ニュース
「MSN産経ニュース」終了へ、10月1日より「産経ニュース」として全面刷新
オピニオンサイトも開始、マイクロソフトはMSNをリニューアル
(2014/9/8 12:26)
株式会社産経デジタルは、産経新聞グループの新たな旗艦ニュースサイトとして、10月1日より「産経ニュース」を提供すると発表した。これに先立ち9月8日、ベータ版を公開した。2007年10月より日本マイクロソフト株式会社と共同運営してきた「MSN産経ニュース」は終了する。
西日本視点で日本を切り取る「産経WEST」ほか、写真中心のニュースも
産経ニュースでは、新聞紙面に掲載された記事やタイムリーな速報のほか、裁判を克明に再現する「法廷ライブ」、社会を揺るがした事件の真相・裏側に迫る「衝撃事件の核心」など、産経ニュースでしか読めないウェブオリジナル記事「産経プレミアム」を毎日複数本掲載する。
また、大阪本社の編集局がフィーチャーした記事を掲載し、ローカル版ではなく、西日本からの視点で日本を切り取る「産経WEST」や、写真報道局が中心となり、文字よりも視覚効果の高い写真コンテンツをスマートフォンユーザー向けに最適化した「産経フォト」を提供。一部では、現場の360度パノラマ写真も提供され、ジャイロセンサー搭載スマートフォンであれば、本体を上下左右に動かすことで自在にパノラマ写真を閲覧できる。
累計680万ダウンロードを突破した産経新聞の電子新聞アプリをリニューアル。新聞紙面の表示に加え、横組テキストでの表示や、検索ワードを登録することで必要な記事を選定する機能を搭載する。また、産経ニュースのスマートフォン用アプリも提供。電子新聞で産経ニュースの速報の表示や、産経ニュースアプリ内から電子新聞アプリを呼び出せるなどアプリ間連携を強化する。なお、現在提供されている「MSN産経ニュース」アプリは産経ニュースアプリに刷新される。
また、産経以外の雑誌媒体と連携し、日本の課題や解決すべき問題の意見・解説を議論するオピニオンサイト「iRONNA(いろんな)」を産経ニュースと同日に開始。コンテンツを集めるキュレーションサービスとは異なり、雑誌の各編集者が交代で務める「登板編集長」が、政治・文化・スポーツ・生活などさまざまなテーマを扱い、メディアやブログ、オリジナルコンテンツからテーマに沿った意見や解説をまとめ、SNSや寄稿、コメントなどでユーザーが議論できる場を提供する。
スタート時には、「月刊Wedge」(ウェッジ)、「Voice」「歴史街道」「THE21」(PHP研究所)、「月刊Will」「歴史通」(WAC)、「NEWSポストセブン」(小学館)、「週刊新潮」(新潮社)と提携。複数のメディアが編集に参加するのは業界初としている。提携雑誌記事や論文を掲載するほか、ブロガー、産経新聞論説委員、ユーザーによる寄稿など、オピニオンと解説に絞ったコンテンツを掲載する。なお、一部コンテンツへの有料課金を検討しているが、当面は無料としている。
産経デジタルでは、「新聞記事の正確性、ウェブニュースの速報性に加え、世の中で今起きている事柄を網羅した三位一体の『ウェブ・パーフェクト』報道スタイルを堅持しつつ、スマートフォンに適した新しいニュース閲覧『スマホ・ファースト』に挑戦する」としている。
マイクロソフトとの協業関係は継続
産経ニュース開始とともにサービスを終了するMSN産経ニュースだが、産経デジタル代表取締役社長の近藤哲司氏によると、マイクロソフトの方針転換によるものという。マイクロソフトでは、1995年にサービスを開始したMSNをグローバル規模で統一。20年ぶりに大幅刷新を予定しており、日本独自サービスであるMSN産経ニュースは、MSN共通のサービスに統一される。
近藤氏は、MSN産経ニュースは7年間で大きく成長したとしており、ビジネスとしても成功。両社ともに円満合意のもとサービス終了となったとしている。なお、ニュースサイトの共同運営は9月末で終了だが、産経デジタルとマイクロソフトとの協業関係は継続するとしており、新しく提供されるMSNサービス向けにニュースコンテンツを供給し、両社のニュースサービス間で連携する予定だという。
【追記 19:20】
なお、マイクロソフト側からは8日、後継ニュースコンテンツを含むMSNのリニューアルが発表された。現在、新しいMSNのプレビュー版が公開されている。詳細については関連記事『「MSN」リニューアル、マルチデバイス対応強化、ニュースは複数社からの提供に』を参照。