JCN、Android 4.0搭載のSTBを利用した「JCNスマートテレビ」提供開始

イメージキャラクターは「アンドロイドマツケン」


 ジャパンケーブルネット株式会社(JCN)は28日、KDDI株式会社が開発したAndroid 4.0搭載の「Smart TV Box」をセットトップボックス(STB)として利用する、ケーブルテレビおよびインターネットサービス「JCNスマートテレビ」の提供を開始した。

 JCNスマートテレビの料金コースは、多チャンネル(72チャンネル以上)のテレビサービスと、下り100Mbpsのインターネット接続サービスをセットにした「スマートマックス」が月額9450円、さらにタブレット端末をセットにした「スマートマックス with タブレット」が月額1万1025円。電話サービス(JCN電話)は各コースに月額525円の追加で利用できる。

 「スマートマックス with タブレット」コースは、NECのAndroidタブレット端末「Life Touch L for JCN」をセットにしたプラン。タブレットをSmart TV Boxのリモコンとして利用できる専用アプリが搭載され、セカンドスクリーンとしてテレビのライブ視聴や録画番組の視聴にも対応する。初期費用としてタブレット代金4935円が必要で、2年後には自動的に「スマートマックス」コースに移行する。

 また、両プランとも加入時には宅内工事費などが別途必要となる場合があり、契約期間内(2年間、スマートマックスで集合住宅の場合は1年間)の解約には解除料(1万500円、タブレットプランの場合は2万1000円)が発生する。

テレビとインターネット接続がセットで月額9450円デンワサービスも月額プラス525円で利用可能
タブレットセットの場合は月額1万1025円タブレットはSTBのリモコンとしても利用できる

 JCNでは、JCNスマートテレビ向けのサービスとして、ケーブルテレビのコミュニティチャンネルで放送している番組を動画で配信する「地元情報 じーもっと」を提供。また、レシピや健康、ショッピングなどの生活関連情報コンテンツをKDDIが提供する。

 さらに、KDDIがauのスマートフォン向けに提供している「auスマートパス」を、JCNスマートテレビにも提供。月額390円の定額料金で約100種類のアプリを取り放題で利用できる。月額590円の定額動画サービス「ビデオパス」、月額315円の定額音楽サービス「うたパス」も2013年1月に提供開始予定。

 JCN各局では、28日にJCNスマートテレビの受け付けを開始。早ければ12月7日には加入者宅にSmart TV Boxが設置され、サービスが開始される見通し。

コミュニティチャンネルの動画を配信「auスマートパス」などの利用も可能

Android 4.0搭載のSTB「Smart TV Box」

Smart TV Box

 Smart TV Boxは、約176×176×51mmという小型の筐体に、テレビチューナー、ケーブルモデム(DOCSIS 3.0)、無線LANアクセスポイント(IEEE 802.11a/b/g/n)の機能を搭載し、OSにAndroid 4.0を採用したパナソニック製のSTB。KDDIが開発し、今回のJCNを第1弾として今後全国のケーブルテレビ局に提供していく予定。

 テレビ放送の視聴や録画といった通常のケーブルテレビのSTBとしての機能に加え、各種Androidアプリやインターネットサービスの利用が可能。YouTubeやniconico(ニコニコ動画)、LISMO WAVE、radiko.jpといった各種インターネットコンテンツにもアプリで対応する。アプリは付属のリモコンでの操作となり、サービス開始時点では「auスマートパス」で提供している100種類以上のアプリ、Google Playでは200種類以上のアプリがテレビとリモコンでの利用に対応しているという。

 インターネット接続機能は、DOCSIS 3.0のケーブルモデムを搭載。ケーブルテレビ局が提供するインターネット接続サービスに対応する。JCNでは下り最大160Mbpsのインターネット接続サービスを提供しているが、Smart TV Boxに搭載されているLANポートは100Mbps(100BASE-T/10BASE-T)対応のため、サービススペックの表記も「下り最大100Mbps」となっている。また、JCNではインターネット接続とのセットでのみ提供しているが、Smart TV BoxにはWAN側のイーサネットポート(100BASE-T/10BASE-T)も搭載されている。

 ケーブルテレビのSTBとしては、多チャンネル対応のトリプルチューナーを搭載し、USB接続のHDDにダブル録画が可能。DLNA機能も備え、LAN経由で他のテレビでの録画番組やライブ視聴に対応する。HDD接続用のUSB 3.0端子(1ポート)とUSB 2.0端子(2ポート)、SDメモリカードスロットを備える。外部出力はHDMI、アナログ出力、光デジタル音声出力。

背面リモコン

CMキャラクターには「アンドロイドマツケン」を起用

(左から)KDDIの高橋誠氏、松平健氏、JCNの藤本勇司氏

 28日に行われたサービス発表会で、JCN代表取締役社長の藤本勇司氏は「米国でもブレークしたスマートテレビは、必ず日本にもやってくる。阻害要因があるとすれば、多くの家庭では数年前に大型テレビを購入しており、買い換えなければいけないという問題」と語り、現在使っているテレビでそのままスマートテレビが利用できるサービスを提供すると説明。KDDIとの取り組みにより、スマートフォンやタブレットとの連携など「他社では真似できないサービスになった」として、「テレビを変えて、お茶の間を変える、そういう意気込みで取り組んでいく」と意欲を語った。

 KDDI執行役員専務の高橋誠氏は、「ケーブルテレビとauで新しいライフスタイルの提案をできないかと考え、『お客様に一番近い』をケーブルテレビと通信で実現する今回のサービスの提供に至った」と説明。auスマートパス、ビデオパス、うたパスといったサービスをauで利用している場合には、同じIDで追加料金なしでSmart TV Boxでも利用できるマルチデバイス展開となり、今後もさらにテレビが便利になるサービスや、通販など他社との提携を広げていくとした。

 JCNスマートテレビの開始にあたっては、JCNのイメージキャラクターである俳優の松平健氏が新キャラクター「アンドロイドマツケン」に扮し、ロボットダンスを披露するプロモーションビデオとCMを作成。CMはJCN各局のコミュニティチャンネル内で放送される。発表会場にも「アンドロイドマツケン」の衣装で登場した松平氏は、「このサービスはスマートフォン時代の新しい未来を感じさせるサービス。ぜひご利用いただければと思います」とサービスをアピールした。

PVでは「アンドロイドマツケンサンバ」とダンスを披露撮影時の感想を聞かれ「衣装が動きづらく、暑いのが大変だった」と語る松平氏

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(三柳 英樹)

2012/11/28 18:58