人、11.6%)」「クーポンサイト(4220万人、8.7%)」「オンライン旅行予約(3686万人、7.6%)」となった。
今回のレポートでは、携帯電話でのインターネット利用状況を紹介している。2011年5月末の段階で7376万ユーザーが3Gを利用しているが、2Gも含めたユーザー数は9億1000万ユーザーで、全体から見た3Gユーザー数は少なく、テキストを主に利用したデータ量が少ないサービスが人気の傾向。携帯電話でのインターネット利用においてもミニブログの利用者が4691万人(利用率15.5%)から1億801万人(同34.0%)まで増加。スマートフォンも含め、携帯電話へのソフトウェアインストールは46.8%と半数近くに伸びている。
携帯電話によるインターネット各サービスの利用用途と利用率 | 携帯電話によるインターネット利用者数の推移 |
関連情報
(山谷 剛史)
2011/7/22 06:00
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