シャイな人も萎縮しない、オンライン英会話「ベストティーチャー2.0」


 株式会社ベストティーチャーは24日、PCやスマートフォンのブラウザーから利用できるオンライン英会話「ベストティーチャー2.0」の正式サービスを開始した。料金は月額3980円。10月1日までに登録すれば初月は1050円。最大2回利用できる無料体験も用意している。

自分で教材を作成、追加料金なしでレッスン受け放題

 Skypeなどを用いて外国人講師とやりとりするオンライン英会話サービスは料金も安く、手軽に利用できる反面、シャイな人にとっては知らない外国人講師といきなり会話することに萎縮することもある。

 これに対してベストティーチャーではまず、「ビジネス英会話」と「日常・旅行英会話」のカテゴリー中から自分のレベルに応じたシチュエーションを選択。会話の前段階として、外国人講師とテキストチャットでスクリプト(シナリオ)を作成するのが特徴だ。

ベストティーチャーのイメージ

 シチュエーションはビジネス英会話が電話対応や会議、面接のほか、部署別によく使う会話など200個を用意。日常・旅行英会話は自己紹介や空港・レストランでのやりとり、恋人への謝罪といったシチュエーションなど200個を用意している。

合計400個のシチュエーションの中から選べる

 作成したスクリプトは講師が添削してくれるだけでなく、添削されたすべての英文に講師が発音した音声が入力されて届く。自分の発音も録音できるため、講師の音声と比較することも可能だ。

会話の前にテキストチャットでスクリプトを作成する

 その後は添削済みのスクリプトに内容をもとに、Skypeで10分間のビデオチャットを行う。いわば「自分だけのオリジナル教材」を用いてビデオチャットすることで“心の準備”ができるため、シャイな人でも萎縮しないで英会話を練習できるのだという。

 講師は米国、英国、インド、オーストラリアなど40カ国以上400人が在籍。ビデオチャットは前日までに予約する必要がある。ビデオチャットが可能な時間は19時から23時まで。追加料金なしで1日に何度でもレッスンを受けられる。

ビデオチャットの予約画面

元代ゼミ講師が勧める英語学習法

 ベストティーチャーCTOの後藤正樹氏は、既存のオンライン英会話について「シャイな人は自己紹介で終わり、別の話題になりにくい」と課題を指摘する。一方、ベストティーチャーはシチュエーションを設定することで、得意な会話が増やせるのが特徴という。

 「例えば、『自己紹介をしてみよう』というレッスンでも、ベストティーチャーではユーザーの英語レベルが変われば、英語表現も変わっていくのでマンネリ化することはない。」

 さらに、ソーシャルラーニング機能として、同じシチュエーションのレッスンを受けている他のユーザーが作成したスクリプトを閲覧することもできる。これにより、他のユーザーの会話を参考にしながら、自分なりのフレーズを作れる。

他のユーザーが作成したスクリプトを閲覧できる「みんなの英会話」機能

 後藤氏は、元・代々木ゼミナールの物理科講師。自らも英語を学習していた当時、同僚の英語科講師に上達法を尋ねたところ、複数の講師から「書いて覚えるのが遠回りのようで近道」とアドバイスを受けた。この助言はベストティーチャーにも反映されている。

 今後は、ユーザーが独自のシチュエーションを作成できる機能を投入する予定。各ユーザーにとって必要なシチュエーションを蓄積していくことで、「Cookpadがレシピを共有するように、シチュエーション別の英会話を共有する存在になりたい」(後藤氏)。

 ベストティーチャーは2012年5月にベータ版サービスを開始。現在の会員数は1800人、うち有料会員は9%に上るという。正式サービスにあたっては、1日に受けられるレッスンを無制限にするなどの新機能を追加した。年内に1万ユーザーを目指すという。


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(増田 覚)

2012/9/24 10:00