トピック

「ASUSのPC」がビジネス向けに本格参入、OSがPro!保証が長い!

~「今、ビジネスPCを買うポイント」もハードから周辺まで確認してみた~

【法人モデルが用意される主なシリーズ】
ASUS Pro
ZenBook
VivoBook
TransBook Mini
デスクトップPC
オールインワンPC

 「ASUS」といえば、ノートPCやスマートフォン、PCパーツなどのブランドとして長らく親しまれてきたブランドだ。

 「ZenBook」などで知られる手堅くスタイリッシュなノートPCや、技術力を誇示するようなゲーミングモデル、さらにはサーバ向けの製品まで、さまざまな分野の製品がある同社だが、2019年6月、ついに国内の法人向けノートPC市場に本格参入した。

 つまり、人気の高いASUSのPCを「ビジネス向けで買う」ということがスムーズなったというわけだ。具体的には、Windows 10 Proモデルが基本になり、メーカー保証も一般モデルの1年から、2年または3年に延長。ビジネス向けモデル専用ストアも用意され、法人での購入では必要となる見積もり書の発行や、買掛決済にも対応、さらに大量購入については正規販売代理店のテックウインドが手厚くサポートするという。

 また、モデル数も多数用意されている。具体的には、プレミアムノートPCのZenBookはもちろん、低価格帯のVivoBook、2 in 1のTransBook、さらには小型デスクトップPCやオールインワンタイプのPCなど。これらは個人向けモデルをベースに、「ビジネス」を意識してOSやスペックなどをカスタマイズされたものだ。

「ビジネス向けPC」はどう違うのか?
個人向けでも人気の「ASUS ZenBook 13 UX333FA」などが法人向けにカスタマイズされて販売されている

 そこで今回は「ASUSのビジネス向けPC本格参入」をテーマに、同社製ノートPCのビジネス向けでの魅力や、ビジネス向け販売体制のポイントなどを紹介してみたい。

 なお、昨今のビジネス向けPCの大きな話題は、2020年1月のWindows 7サポート終了だ。大企業では移行が進んでいる場合も多いとされるが、まだまだWindows 7時代のPCを利用している場合も多いだろう。今回は、「“久々にPCを買う”視点での最新ASUS PCの魅力」といった点にも言及してみた(おおむね「7~8年ぶりに購入する」といったイメージだ)。

 ASUSの法人向けPCに興味がある方も、また「久々にPCを買い換える」という方もあわせて参考にしてもらえれば幸いだ。

「仕事で使うASUSのPC」、11のチェックポイント(&7~8年ぶりにPCを買い換えるとどうなるか?)

 さて、今回、「ASUSのビジネス向けPC」の例として紹介するのは、スタイリッシュさが人気のノートPC、ZenBookシリーズの13.3インチ液晶モデル「ZenBook 13 UX333FA」だ。

 同名の個人向けモデルをベースにした製品で、前述のようにWindows 10 Proを搭載、保証も3年ついている。

 それでは、このPCの「ビジネス向け」としての魅力を順次紹介していきたい。

「ZenBook 13 UX333FA」はメタルボディの13インチクラスノートPC

【その1】目を引くデザイン

 真っ先に目を引くのはそのデザインだ。全体にメタル素材が用いられた深いブルーの重厚感ある見た目と、天板に施されたスピンメタル仕上げが個性を主張している。

 7~8年前はおろか、最近のビジネス向けノートPCでもあまり見かけないタイプだが、派手すぎることはなく、目にした人の所有欲をそそるデザインといえるだろう。

天板に施されたスピンメタル仕上げが美しい
差し色のゴールドも、やんちゃに見えないギリギリのところで所有感のあるテイストだ

【その2】「堅牢さ」はMIL規格準拠、でも薄さは16.9mm、重さも1.16kg

 「薄いノートPC」というのは昨今、当たり前になってきたが、それに加えて「堅牢さ」を備えるのがこのモデルの特長だ。

 サイズについていうと、16.9mmという薄さ、302mmという幅は最近の13インチノートPCでは標準的だが、奥行は189mmで、一般的な13インチノートPCよりもひと回りコンパクト。同じ13インチで比べると、7~8年前の「Ultrabook」よりも薄いし、縦横のサイズも小さくなっており、ビジネスバッグに入れるときも余裕がある。重量も1.16kgと、古いノートPCではありえない数値で、しかも“細長い”せいか、その数値以上に持ち運びや取り回しのしやすさを感じる。

奥行が短く、取り回しがしやすい

 しかもこのサイズで、米国防総省の物資調達基準に用いられているMIL規格に準拠する耐久性を備える。

 衝撃や加圧、高温・高湿度などに耐えることができ、例えば混雑した通勤電車のように、バッグの中に入れたZenBook 13に不意に荷重が加わるような状況でも心配ない。専用スリーブも付属するので、収納時のすり傷も防止してくれるだろう。

 このあたりの耐久性も、かつてのノートPCにはなかった要素。「長く使いたい」という向きには重要なポイントといえるだろう。

専用スリーブが付属。バッグの中でこすれて傷がつくこともない

【その3】「綺麗な液晶」を仕事でも、フルHD&sRGBの色空間100%カバーの高発色ディスプレイ

 ディスプレイはフルHD解像度(1920×1080ドット)で、sRGBの色空間を100%カバーする高発色タイプ。

 7~8年前だとHD解像度(1366×768ドット)のモデルも多く、ビジネス向けでは「発色」をウリとするモデルもほぼ無かった。デスクトップの作業スペースが広くなり、また、カラフルなビジネス資料や写真を実物に近い色で再現できる。印刷物を扱うような仕事はもちろん、事務作業などでも気持ちの点で「アゲてくれる」ポイントといえるだろう。

発色の美しい、sRGBを100%カバーする液晶ディスプレイ
ちなみに底面にステレオスピーカーが設けられている。harman/kardonによるチューニングが施された高品質サウンドを再生可能

【その4】業務に合わせて選べるスペック、CPUとストレージ容量の違いで2モデル

 また、個人向けモデルではバリエーションは2色のカラー違いのみだったが、法人向けではカラーがロイヤルブルー1色のみとなる代わりに、CPUとストレージ容量の違いで2モデルが用意される。一方はIntel Core i5-8265Uと512GB SSDを備えたハイパフォーマンスモデル。もう一方はIntel Core i3-8145Uと256GB SSDを備えたモデルで、メモリ容量はいずれも8GBとなる。

 Office文書の編集やちょっとした画像処理が中心になるビジネス用途では、どちらかというとCPUパワーよりストレージ容量の方が気になるところだろう。テキストベースの軽い処理がメインだったり、クラウドサービスをフル活用するような使い方であればCore i3/256GBの下位モデルを、比較的容量の大きいデータを扱う業務についている人や、ストレージ不足の心配なしに長く使いたい人はCore i5/512GBの上位モデルを、という選び方がよさそうだ。

テキスト編集のような軽い処理メインで、ときどき軽く画像編集するくらいならコストも抑えられる下位モデルでも十分

【その5】OS起動は12秒、USBは「10Gbps対応」

 スペックの話が出たところで、試しに「最近のPC」の速度感を紹介してみたい。

 紹介するのは、Windowsの起動時間とMicrosoft Office(Word)の起動時間だ。まず、Windowsの起動時間は、スイッチONからログオン画面が表示されるまでがわずか5秒、デスクトップが表示されたのはその7秒後、トータルで12秒しかかからなかった。また、Wordの起動時間はたったの4.5秒だ。

 Core i5/512GBのモデルでの実行結果なので、Core i3/256GBモデルでは微妙に異なる可能性もあるが、例えば7~8年前のPCと比べた場合の違いは明白。7~8年前の一般的なノートPC(Windows 7+HDD機)では、デスクトップ表示までで1分~1分30分、Wordの起動も20~30秒かかっていたはずだ。こうした「速度差」は、そのほかの場面でも出てくるわけで、その「スムースさの違い」がまさに最近のPCのポイントといえるだろう。

 また、ビジネス用途としては気になるインターフェース類の充実度にも注目したい。USBは、現時点で最新・最速となるUSB 3.1 Gen.2のType-CとType-Aのポートを1つずつ備える。転送速度は最大10Gbpsで、高速な外付けストレージを使えばデータのやり取りも短時間で終えられる。

 「CrystalDiskmark 6.0.2」で、USB 3.1 Gen.2の外付けSSD(NVMe M.2)のアクセス速度を計測してみると、シーケンシャルリードは943MB/s、シーケンシャルライトは大台の1GB/sを超える速度を叩き出した。USB 2.0ポート(480Mbps)が主流だった7~8年前のPCでは考えられないスピードだ。

 会議室などにある外部モニターに直接映像出力できるHDMIポートと、スマートフォンなどとのデータのやりとりに活躍するmicroSDスロットも備える。

左側面に並ぶUSB 3.1 Gen.2 Type-CポートとType-Aポート。HDMI出力も
高速な外付けストレージで、バックアップは短時間で完了する
「CrystalDiskmark 6.0.2」のベンチマーク結果。シーケンシャルリード・ライトは約1GB/sという驚異の速度
右側面にはmicroSDカードスロットなど。こちらのUSBポートは2.0となる

【その6】Wi-FiはIEEE 802.11ac対応、有線LANアダプターも標準添付

 無線LANはIEEE 802.11acに対応している。

 無線LAN環境は7~8年前から大きく変わった。5GHz帯の電波を使うIEEE 802.11acの登場と普及だ。

 それ以前のノートPCは、IEEE 802.11nで2.4GHz帯の電波を使うのが標準的だったが、2.4GHz帯はもはや「電波混雑で通信速度が遅い」という評価が定着している。最新ノートPCの快適さは、CPUやSSDだけではなく、こんなところも影響しているというわけだ。

 単なるWebブラウズや動画視聴はもちろん、クラウドの利用も間違いなく快適だ。

 なお、かなりの薄型になった最近のPCは有線LANを備えない製品も多いが、この製品では、標準でギガビット対応の有線LANアダプターが付属する。「初期設定時や何かあった時に有線LANが欲しい」というのは、時折聞く話ではある。高価なものではないが「同梱品がある」というのはサポート上、安心できるポイントだろう。

有線LANアダプターが付属。無線LANが使えない環境でも大丈夫

【その7】バッテリーの持ちは「ほぼ15時間」

 こうした強力なスペックを持つUX333FAだが、バッテリーは公称でほぼ15時間も持つとされる。

 具体的にはCore i5モデルが約14.8時間、Core i3モデルが約14.9時間。これはもう、ほとんど丸1日使い続けられると断言してもいいだろう。

 7~8年前のノートPCのバッテリー駆動時間は長くても5~6時間だったが、最新のZenBook 13ならその3倍近くというわけだ。

 昨今の働き方改革でオフィス以外で仕事をする人も増えていると思うが、この製品なら出先で電源がなくても余裕をもって仕事ができるはず。ACアダプターを忘れても不安に思うこともなさそうだ。

【その8】13インチでも「テンキー付き」!なんとタッチパッドがテンキーに……

 また、この製品の独特な特徴といえるのが、高機能なタッチパッドだ。

 滑りの良い素材で引っかかりなく操作できるこのタッチパッドは、実は右上のアイコンを1秒間押し続けるとテンキーとして機能する。

 ASUSが「NumberPad」としてアピールしているこの機能は、タッチパッドにテンキーや記号が浮き出て、それらをタッチするだけで、数字や記号が打てるというもの。

滑りのよいタッチパッド
右上のアイコンを1秒間押すと「NumberPad」に変身する

 13インチクラスのノートPCでは、テンキーが省略されるのが一般的。「持ち運びを考えると13インチ級が欲しいものの、仕事上、テンキーは欲しい」という人は多かったと思うが、この製品ではそれが解決されている、というわけだ。

電卓や文字入力する場面で「NumberPad」から直接数字入力可能に

【その9】静かなキーボードと、タイピングしやすい角度に保持する「エルゴリフトヒンジ」

 また、「仕事向けPC」として地味だが重要なのがキーボード。

 これについては、ディスプレイ部を開くと、自然にキーボード奥が持ち上がる「エルゴリフトヒンジ」という構造を採用しており、タイピングしやすい角度にキーボードを保持してくれる。そして、実際にキータイプしてみるとすぐに気付くのが、その静かさだ。

 雑に押下しても耳ざわりな音は出ず、周囲にも全く響かない。シェアオフィスやコワーキングスペースのように気を使いがちな場所でも、気兼ねなく打ち込めるわけだ。このあたりは現行の他のノートPCでもあまりない、ZenBook 13ならではの特徴と言える。

開くと自然とキーボードの奥側がわずかに持ち上がる「エルゴリフトヒンジ」を採用
静音キーボードを搭載
タイピングの音が全く気にならず、コワーキングスペースでも周囲に迷惑をかけることがない

【その10】「黙って座ればピタリとログオン!」Windowsのログオンは顔認証で

 生体認証機能のWindows Helloに対応する赤外線カメラを搭載しているのもポイントだ。これにより、Windowsのログオンを顔認証で行えるようになり、「ZenBook 13の前に座るだけ」でPCを使い始めることが可能になる。

 これまでは絶対に必要だったパスワード入力の手間を不要にする顔認証は、「効率よく、気持ちよく仕事する」という点で、ビジネスPCにあったら欲しい機能の1つといえるだろう。

Windows Helloに対応する赤外線カメラを搭載し、顔認証でログオンできる

【その11】OSは、Windows 10 Pro 64ビット版

 最後のポイントといえるのが、「OSがWindows 10 Proであること」。

 これは、個人向けモデルから変更されている点で、ActiveDirectory(ドメイン)やグループポリシー、高度なセキュリティ機能などを利用することが可能になる。これまでは「Windows 10 Homeモデルを買って、アップグレードしていた」という人や、そのコスト高を避けて諦めていた人も多いと思うが、ついに「最初からWindows 10 Pro」で購入できるようになったというわけだ。

Windows 10 Pro 64ビットを標準搭載するZenBook 13

販売体制やサポートは?「ASUSのビジネス向けPC」の周辺ポイントも聞いてみた

正規販売代理店としてASUS製品の販売・導入サポートを提供するテックウインド株式会社

 さて、モデルとしての魅力は上記通りだが、「法人向けPC」では、販売体制やサポート体制など、その周辺部分も重要だ。

 そこで、そうした情報について、ASUS JAPANやその正規販売代理店であるテックウインドに聞いてみた。お話をお伺いしたのは、ASUS JAPAN株式会社の溝上武朗氏(パートナーセールス事業部 執行役員 事業部長)と、正規販売代理店としてASUS製品の販売・導入サポートを提供するテックウインド株式会社の仲谷淳氏(営業本部 執行役員 営業本部長)だ。

 ASUSがこのタイミングで法人向けモデルを本格展開することになった理由や、一般市場向けとの体制の違いなどがわかると思うので、参考にしてほしい。

「やっと準備が整った」万全の準備で始めた法人向け販売

――一般消費者向けでは性能や信頼性というところで、すでに日本国内でも人気の高いASUSですが、法人向け市場についてこのタイミングでの本格参入となった理由を教えてください。

ASUS JAPAN株式会社の溝上武朗氏(パートナーセールス事業部 執行役員 事業部長)

[ASUS 溝上氏]
 ASUSの設立は30年前の1989年、その後、完成品PCを展開するようになったのは17年前からです。初期のノートPCであるEee PCのような普及モデルも話題になりましたし、その後、両面ディスプレイや革張りの製品を提案するなど、トガったものを提供してきました。

 その後、スマートフォンへの参入もあり、おかげさまで「ASUS」というブランドも浸透してきたのですが、ユーザーが増えれば増えるほど「法人でも使いたい」というお声を多くいただくようになりました。しかし、法人向けでは保守やサポートなど万全の準備が必要です。そして、日本での準備が整ったのが今年6月、ということです。

 台湾本社では法人向けビジネスは早くから始めていたのですが、同じタイミングで、世界各地で法人向けの取り組みをスタートさせています。

[テックウインド 仲谷氏]
 実は我々も、数年前から「法人向けモデルの取り扱いを強化してほしい」とずっとASUSさんに要望していたので、やっと念願がかなった、というところです(笑)。ASUSさんの製品はクオリティも非常に高いですし、法人のお客さまにも是非使っていただきたいとずっと思っていました。

――製品・サービスについて、法人向けと従来の一般消費者向けとの違いを教えていただけますか。

[ASUS 溝上氏]
 サービス面では、2~3年(モデルによる)の長い保証期間を付帯したことと、Windows 10 Proのプリインストールモデルを用意した、という2点になります。セールス部隊とマーケティングの部隊、そしてプロダクトマネジメントの部隊、それぞれに法人専門のチームを用意する社内体制としています。製品ラインアップも、できるだけ幅広く用意してまして、一般向けモデルの中からビジネスで需要のあるものを選びつつ、その上で、スペックをビジネス用途に最適化しました。

――ほかにも法人向けモデルを選ぶメリットはありますか。

[ASUS 溝上氏]
 本格参入以前から法人で使っていただいている方も多くいらっしゃるのですが、提供できるモデルが限られていました。また、OSをWindows 10 Proに変更しようとした場合は、テックウインドさんのような正規販売代理店でカスタマイズしてもらう、といった対応しかできません(ユーザーがインストールするとサポート外になってしまう)。Windows 10 Proをプリインストールしてご提供できる、というのはやはり大きいと思っています。

[テックウインド 仲谷氏]
 この6月からはMicrosoft Office搭載モデルも一部でご用意しています。ここ数年、ASUSさんの製品はデザインがシンプルかつおしゃれになってきました。十数年前だと「日本人向きではない」と言われてしまうこともありましたが、今は全ての製品がデザイン性に富んでいるので、日本人にもマッチしやすいのではないかと思いますね。

ラインナップも多数用意

――今回ピックアップした「ZenBook 13 UX333FA」を含め、法人向けの主だったモデルの特徴を教えていただけますか。

[ASUS 溝上氏]
 ZenBook 13は、ZenBookシリーズのなかでも堅牢かつ軽量なモデルとなります。MILスペックに準拠し、耐衝撃性能も備えているので、持ち運ぶときにカバンの中に入れたままでも壊れにくく、安心です。オフィス内だけでなく、もっとタフな現場でも使えるのではないかと思っています。

 また、2in1ノートPCの「TransBook T101HA/T103HAF」シリーズは、タブレット的に利用できるので、カラオケボックスやレストランのオーダー端末、工場のライン管理、運送業などに活用できるかと思います。教育現場にも適していますね。これ以外にもさまざまな利用シーンに合わせたモデルを用意したことで、幅広いビジネスシーンでご利用いただけるかと思います。

――法人向けのPC市場は競合が多いかと思います。そのなかから法人向けPCとしてASUSを選ぶとき、どんなところが引きになると思いますか。もしくはどういった利点がありますか。

[ASUS 溝上氏]
 ASUSの製品は、新しい技術で新しいユーザー体験を感じていただく、というコンセプトでラインナップを作っています。そうした、ユーザー体験は、一般向け製品で感じていただいていると思うのですが、それをそのまま仕事でも体験していただける、というのが一番の魅力だと思います。

[テックウインド 仲谷氏]
 お客様が導入するにあたって任意のアプリケーションをプリインストールしたいとき、当社では国内に自社工場を持っていますので、そこでプリイン対応が可能です。また、ノートPC以外にもネットワーク製品や、パーツなど周辺機器も多数取り扱っていますので、ASUSさんのルーターを組み合わせるとか、総合的に提案できるのが1つの強みだと思っています。

 お客様の新たなニーズがあれば、スピーディーにASUSさんと話し合って、その要望を実現したいとも考えています。

テックウインド株式会社の仲谷淳氏(営業本部 執行役員 営業本部長)

――まだ法人向けに本格提供を開始してから間もないですが、反響はいかがですか。

[ASUS 溝上氏]
 ZenBookシリーズは、もともと「法人向けにも欲しい」という声が多かったので、問い合わせは増えていますね。実は我々の製品は、情報システム部門や購買部門の方がプライベートで使っている、といったことが多いので、そうした方が法人購入する際、さっそく弊社製品を検討していただいているようです。

――最近の法人向けPCのニーズはどういったところが特徴でしょうか?

[ASUS 溝上氏]
 以前からニーズは大きく変わってきていると思います。かつてPCはオフィスで使うもの、現場で使うもので、据え置き型が多かった。ところがここ10年くらいは働き方自体が変わってきて、オフィスだけでなく、カフェや自宅でのモバイルワークが増えてきました。そのため、ラップトップの需要が増えてきていますし、より軽量な持ち運びに便利なものが求められてきていますね。

 ビジネス向けは、かつてはセキュリティ面がとても重要視されていましたが、いまは徐々にクラウドに移行していますし、「セキュリティ一辺倒」ではなく、より薄く軽量であることも重要になりました。ですから、堅牢性を維持しつつ、そのなかで最大限軽量化を図っていくことに非常にこだわっていますね。薄くて軽いのにMIL規格に準拠している、という点に、それを感じていただけるのではないかと思っています。

 またその一方で、ハイスペックなPCのニーズが法人用途でも増えています。動画やCGの編集に使うクリエイター向けのニーズは、ここ10年で特に増えている印象がありますね。

見積書の発行や買掛にも対応、専用ストアも

――法人向けならではのポイントとしてはいかがでしょうか?

法人向けストアでは、見積書の発行や買掛などの決済に対応している

[ASUS 溝上氏]
 まず、ベーシックなところとしては、見積書の発行や買掛などの決済に対応しているところがポイントでしょうか。

 法人専用のストアもご用意しており、法人仕様の製品を選びやすくなるようにしています。ストアについては、教育機関・学生向けのストアもご用意しました。さらに、大量購入や特殊なニーズであれば、テックウインドさん経由で柔軟な対応をさせていただくことも可能です。

 また、保証期間が3年に延びましたので、補修用の“パーツ保有”も当然、長くとっています。最近のPCは長く使えますので、買い替え周期は3年を超え、5年以上使っていただくケースもあります。当社ではパーツを最低限3年は保有できる体制を整え、その先は通常の保守というかたちで対応できるようにしています。

「長く愛されるメーカーになりたい」

――今後の法人向けビジネスの展開を教えてください。

[ASUS 溝上氏]
 まず、今回のモデルで「ASUSの法人向けPC」をしっかり認知していただく、というのが最初の目標です。

 その後は、例えばクリエイター向けのハイスペックな17インチ液晶モデル「StudioBook S W700」を秋ごろにリリース予定ですし、タッチパッドがテンキーとしても利用できる「NumberPad」機能をさらに進化させたモデルも計画しています。

 タッチパッド部分を5インチ程度のディスプレイにして、そこで情報収集しながらメイン画面で資料を作る、みたいなことができるモデルですとか、COMPUTEX TAIPEI 2019で披露した4Kとハーフ4Kの2画面を備えた機種ですとか、今までにないかたちのもの、こういったものも法人向けに出していこうかなと思っています。

――最後に、互いに期待することは?

[ASUS 溝上氏]

 我々は、製品の性能やデザインには自信がありますが、「法人向けのサービス」という点では、これから学ばせていただく部分も多いと思っています。日本の法人市場のご要望に応えられるような体制を、テックウインドさんとしっかりタッグを組んで作っていくことが重要だと思っています。

 法人向けビジネスは短期的な視野では見ていません。市場での信頼がとても重要ですし、それをしっかりご理解いただけるのには、少なくとも3年はかかると思います。ですので、3年、5年といった長期の計画でみなさまの信頼を作っていけるよう、考えています。一般向け製品で築いた「30年のブランド」と同じ30年を法人向け市場でも築いていきたいし、長く愛されるメーカーになることが目標です。

[テックウインド 仲谷氏]
 我々はASUSさんの一般向け製品を長らく取り扱っているのですが、今後は、同様に法人向けにも強くフォーカスしていきたいと思っています。ASUSさんには、今後も多くの法人向けプロダクトを展開していただければと思います。

 一般向け製品の認知度はASUSさんはかなり高いんですけれども、正直なところ、法人向け市場での認知度はこれからだと思っています。ASUSさんの製品は、性能やデザイン、ユーザー体験などの点で、既にしっかりした実績があると思っています。そうしたことに裏打ちされたブランド価値を一緒にアピールしていきたいですね。

 また、2019年は(2020年1月の)Windows 7のサポート終了が大きな話題になると思います。中小企業ではまだPCの切り替えを終えていないところが大半かと思います。この機会に、ぜひASUSの法人向けモデルをご検討いただければ幸いです。

――ありがとうございました。