テレビマンが感じたTwitterの可能性、TBSの担当者に聞く


 CSのTBSチャンネルは、8月30日に放送される番組「ウルフルズ ラストライブ! ヤッサ09 FINAL!!」のキャンペーンの一環として、TBSのキャラクター「ブーブ」のTwitterを7月28日に開始した。民放テレビキー局が自らの局名でTwitterアカウント(tbs_channel)を取得し、運用するのは初めてになるという。今回の件について、TBSコンテンツ事業局ペイテレビ事業部の山脇伸介氏に話を伺った。

Twitterの本当の凄さはまだ経験できていない

TBSコンテンツ事業局ペイテレビ事業部の山脇伸介氏

 山脇氏がTwitterを知ったのは、2007年に社費留学で米国へ行ったときのことだ。その頃、米国ではFacebookが流行中で、それに比べTwitterはそれほど流行ってはいなかったという。しかし山脇氏は、「ここ数年で米国の友人もほとんどTwitterにシフトしていった」と話す。

 日本で朝日新聞や毎日新聞などの新聞系ニュースサイトがTwitterを始め、さらに勝間和代や広瀬香美のTwitterが話題になり始めたとき、TBSチャンネルでも実験的にTwitterを開始することになった。Twitterの利点について山脇氏は、「Facebookの『ファン』よりも、Twitterで『フォロー』される方が登録者数を増やせるし、親密感もあると思う。何万人のフォロワーに一瞬で情報を発信できるのは凄いツール」だと話す。

 ブーブの起用については、「キャラクターを使うのがTwitterには有効だと考えた。キャラクターとしてTBSが持っている一番強いものがブーブだった」。更新内容はTBSチャンネルの放送内容がメインだが、ユーザーからは、「のりピーについてブーブはどう思う?」と尋ねられたこともあるという。「どう答えたらいいのか困るような質問もあるが、キャラクターを楽しもうとされている人は多い。その辺りは、今後うまくTwitterを活用する上でのヒントになっていくのではないかと思う」。

 フォローされている数は1400件を超える。増えた理由は、「口コミ」だという。Twitter開始当初、CNET Japanや決断ポトフなどのTwitterで取り上げられた。山脇氏は、「1万を超えたら何か別のことが起こりそうな気がする。自分の知らないところで、新しいムーブメントが起こるのではないか。そういった意味で、Twitterの本当の凄さはまだ経験できていない」と話す。

テレビを見てもらうのにはWebのサービスを活用する時代に

 山脇氏は、テレビ番組でのTwitterの利用について、「『テレゴング』のような使い方もありうるのでは?」と提案する。テレゴングとは、NTTが提供する電話を利用した集計サービス。番組からの質問に、視聴者は「YES」「NO」などの回答を指定の電話番号にコールして投票するものだ。「テレゴングは、事前の準備などで結構手間がかかるが、Twitterは手間がかからない」。

 視聴者参加型番組であればチャットや掲示板も使えるが、山脇氏は、「Twitterでは、ハンドルネームを使っていたとしても、今後も同じ名前で関係を築いていくことを考えれば、本人の責任にもつながっていく」とし、それにより“荒れる”心配が少ないのではと話す。TBSチャンネルでTwitterを始める前に、誹謗中傷コメントを危惧していたが、今のところそのようなコメントは少ないという。

 今回は「ウルフルズ ラストライブ! ヤッサ09 FINAL!!」のキャンペーンとしてTwitterを開始した。Twitterでライブ実況も考えているという。キャンペーンが終了する8月30日以降のTwitter継続については未定。山脇氏は、「Twitterがどう成長していくのかはわからないが、コンテンツを多くの人に見てもらうためには新しいコミュニケーションツールを取り込んでいかなければいけないと考えている。テレビもそういう努力をしなければいけない時代になったと思う」と語った。


「ブーブ」が更新するTwitterは語尾に必ず「ぶう」と付く「ウルフルズ ラストライブ! ヤッサ09 FINAL!!」の紹介ページ


関連情報

(野津 誠)

2009/8/27 12:29