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ミクシィが写真共有アプリ「プランナー」、新事業は“非ソーシャル”に勝機

 株式会社ミクシィは1日、スマートフォンで撮影した写真を共有できるアプリ「Plannah(プランナー)」を公開した。まずはiPhoneアプリをリリースし、近日中にAndroidアプリを提供する。利用するにはメールアドレスとパスワードの登録が必要。

Plannah(プランナー)アプリのイメージ

 スマートフォンで撮影した写真を共有したり、過去に撮影した写真を日付けごとに閲覧できるアプリ。気に入った写真をアップロードして「アルバム」を作成し、アプリを利用する他のユーザーとの共有が可能。投稿できる写真の枚数や容量に上限はない。

 アルバムは指定した相手とのみ共有でき、相手にも写真を追加してもらえる。アルバムはカレンダー形式で表示されるため、日付けをもとに振り返られる。アルバムの写真はまとめてスマートフォンに保存することも可能だ。

メイン画面
アルバム作成画面
写真アップロード画面
アルバム共有画面
カレンダー画面

SNSが普及した今だからこそ、大切な思い出を共有する“ノンソーシャル”な場所

 利用シーンとしては、結婚式2次会に参加したメンバーだけで写真を共有したり、家族や恋人との写真などSNSに投稿しないようなプライベートな出来事を共有するようなケース。プランナー事業統括責任者の土戸錬氏は、「人のつながりがオープンになった今だからこそ、大切な思い出を安心して共有できる“ノンソーシャル”な場を作りたかった」と話す。

 「決してmixiを否定するわけではないが、ソーシャルメディアの普及によって、ユーザーが心地よく感じるネット空間が多様化した。その中で、大切な思い出を共有するのはソーシャルではないと感じていた」。

 メインターゲットはスマートフォンの普及率が高く、特にiPhoneで撮影することが多いという20代前半の女性。開発にあたってはユーザーインタビューを実施し、「共有した写真を振り返られない」「予定に参加していないメンバーに写真が共有されるので気まずい」といった意見を取り入れてアプリに反映した。

Plannah(プランナー)の利用シーン

動画共有やスケジュール調整機能も

 ミクシィは2012年8月、新規事業の創出を目的とした社内部署「イノベーションセンター」を発足。同社の中核事業であるmixiや、ウェブ業界に特化した転職サイト「Find Job!」に続く新サービスの開発に取り組んでいる。

 2012年9月にはテスト版Androidアプリを限定配布できる「DeployGate」と20代女性を対象とした定期購入型ファッションEC「プティジュテ」(2013年1月に終了)、2月にはフォトブックサービス「ノハナ」を開始し、プランナーは新規事業第4弾サービスとなる。

 今後は、動画投稿や写真コメント機能を実装する予定。また、スケジュール管理・調整を行う独自のツールを用意し、予定が決まるまでのやりとりを保存できるようにする。「何気ない日常から大切なイベントまで、未来の予定から過去の思い出までをストックし、そこで生まれるコミュニケーションを支援していきたい」(土戸氏)。

 プランナー(Plannah)は、計画を意味する「Plan」と、noのカジュアルな表現である「nah」の造語で、「プランより大切なもの」という意味。「面倒と思われがちの予定調整や計画さえも、プランナーでは大切な瞬間に生まれ変わる」という思いを込めたという。

左からPlannah技術責任者の衣川憲司氏、事業責任者の土戸錬氏、デザイン責任者の永尾正史氏

(増田 覚)