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楽天、独自のAndroidアプリストア「楽天アプリ市場」オープン、販売手数料15%、ポイント還元10%

 楽天株式会社は19日、Androidアプリストア「楽天アプリ市場」のサービスを開始した。当初の取り扱いタイトルは、181社が提供する393タイトル。楽天アプリ市場限定のオリジナルアプリもある。

 利用は、まず「楽天アプリ市場」アプリをインストールし、そのアプリ上から各アプリを購入・インストールする流れとなる。そのため、Android OSのセキュリティ設定で「提供元不明のアプリインストール」を許可した状態で利用する必要がある。

 アプリ購入代金の支払いやアプリ内課金には、楽天会員IDによる決済に対応。ユーザーが保有している「楽天スーパーポイント」を充当することもできる。また、アプリの購入額100円ごとに10ポイントが還元される。これは、通常の楽天スーパーポイント付与率の10倍だという(ボーナス分の9%分は、3カ月間の期間限定ポイント)。なお、一部のアプリ(成人カテゴリー)については通常の付与率と同じ1%。

 現在、オープニングキャンペーンとして、楽天アプリ市場アプリおよび同市場からアプリ2種類をダウンロードしたユーザーに300ポイントを付与している。

 セキュリティ対策でトレンドマイクロ株式会社と協力。アプリの登録審査時および更新時に「Trend Micro Mobile App Reputation」技術で各アプリの安全性を評価した上で、ストアに掲載する。

 また、ユーザーのAndroid端末にインストールされているすべてのアプリを毎月1回無料でスキャンできる「不正アプリ対策」機能を提供する。この機能は、1回100円(税込)で追加利用も可能。

 楽天では、これまでのアプリ市場は、上位10位までの人気アプリで全体の収益の半分近くを占める状態だと説明。このようにゲーム中心で寡占状態にある現在のアプリ市場に対し、楽天アプリ市場では、ゲームばかりではなくマンガや音楽、占い、教育など幅広いジャンルのアプリを配信し、埋もれてしまっている高品質なアプリやオリジナルアプリを拡充していきたいという。

 また、アプリ代金の支払いに楽天スーパーポイントを利用できるようにすることで、これまであまりアプリを購入していなかったような主婦層などの楽天会員にアプリ購入を促していく狙いもある。これにより、アプリ開発者にとっての新しい市場の開拓につなげたいとした。

 アプリ開発者およびユーザーへの収益の還元という面でも、他のアプリプラットフォームと差別化しているという。楽天によると、既存の大手アプリプラットフォームでは、販売手数料としてアプリの売上の30%をプラットフォーマーが徴収するのが通例。これに対して楽天アプリ市場では、楽天の取り分はその半分の15%にとどめる。残りの15%のうち10%はユーザーにポイントとして還元。その結果、アプリ開発者は売上の75%を手にすることができ、販売手数料が5%低減するとしている。

一部アプリ(成人カテゴリー)についてはポイント還元率が1%となっており、その分、楽天の販売手数料が24%となっている。ただし、そのカテゴリーのアプリの販売手数料としては、それでも低額なほうだという
楽天株式会社代表取締役副社長執行役員の島田亨氏
楽天株式会社楽天マーケティングジャパン事業アプリ市場事業部部長の栗原祐一郎氏
記者発表会のトークセッションにゲスト出演した南明奈さん。スマートフォンにインストールしているアプリは52個
楽天株式会社執行役員楽天マーケティングジャパン事業事業庁の濱野斗百礼氏

(永沢 茂)