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テレワークでできる節電対策は? PC関連の電気代を検証!! ――自宅の節電を考える(その3)
つけっぱなしのNASやルーター、スマートスピーカーは?
2021年2月5日 07:56
緊急事態宣言の延長もあり在宅勤務が長期化しそうなサラリーマンや自宅で仕事をしているフリーランスで、急増する電気代が気になる人がいるだろう。前々回、前回は冬の電気代の主役(悪役?)である暖房コストについて検証した。今回は自宅で仕事をする人の主役であり必須アイテムであるPCの電気代はどれくらい? さらにNASやルーターは? など、INTERNET Watchの読者が気になりそうなPC関連機器の電気代について検証したい。
【記事目次】
待機電力も意外と大きいデスクトップPC
27インチと23インチ、液晶ディスプレイの電気代は?
ノートPCはデスクトップPCより格段に省エネだった
予想以上に省エネだったプリンター
つけっぱなしのWi-Fiルーター、電波の出力調整で電気代は下がるのか?
スマートスピーカーの電気代は? Amazon EchoとGoogle Home Miniで検証
NASの電気代はアイドリング状態でも意外と大きい
NASの電気代を抑える方法を考えてみた
Amazon Photoアップロード専用に稼働中のDS215jは?
4bayのNASを検証! 新しいNASは消費電力が改善!?
待機電力も意外と大きいデスクトップPC
最初は筆者が仕事で主に使用しているデスクトップPC。CPUはCore i5-4430(3G~3.2GHz)、ビデオカードはNVIDIA GeForce GTX 750 Tiと古めのPCだ。メモリは24GB、ストレージはCドライブが512GBのSSD、HDDは4TB+6TB+4TBの構成となっている。
このPCの起動時の電力は100Wくらい、その後のアイドリング状態は45Wほどだ。PCを操作すると電力は乱高下するが概ね60Wくらいとなる。リアルタイムの電力を見ていると、マウスがチョット動いただけで電力は跳ね上がる。消費電力の動きはタスクマネージャーのCPUの負荷の動きとかなり連動している印象だ。
負荷を掛けてみた。ファイルコピーをすると電力が増え、コピー中は80Wほどで上下する。動画のエンコードはさらに負荷がかかり、90Wくらいで推移する。
スリープ中は2~3Wほどとなる。シャットダウンは1.8Wくらいでスリープと比べると少し減る。マザーボードやその設定にもよると思うが、デスクトップPCのLANやUSBはシャットダウンしても生きているので、待機電力はやや高めとなる。待機電力が気になる人は、面倒でなければ(面倒だけど)電源背面のスイッチを切るかコンセントを抜こう。
INTERNET Watchの読者から「もっと最新のPCが知りたい」と声が聞こえた(←嘘です)。ってことで、前回の石川ひさよしさん宅のコタツの電力を計った際に「RyzenのPCの電力が計りたい」とお願いして、ササッとマシンを用意してもらい計測してあるので、その電力も見ていただこう。
主なスペックはCPUがAMD Ryzen 7 5800X(8コア16スレッド)、ビデオカードがGeForce RTX 3080 Phoenix GS、メモリが16GB、ストレージは118GBのSSDだ。
起動時は瞬間的に200Wを超え、アイドリング状態では50Wくらい。PCを操作すると60Wくらいで上下し、ファイルコピーは85Wほどで推移した。
動画のエンコードでは180Wに跳ね上がり、瞬間の値は200Wを超えた。きっと変換速度はメッチャ速いんだろうと思われる。スリープ中は5Wほど。シャットダウンすると2Wに下がった。
このRyzenマシンの詳細はAKIBA PC Hotline!に掲載された記事「あの老舗ブランドGainwardが日本再上陸!ハイコスパGeForce RTX 3080カード新顔の実力を検証」を参照していただきたい。
平均的なデスクトップPCの消費電力を60W。1kWh=25円で電気代を計算すると1.5円/時間。1日の使用時間は人ぞれぞれなので、8時間と12時間のケースで1日と1か月の電気代をそれぞれ計算してみた。
デスクトップPCの電気代
1日の稼働時間 | 1日の電気代 | 1か月の電気代 |
8時間 | 12円 | 360円 |
12時間 | 18円 | 540円 |
27インチと23インチ、液晶ディスプレイの電気代は?
次はデスクトップPCに必要なディスプレイを検証したい。
筆者は27インチWQHD(2560×1440ピクセル)の液晶ディスプレイをデュアルで使用している。この27インチディスプレイ(1台)の電力を計測してみよう。
明るさの設定により変化すると思われるが稼働中は25W程度。PCをスリープさせると画面が消えたときに7Wほどに下がり、「信号がありません」などのメッセージを表示するときにポンと電力が増え、それが消えると0.3Wほどとなる。1か月ずっとスリープ状態(0.3W)が続くと5.4円となる。
ダイニング兼打ち合わせスペースに設置してある23インチ フルHD(1920×1080ピクセル)液晶ディスプレイの消費電力は、稼働時が20Wほど、スリープ時が約0.4Wとなった。消費電力はディスプレイのサイズが影響しそうだ。
27インチ(25W)と23インチ(20W)で1日の使用時間を8時間と12時間とした場合でそれぞれ1日と1か月の電気代を計算してみた。
27インチ(25W)ディスプレイの電気代
1日の稼働時間 | 1日の電気代 | 1か月の電気代 |
8時間 | 5円 | 150円 |
12時間 | 7.5円 | 225円 |
23インチ(20W)ディスプレイの電気代
1日の稼働時間 | 1日の電気代 | 1か月の電気代 |
8時間 | 4円 | 120円 |
12時間 | 6円 | 180円 |
筆者の場合、デスクトップPCを使用する時間は長め。27インチディスプレイを2台使うことが多いので、1か月ので電気代は約1000円となる。
ノートPCはデスクトップPCより格段に省エネだった
筆者は外出時はMacBook Proを使用している。
10年以上前、名古屋在住で東京へ出張する機会が多かった頃はノートPC(当時はLet's note)の使用頻度は高く、タブレットがない時代は自宅のソファーでも利用していた。最近はソファーにはタブレットが置いてあり、外出も減ったのでMacBook Proの出番は少ない。
知り合いには自宅も外出先も同じノートPCを使用している人もいるし、テレワーク中のサラリーマンはノートPCを使用している人が多いだろう。筆者のMacBook Proの消費電力は、起動時が30~40W、アイドリング状態は8~10Wくらいとなる。普通に操作をしている時の消費電力は平均15Wほどである。
ファイルコピーをすると少し増えて18Wくらいで上下し、動画変換では35W近くまで上昇する。スリープ中は0.7W、シャットダウンすると0.6Wとなる。スリープとシャットダウンの差はわずかで、いずれもデスクトップPCと比べると格段に消費電力は少ない。
平均的な消費電力を15W。電気代を計算すると0.38円/時間。1日の使用時間を8時間と12時間の場合で1日と1か月の電気代をそれぞれ計算してみた。
ノートPCの電気代
1日の稼働時間 | 1日の電気代 | 1か月の電気代 |
8時間 | 3円 | 90円 |
12時間 | 4.5円 | 135円 |
ノートPCの電気代は月に100円ほど。デスクトップPCよりかなり低コストだ。エアコンなどと比べるとはるかに少なく、自宅仕事の電気代としては大きな負担にはならないだろう。
予想以上に省エネだったプリンター
筆者が現在使用しているプリンターはブラザーのDCP-J582N。
1980年代に買ったEPSONのドットインパクトプリンターから何台目か記憶にないが、人生初のブラザープリンターだ。キヤノン時代が長く、インクジェット複合機だけで7台くらい買ったと思う。どうでもよい話しだが、筆者の名古屋の自宅マンションの目の前はブラザーの体育館、近所にブラザーの本社と工場、ブラザー記念病院、ブラザーミュージアムなどがあるブラザー村の住人としてブラザー製品の導入を嬉しく思っている。
筆者だけではないと思うが、以前と比べると印刷する機会は減っている。スキャナーを含めても毎日使うことはない。印刷頻度の低い筆者はプリンターの電気代を気にしたこともなかったが、今回、初めて計測したことで待機電力を把握できたのは収穫となった。
プリンターの電源をオンにすると一連の動作があり消費電力は6Wほどとなるが、しばらくすると2Wほどで安定する。印刷は10Wほど、スキャナーは5Wほどを中心に電力は上下する感じだ。いずれも短時間で消費電力も少ないので電気代はゼロに近い。大量に印刷する人以外はプリンターの電気代は無視できるだろう。
動作が終わるとデフォルトでは5分でスリープモードに入る。設定変更で最短1分に短縮することが可能だ(←と筆者は今知った)。スリープモードに入ると0.6Wほどとなる。スリープ状態なら印刷を実行すると瞬時に起動して印刷が開始される。スリープモードから電源ボタンを押してオフにすると、一瞬画面表示が点き3Wほどに上昇するがすぐに0.1Wくらいまで減少する。
1時間のデータを見るとスリープモードは約0.5Wh。仮に1か月スリープモードにしておくと電気代は9円。電源を切った状態の待機電力は月に1.8円となる。印刷する頻度が多い人はプリンターの電源ボタンを押す手間を考えると常時スリープでよいとも思えるし、電源を切っても電気代が大きく下がるわけではない。
つけっぱなしのWi-Fiルーター、電波の出力調整で電気代は下がるのか?
次は常時電源をオンにしている人が多いと思われるWi-Fiルーター。筆者はNURO光(2G)を利用していて、NURO光のルーター(ONU:光回線終端装置、ホームゲートウェイ)は仕事部屋に設置。建物がRC構造で5GHzの電波が届かない部屋が2つあり、有線LANを配線して2階にAterm、打ち合わせスペースでもあるダイニングにエレコムのルーターがWi-Fi親機(ブリッジモード、APモード)として設置してある。SSIDなどは3台とも同じとしている。
NURO光からレンタルされるルーターは複数あり、筆者が4年前にNURO光を導入したときはHUAWEI製HG8045Qと光でんわ用のTA2.0が用意された。HG8045Qの設定にWi-Fiの送信出力という設定項目が2.4G・5Gとも用意されていて、20%~100%まで選択ができる。普段は100%としている送信出力を20%に変更してみたが消費電力が減少することはなかった。また意図的に、アップロード、ダウンロードを行っても電力は一定で、ルーター回りの消費電力は常に一定のようだ。
HG8045QとTA2.0を合計した消費電力は14.0W、HG8045Q単体では8.8W。1か月の電気代は252円、158.4円となった。2階に設置したAterm WG2200HPの消費電力は5.1Wで1か月 91.8円、ダイニングのエレコム WRC-2533GHBK2-Tは4.6Wで1か月 82.8円。HG8045QはPC以外にNAS、スマートスピーカー、TV、レコーダーなどが24時間つながっているので止めることはあり得ない。光でんわ(かけることもかかってくることもない)や他のルーターは止められそうな気もしつつ、Atermを止めたら2階のAmazon Echoやお風呂スマホがつながりにくくなる懸念もあるし、削減できる電気代も大きくはないので多分このまま放置だろう。
スマートスピーカーの電気代は? Amazon EchoとGoogle Home Miniで検証
INTERNET Watchの読者の保有比率が高そうなスマートスピーカー。筆者が持っているのはAmazon EchoとGoogle Home Mini。Amazon Echoは2階の廊下、お風呂と洗面所の近く。Google Home Miniは仕事部屋PCのディスプレイの裏に設置している。どちらも「おはよう」と声をかけると“今日は何の日"“天気"“ニュース"などを読み上げてくれる。ジジイになると洗濯機を回していることも、それを干したことも、キッチンで煮物をしていることもすぐに忘れるので、タイマーとしては重宝しているが、使用頻度は少なめ=ほぼ終日待機状態だ。
Amazon Echoが待機状態(=スタンバイ←電源オフの待機電力ではない)は1.8W。1時間の電力を見ると1.875Whなので1か月の電気代は33.7円だ。ニュースや音楽を再生すると2.5Wほどに上昇する。1日10時間音楽を流す人は少し電気代が増えるが、たまに時間などを聞いたり、タイマーを予約する程度なら短時間なので電気代の増加は軽微だろう。
Google Home Miniは1時間の消費電力が1.563Whとやや低め。これはMiniだからかも知れない。1か月ので電気代は28.1円だ。こちらも稼働すると2Wくらいで上下するが、短時間であれば電気代の増加は無視できるレベルだ。
NASの電気代はアイドリング状態でも意外と大きい
最後はNASだ。NASをお持ちでない人はここまで。清水さんの連載もありNAS保有率が極めて高そうなINTERNET Watch読者に、ここからは超深掘りで進めたい。
筆者の手元にはBUFFALOとアイ・オー・データ機器とSynologyのNASがあるが、主に使用しているSynologyのNASの消費電力について検証してみた。
1つ目はDS713Plus。古めの2013年モデルで2bay、4TB+4TBをRAID 1で使用している。ストレージマネージャで確認するとドライブはSeagate ST4000VN000。LANはリンクアグリゲーションで2Gbps。主用途はActive Backup for BusinessとPhoto Stationだ。
起動すると最初は20W弱で推移し、1分弱で1つ目のドライブがスピンアップ。20秒後に2つ目のドライブがスピンアップ。3分弱でビープ音が鳴りアイドリング状態の消費電力は30Wほどとなった。
DiskStation Managerを開いて設定などを変更すると消費電力は1~2W増えるがPCのように大きく変動することはない。別のNASから動画をコピーすると消費電力は32~36Wくらいで変動する。コピー中、リソースモニタを見るとCPU負荷はかなり上昇するが、消費電力の上昇をそれほど多くない印象だ。
動画ファイルのコピーが終了するとCPU負荷が急上昇。これは写真、動画が保存されるとPhoto Stationがサムネイル処理等を行うものでNASの動作は一気に重くなる。消費電力は35Wほどで激しく上下する。
消費電力とは関係ないが、SynologyのNASを標準セットアップしてPhoto Stationがインストールされている人は多いと思う。DS photoでスマホの写真をNASにバックアップ、その写真をスマホで閲覧をする人はPhoto Stationは必要だが、デジカメ写真をPCから保存、PCで閲覧する人は不要だ。Photo Stationを停止あるいはアンインストールすると写真を保存した後、NASのCPU負荷を下げることができる。
アイドリング状態で30WのNAS。「NASの電源を切るなんてあり得ない」という声も耳にするので、アイドリング状態だけの1か月の電気代を算出すると540円となる。微妙。たかが500円、されど500円。年間にすると6000円、2台稼働させると年間1万2000円だ。プリンターの月 9円、スマートスピーカーの20~30円とはまさに桁が違う。
NASの電気代を抑える方法を考えてみた
ポリシー、価値観は人それぞれとして、NASの消費電力(=電気代)を下げる方法を考えてみたい。節電その1は電源管理。SynologyのNASはコントロールパネルの電源管理でスタートアップ、シャットダウンの時間を複数設定できる。曜日ごとの設定も可能。筆者のDS713Plusは8時57分にスタートアップ(その3分後に起動完了)、深夜2時にシャットダウンが設定してある。自分専用のNASなので、寝ている時間は止めようということだ。後述するが別のNASは朝4時半から6時半まで2時間だけ稼働させている機種もある。仮にテレワークで8時間労働、それ以外はPCもNASも使わない人なら、労働時間に合わせて電源管理をすれば電気代は3分の1となる。
節電その2はHDDハイバネーション。一定時間アクセス等がなければハードディスクを休止状態にして消費電力を下げることができる。このとき消費電力は20Wくらいになる。約3分の2だ。ハイバネーションはネットワークからアクセスすれば数秒でNASは稼働する。ストレスはさほどないので消費電力を抑えたい人は積極的に利用したい。
節電その3は自動電源オフ。これはハイバネーションが継続され、設定した時間アクセスがなければNASはシャットダウンされる。この自動電源オフでシャットダウンするのも、電源管理で設定した時間にシャットダウンするのも、DiskStation Managerで操作してシャットダウンするのも、NAS本体前面の電源ボタンでオフにするのも全て同じ。消費電力は最小となる。このときDS713Plusの消費電力はアイドリング状態の約10分の1で2.7Wくらいだ。機種にもよるがWake on LANに(以下 WOL)対応するため待機電力としては大きめだ。
自動電源オフでシャットダウンされたNASを起動するときは、NAS本体の電源ボタンを押すかWOLを利用する。Synology AssistantでオフラインになっているNASをダブルクリックしてもよし、スマホのDS finderからWOLで起動することも可能だ。ハイバネーションはすぐに再起動するが、シャットダウンしたNASは再起動に2~3分かかる。ファイルにアクセスしたいときの3分は長い。頻繁にWOLの起動をするのはストレスを感じるので、バランスを考えて設定したい。
別のNASも見ておこう。DS214Playも古めの2014年モデルで2bay、8TB+8TBをRAID 1で使用している。ドライブはSeagate ST8000DM004。主用途は動画・音楽の保存と、自宅のデスクトップPCの任意のフォルダをSynology Driveでバックアップし、外出中に参照できるようにしている。Photo Stationと比較するためMomentsも動かしている。
アイドリング状態の消費電力は23Wくらい。搭載しているHDDが違うので単純に比較はできないが、DS713Plusよりはやや電力は少なめだ。スマホで動画の視聴ができるDS Videoも消費電力の増加は1W程度だった。シャットダウンしたときの消費電力は1.6W、こちらもDS713Plusより少なめだった。
Amazon Photoアップロード専用に稼働中のDS215jは?
3台目はDS215j。日本では知名度の低かったSynologyを一躍有名にした大ベストセラー機なので使用している読者もいるだろう。2015年モデルで2bay、2TB+2TBをRAID 0で使用している。ドライブはWestern Digital WD20EARSとSeagate ST2000DM001。「RAID ゼロ~? 2台のHDDがメーカー違い??」と驚かれた読者がいそうだ。既にDS215jを引退させている読者の参考になるかもしれないので、筆者の使用方法を紹介しよう。
DS215jは写真をCloud SyncでAmazon Photosにアップロードする専用機。朝4時半から2時間だけ稼働させている。筆者はCar Watchではレース写真を撮影している。サーキットでは撮った写真は現地でMacbook ProのmicroSDに保存。それを自宅のデスクトップPCの6TBのHDDにコピー。写真を選別してレタッチ、リネームして納品。ボツ写真、選んだ写真、加工・納品した全ての写真をフォルダごとDS215jにコピー。DS215jはその写真をAmazon Photosにアップロードする。
スマホやタブレットの写真はDS photoでDS713Plusにバックアップ。DS713PlusからDS215jにコピーしAmazon Photosにアップロードする。これ以外にデジカメで撮った写真、フィルムスキャナーでデジタル化した昔の写真などを一旦DS215jに集めて、早朝の寝ている間にアップロードする流れだ。DS215jはバックアップと言うよりアップロード用のNASとして使用しているため、容量を優先してRAID 0にしている。
メーカー違いのHDDは元々はPCで使用していたドライブだ。PCのHDDを3TBに換装して余った2TBがテレビ録画用になり、PCが4TBにになり3TBがテレビ録画へ、そこで余った2TBがDS215jで使われている。
そんな廃材利用に近いDS215jはアイドリング状態で16Wくらい。シャットダウンすると1.1Wほどとなる。入門機でパワーがそこそこなので、消費電力は少なめだ。筆者の写真アップロード専用機のように、勝手に粛々と稼働させる使い方には向いていると思う。
余談だがSynologyのNASからCloud SyncでAmazon Driveへのアクセスは2020年10月末で終了とアナウンスされた。AmazonからもSynologyからも“終了"のお知らせが来たので、筆者は別のアップロード方法を準備していたが、11月以降もSynologyのNASからCloud SyncでAmazon Driveへのアクセスは停止されなかった。新規登録ができなくなり、継続利用は続いていたが、最近になってSynologyのNASからAmazon Photosへのアップロードはついに停止したようだ。筆者は近いうちに別のアップロード方法に移行する予定だ。
4bayのNASを検証! 新しいNASは消費電力が改善!?
最後は4bayのNASの実測結果をお伝えしよう。DS916Plusは2016年モデルで4bay。3TB×4台のRAID 5でドライブはWestern DigitalのWE30EFRX-68EUZN0。今回、計測用の組んだので使用用途はなし。起動すると4つのドライブを順番にスピンアップする(←これが確認したかった)。アイドリング時の消費電力は29Wくらい。負荷がかかると少し増える。ハイバネーションでHDDが停止すると12Wほどとなり、シャットダウン後は1Wほどとなった。4bayでHDDを4台動かしていることを考えるとアイドリング時の消費電力は少なめ。ハイバネーションやシャットダウンもDS713Plusと比較すると省エネな印象。最新機種ではないが、新しい分だけ消費電力が改善されているような気がする。
INTERNET Watchの読者はNASを24時間稼働されている人が多いだろうと思い、NASの消費電力について長々と紹介した。データとして抜けているのがDS214playとDS215jのハイバネーション時の消費電力。どちらも長めに監視していたがHDDを停止してハイバネーションに入ることはなかった。DS215jはCloud Syncが常に動いているからと想定して止めてみたが変化なし。DS214playはアプリがたっぷりインストールされているので、何かが常に動作しているのが理由かもしれない。また、この両機ともHDDの使用容量が80%ほどになっているので、それが理由かもしれないが答えを見つけることはできなかった。
今回はPC関連の消費電力を検証してみた。エアコン、ドライヤー、電子レンジなどと比べると個々の消費電力は多くないが、年間の稼働時間が長いものが多いので、ライフスタイルに合わせた利用方法の参考にしていただきたい。