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「PD音源」がiPadで復活、カシオの80'sデジタルシンセ「CZ」のアプリ発売

4パートマルチティンバー/向かい合わせ鍵盤画面で連弾も可能

 カシオ計算機株式会は22日、懐かしの同社製シンセサイザー「CZシリーズ」を再現したiPadアプリ「CZ App for iPad」をApp Storeで発売した。価格は2000円。iPad Air 2/iPad Air、iPad mini 3/iPad mini 2/iPad mini、iPad 2/iPad(第3世代・第4世代)に対応する(iOS 8.0以降)。

 CZシリーズは、1984年に発売した49鍵ミニ鍵盤仕様のデジタルシンセサイザー「CZ-101」が始まり。その標準鍵盤仕様である「CZ-1000」や、61鍵仕様で同時発音数を拡張した「CZ-3000」およびシーケンサー搭載の「CZ-5000」、さらにタッチレスポンス対応鍵盤仕様の「CZ-1」なども発売された。正弦波の位相角を歪ませることによって波形を創り出す「PD(Phase Distortion)音源」が同シリーズの特徴。

 CZ App for iPadでは、この独自の音源方式を再現。DCO(デジタル制御発振器)、DCW(デジタル波形制御器)、DCA(デジタル音量制御器)をそれぞれ2系統搭載しており、36種類の波形(基本波形8種類とそれらを組み合わせた28種類)をもとに音色を作れる。アプリでは、エンベロープ(音程・音色・音量の変化)を視覚的に確認できるのもメリットだ。同時発音数は16音。音色はプリセット34音色、ユーザー100音色。

 演奏は、アプリ画面上のバーチャル鍵盤または外部接続のMIDIキーボードから行う。PD音源は4パートのマルチティンバーに対応しており、バーチャル鍵盤は最大4段まで表示可能。それぞれ異なる音色で演奏できるほか、バーチャル鍵盤の向かい合わせレイアウトもあるため、複数ユーザーでCZ App for iPadを演奏することも可能だ。このほか、iPad内の音楽ファイルを再生しながら演奏することもできる。

(永沢 茂)