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ヤフーが広告事業で5社と協業、ビデオ広告にも本格参入

 ヤフー株式会社は15日、広告・マーケティング分野における事業展開について、新戦略を発表した。主に広告枠の販売に専念していた従来の体制から事業を拡張。広告プラットフォームの構築やコンサルティング、ビデオ広告などに強みを持つ外部企業5社と協業し、ソリューション(課題解決)型のマーケティングサービスをより推し進めていくという。

新たに立ち上げる施策(赤枠部分の4つ)の位置付け

 新戦略の柱は4つ。ヤフーと広告主それぞれのビッグデータを統合管理する「DMP(Data Management Platform)」の機能強化、広告主自身がより効率的に広告枠を購入できる「DSP(Demand Side Platform)」サービスの新規立ち上げ、ビデオ広告事業への参入、データサイエンティスト(データ分析家)によるコンサルティング事業の本格化、この4つが今回明らかにされた。

 協業先は、BrightTag、Yahoo!、Videology(3社とも米国)、Ustream Asia株式会社、株式会社ブレインパッドの計5社。このうち、DMP開発で協力するBrightTagとは資本面でも提携。ブレインパッドとはデータサイエンティストの確保に向けた合弁会社を設立する。なお、サービス開始時期などの詳細については、個別に発表する予定という。

 15日には、都内で記者説明会が開催された。冒頭、ヤフー株式会社の友澤大輔氏(マーケティングソリューションカンパニー マーケティングイノベーション室 室長)からは、新戦略策定の経緯が説明された。

ヤフーの友澤大輔氏

 友澤氏によれば、企業のマーケティング担当者は多くの課題を抱えている。ビッグデータに注目が集まるものの数や規模が大きいだけで活用しきれなかったり、広告の配信技法も極めて複雑化しているという。

 また、ブログやSNSの登場を皮切りとした、「ソーシャル」の隆盛による影響も強くなった。「人間の情報処理能力はほぼ変わっていないのに、世の中に流通する総情報量がどんどん増えている。結果として無視される情報が増え、お客様の頭の中に広告が残りづらい」(友澤氏)。

 こういった課題を解決するため、ヤフーでは新戦略を打ち出していく。友澤氏は「今までのヤフーは、広告を出す場所を(広告主に)予約してもらい、『決まりですから』といって画像(バナー)だけを受け付けていた」と反省し、その上で「広告主が、欲しい時に欲しいもの、つまりユーザーを見つけられるよう、ヤフーが一緒になって探す。画像以外の広告手段も提供していく」と説明。広告出稿の選択幅が狭い現状を打破する方針だ。

マーケティングをめぐる課題
5社との協業を発表した
ヤフーの高田徹氏

 ヤフーの高田徹氏(マーケティングソリューションカンパニー ディスプレイ広告ユニット ユニットマネージャー)からは、新戦略の詳細が解説された。

 ヤフーではその運営開始直後から16年にわたって広告枠の販売を行っている。一方で、その16年の間に、広告主のマーケティング環境は大きく変わったと高田氏は指摘する。「特に、消費者をどう捉えるかが難しくなった。かつては特定の広告枠を1つ買うだけで顧客に十分リーチできたが、それでは足りなくなってきている」。

 その背景にあるのが、スマートフォンやタブレットの普及だという。情報を入手するためのチャネル自体が増え、さらにソーシャルの普及といった要因も重なり、分散化した。この解決のため、客観的な“データ”を元に、広告枠販売以外の周辺事業を拡張させる。

 ビデオ広告については、端末の高機能化によって配信映像の品質を高くできるようになったことに加え、画面面積に対する広告表示の占有率が高い(スマートフォン向け動画広告であれば、画面全体がすべて広告になる)点も、マルチデバイス時代ゆえのメリットであると高田氏は説明する。

 ビデオ広告の配信プラットフォーム面ではVideologyと提携する。また、広告の配信先としてUstream Asiaと協力する。

 ポータルサイト「Yahoo! JAPAN」自体の映像対応強化も進める。ニュースのページなどで直接映像を再生できるようにするなど、テキスト中心だったサイト構成も改めるという。

「Yahoo! JAPAN」の映像対応を進めるなど、ビデオ広告に注力
新サービスの開始スケジュール

(森田 秀一)