米Evernote、iPadの人気手書きメモ帳アプリ「Penultimate」を買収


 米Evernoteは7日、米Cocoa Box Designの手書きメモ帳アプリ「Penultimate」を買収したと発表した。買収金額などの詳細は公表されていない。

 Penultimateは、今年3月に発表されたiTunesのiPad有料アプリ歴代人気ランキングで、米国販売数第4位(日本では9位)を獲得している人気アプリだ。現在、App Storeにて85円で販売されており、買収後も引き続き利用できる。

 Penultimateは、手書きの感触を生かすために、物理的なノートや手帳の操作感を再現するよう作られており、iPadで手書きする時に、手のひらなどで間違った操作を行ってしまわないようにできるなど、細かな心配りに人気がある。紙の種類、インクの色、線の太さを自由に決められ、iPadでどこでも指やスタイラスでノート取りや絵を描くことが可能だ。ノートはEvernoteに保存することができる。

Penultimate

 買収についてEvernoteのCEOであるPhil Libin氏は、「今後、Penultimateを改善しつつ、Evernoteへの機能強化にもつながる計画」があることを示唆している。

 Penultimate開発者のBen Zotto氏は、Evernoteでアプリ開発に携わることになる。Penultimateのアプリ自体にはEvernoteと連動した全文検索や同期機能を追加するほか、Evernoteの他の製品やプラットフォームに手書き・デジタルインク機能を組み込むための開発を指揮することになるという。

 EvernoteではすでにRitescript部門を通して手書き文字認識機能を提供し、他社にもライセンスしている。この技術では英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、ロシア語、イタリア語、オランダ語の手書き文字認識が可能だ。

 そのため、Penultimateで書いた手書きメモをEvernoteに保存し、文字認識や全文検索につなげるような統合的なサービスに発展していく可能性も期待できそうだ。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2012/5/8 12:17