電子雑誌ストア「Zinio」日本版が1周年、バックナンバー100円キャンペーン


 米Zinioが運営する電子雑誌ストア「Zinio」は8日、日本向けサービスの1周年を記念したキャンペーン「Zinio Japan 1st Anniversary CAFE」を開始した。雑誌8誌のバックナンバーを1冊100円で販売する。期間は2012年1月20日まで。

 Zinioは、世界29カ国・地域でサービスが提供されており、出版社約500社の雑誌約4000誌を取り扱っている。日本向けサービスは2010年12月16日にグランドオープン。現在、日本の雑誌は約160誌が販売されている。購入した雑誌は、マルチデバイス(Windows、Mac、Linux、Android、iPad/iPhone/iPod touch)で利用可能だ。

Zinio Japan 1st Anniversary CAFE

 バックナンバーが100円になる雑誌は、「CREA Traveller」「GQ JAPAN」「VOGUE JAPAN」「Men's EX」「WORLD SOCCER DIGEST」「ケトル」「flick!」「週刊東洋経済」の8誌。また、「flick!」「WORLD SOCCER DIGEST」を除く6誌は、定期購読のキャンペーン割引価格も設定した。例えば、「GQ JAPAN」は最新号から3号分で600円となっている。

 このほか、キャンペーン期間中に「あなたの人生を変えた雑誌」のツイートを募集。抽選で3人にSony Tabletをプレゼントする。

 Zinioは、世界中のサービス提供国・地域から共通で利用でき、海外の雑誌もそのまま円換算した価格で購入できるのが特徴。特に海外の出版社では一定期間を過ぎたバックナンバーを大幅に値下げして販売する商習慣もあるため、輸送コストがかかる紙の輸入雑誌よりも安く、また短いタイムラグで購入できるとしている。

 また、日本の出版社にとっても、単一プラットフォームで国内・海外問わずに雑誌を販売できるメリットがある。実際、日本の雑誌約160誌のうち、ごく一部を除いて海外向けにも販売されている。中でもデザイン、ファッション、建築といったジャンルの雑誌は日本語が読めなくてもコンテンツとして価値があるため、ニーズがあるという。

 また、それほど売り上げは大きくないが、意外に人気なのがモノ系雑誌だ。海外からは日本製家電への興味・注目が高いほか、スマートフォンなど同じガジェットを扱っているような記事でも、海外の雑誌は誌面デザインがざっくりしているのに比べ、日本の雑誌の誌面は凝っていることなどが、海外ユーザーにもウケているのではないかとしている。

 なお、Zinioの日本における事業は、ソニー株式会社が担当している。ソニーでは、電子書籍専用端末「Reader」の開発・販売や電子書籍ストアサービス「Reader Store」を自社で展開する一方で、Zinioと業務提携することでよりグラフィカルな電子雑誌のサービスも手がけながら、電子出版市場の普及・拡大に取り組んでいるかたちだ。


関連情報


(永沢 茂)

2011/12/8 13:25