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ヤマハ、最大スループット2GbpsのVPNルーター「RTX1210」

ベストセラー機「RTX1200」の後継、GUIも全面的に再設計

 ヤマハ株式会社は4日、中小規模拠点向けVPNルーターの新モデル「RTX1210」を発表した。「RTX1200」の後継製品に位置付けられており、スループットを最大2Gbpsに向上させたほか、GUIの再設計による操作性の改善などが行われている。価格は12万5000円(税別)で、11月の発売を予定する。

RTX1210

 「RTX1210」は、主に中小規模拠点に向けて提供されるVPNルーター。基本性能が強化されているのが特徴で、スループット(双方向)が最大2Gbps、IPsec VPNスループット(双方向)が1.5Gbps(AES+SHA1利用時)と、RTX1200のそれぞれ最大1Gbps、最大200Mbpsから大幅に向上している。

 また、中小規模ネットワークでは専任のネットワーク管理者が常駐していないケースが多いことを考慮。設定や運用・管理の負荷軽減を図るため、GUIを全面的に再設計した。ヤマハのルーターを初めて使用するユーザーや、コマンドラインによる設定が不慣れなユーザーでも、この新しい「かんたん設定」画面から、基本的なネットワークを容易に構築できるという。

かんたん設定

 さらに、ファイアウォール「FWX120」で実現していた「ダッシュボード」機能が、RTX1210の新しいGUIでも利用になった。運用管理やトラブルシューティングに利用できるガジェットを環境に合わせて取捨選択し、画面上に自由に配置することで、より直感的にネットワーク状態を把握できるとのこと。

 加えて、ヤマハ製のスイッチや無線LANアクセスポイントの統合管理機能であるスイッチ制御の画面を、「LANマップ」として再構成し、LAN内のネットワーク構成をわかりやすく表示できるようにした。この「LANマップ」では、ネットワーク機器のみならず、その配下のPC、プリンタ、ネットワークカメラ、POS端末、スマートデバイスなどの端末を表示可能。異常の自動検知およびその通知など、トラブル発生時の原因究明に役立つ機能も提供することで、ネットワーク管理者の運用を支援する。

LANマップ

 VPNは、IPsecやPPTPに加えて、多くのスマートフォン/タブレット端末(スマートデバイス)でサポートされているL2TP/IPsecも利用可能。スマートデバイスから社内への安全な接続が行いやすくなっている。

 筐体は従来同様のファンレス設計を採用し、動作環境温度は45℃まで拡大されているとのこと。またネットワークインターフェイスは、LAN1(8ポートスイッチ)、LAN2、WANの3ポート構成で、全ポートが1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-Tに対応する。このほか、USBデータ通信端末を接続して携帯電話網をWAN回線として使うUSBポートや、ISDN回線の接続機能を提供するISDN S/Tポートも備えた。

 ヤマハでは、初年度に3万台の販売を計画している。

(石井 一志)