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近畿大学、新入生の不安解消へFacebookグループ開設、友達づくり支援

 近畿大学は10日、2013年度の新入生向けに開設したFacebookグループの登録者が1000人を突破したと発表した。約8000人の新入生のうち1割以上が参加していることになる。入学前からFacebookグループで集合場所を共有し、入学早々、初対面の新入生同士でボーリングに行く例など、ネットだけでなくリアルでの交流にも発展しているという。

 近畿大学が2012年度の新入生を対象に行った調査では、大学生活への不安として「友人ができるかどうか不安」との回答が73.7%に上った。近畿大学ではすでに2012年1月から大学全体のFacebookグループを管理していたが、新入生のこうした不安を少しでも解消できるよう、専用のFacebookグループを開設することとした。非公開グループとして「2013近畿大学入学生」を2月1日に開設。登録手順などを説明したチラシを入学式の案内書類に同封して送付し、新入生に対して登録を呼び掛けながら入学前からの友達づくりを支援した。

入学生に送付したFacebookグループの案内チラシ

 近畿大学によると、従来であれば入学して最初に付き合いが生まれるのは、同じ学部の人やたまたま入学式の日に隣りに座った人などに限られており、特に地方出身の人は友人もいないために心細い状態で入学してくる人も多いという。実際、開設したFacebookグループにもこうした声が無数に投稿されているとしている。

 その一方で、このFacebookグループによって、同じ学科の新入生同士はもちろんのこと、従来は知り合うまでにそれなりに時間を要した同じ趣味や同じ地方出身の新入生同士がすでに活発に交流するようになっている。さらには学科・コース単位でLINEのグループを立ち上げるなど、「新入生が自主的にSNSを駆使して友達の輪を広げており、大学も想定しなかったつながりが構築されている」。

 複数ある同大学のキャンパスのうちメインである東大阪キャンパスには4月3日・4日の2日間、交流スペースとして「Facebook広場」を開設。大学職員と在学生が常駐し、まだFacebookグループに登録していない新入生に登録方法を教えたり、1人で訪れる新入生に声をかけるなどして、リアルでも友達作りを支援した。Facebook広場には2日間で約200人が訪れたという。

 近畿大学ではこのFacebookグループを今後、授業登録や就職活動などの情報交換の場としても活用していくほか、卒業後も同期生とつながりを持てる空間として継続していく予定。

 Facebook Japan副代表の森岡康一氏は、「大学がFacebookを活用し、新入生向けにこのようなサービスを提供している事例は聞いたことがない。しかもメンバーが1000人を超えたことは驚き」とのコメントを近畿大学のプレスリリースに寄せている。

(永沢 茂)