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さくらインターネット、HVDC給電システムの非常用発電に「燃料電池」

 さくらインターネット株式会社とNTTデータ先端技術株式会社は22日、石狩データセンターで実施している高電圧直流(HVDC)給電システムの実地検証環境の非常用発電装置として燃料電池を設置し、評価検証を行うと発表した。

 2011年11月に開所した石狩データセンターは、北海道の冷涼な気候を活用した外気冷房を採用することで、従来型データセンターと比較して空調の消費電力を約9割削減し、PUE 1.1台を達成している。さらなるエネルギー効率化を目指し、交流(AC)方式より2割程度の電力を削減できるHVDC給電システムをコンテナ化し、実地検証を進めてきた。

HVDC給電システム実地検証環境の外観写真

 今回、直流環境における効率的な非常用発電装置として、HVDC給電システムの実地検証環境に燃料電池を設置した。燃料電池は、水素と酸素を化学反応させて電気エネルギーに変換するもので、発電の過程で二酸化炭素や排気ガスを出さない発電方式として注目を集めている。

燃料電池の外観写真

 また、交流環境で燃料電池を利用する場合、燃料電池の直流電力を交流に変換する必要があるため、変換時に5~10%程度の電力損失が発生するが、HVDC給電システムで利用する場合、直流/交流の変換による電力損失がなく、効率的な環境が実現するという。

(川島 弘之)