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約1kg、薄型、最新10コアCPUの実力派ノートPCを仕事に使ってみた! 「ExpertBook B9 B9400CBA」レビュー
「性能+軽さ」でストレスから解放、オフィスもテレワークも1台で快適に
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- ASUS JAPAN
2022年9月30日 06:30
ASUSの「ExpertBook B9」シリーズは、8月18日に発売されたビジネス向けノートPCのニューモデル。14型のフルHD(1,920×1,080ドット)ディスプレイに、Intelの最新CPUである第12世代 Coreの低消費電力版に、LPDDR5メモリ、PCI Express 4.0対応のNVMe SSDなどを搭載する、ハイスペック仕様の薄型ノートPCだ。
さらっとした手触りでカラーリングも美しい外装も魅力的な本機だが、今回は最上位モデルであるExpertBook B9 B9400CBA(B9400CBA-KC0218WS)を試用できたので、こちらのレポートをお届けする。
筆者は僚誌「トラベルWatch」や「グルメWatch」の取材で遠方に行くことも多く、ノートPCとデジタル一眼をカバンに入れ、各地からレポートさせてもらっている。今回も試用期間中に飛行機で東京から広島に向かう取材があったので、道中や目的地でも普段通りに使ってみた。
常に持ち歩きたいノートPCに求めるのは、本気で使える“性能”と“軽さ”
まずハードウェアの仕様を確認してみよう。
前述の通り、今回試用したモデルはラインナップ最上位の構成で、CPUは最新設計のモバイル向けモデルで、高性能コア(Pコア)を2基、高効率コア(Eコア)を8基搭載する、10コア12スレッド構成。
省電力性に優れるEコアが多いため、処理能力と電力効率の高さが魅力的だ。また、最新CPUに合わせてメモリも新世代のDDR5を採用、省電力タイプのLPDDR5-5200メモリを32GB搭載。圧巻はSSDで、PCI Express 4.0 x4接続の2TBのM.2 SSDを2基、合計4TBも搭載する。それでていて重量はわずか約1,005gと超軽量だ。
薄型・軽量でスタイリッシュな本機だが、CPUの性能、メモリとSSDの容量は非常に高い。
これだけの充実した性能を備えていれば、オフィスや自宅などの腰を据えて作業をするときにも、その薄さと軽さで外に持ち出して作業するときにも、抜群のパフォーマンスを発揮してくれるだろう。
薄型のノートPCで犠牲になりがちなのが入出力端子類だが、本機ではこの点も抜かりがない。
USB 3.2 Gen 2(USB 3.1)のType-A端子が右側面に1ポート、Thunderblot 4対応のType-C端子が左側面に2ポート、さらにノーマルサイズのHDMIポートを1基と、有線LANアダプタ接続用のmicroHDMIポートも左側面に搭載する。細かい点だが、各ポートは一般的なA4サイズのビジネス向けノートPCと同様に奥側に配置されており、特にUSBポートは何も考えずに迷わずアクセスできる位置にある。また、USBメモリやケーブルを挿しても、使用時にも邪魔になりにくい。
また、外部ディスプレイ接続用のHDMI端子がノーマルサイズなので、サクッとディスプレイに接続しやすい。
ケーブルを持って出るのを忘れたときにも対応しやすいし、いざというときに変換ケーブルが見あたらないなんて事態にならないのはありがたいポイントだ。また、Type-Cでのディスプレイ出力にも対応しているので、最大で4画面(本体の液晶+外部ディスプレイ3画面)で作業することも可能だ。
キーボードは日本語キーボードとしては一般的な86キー。主要な文字キーのキートップは実測で約16mmほどあり、極端にピッチが狭いキーがあるなどの破綻もない。
液晶パネルの開閉の構造を活かしてキーボードになだらかな傾斜を付けてくれる「エルゴリフトヒンジ」の効果もあって、キーボードの使い勝手は良好だ。乗り物内などの暗いところでの使い勝手が向上するバックライト機能も搭載し、ゲーミングPCのような過剰なハデさもなく、ビジネス機としてはちょうどいい具合でもある。
また、このサイズのノートPCでは省略されがちなテンキーを、タッチパッド部分に組み込んだ「NumberPad」もなかなかおもしろい。タッチパッド右上をタップするだけでテンキーとして使えるようになるので、数値データの入力が多いときなどに重宝するだろう。
どこにでも“安心”して持っていける軽さ・省電力性能・セキュリティ
そして何よりも、この手のノートPCに多くの人が求めるのは、今も昔も“軽さ”と“バッテリ駆動時間”だ。
高性能なパーツを搭載していながらもほぼ1kgと軽量に仕上がっている本機は、バッテリ駆動時間も約20時間と、タフネスさも持ち合わせている。
筆者が普段使用しているノートPC(2020年購入)は約1,180gなので、175gほどの違いがあるわけだ。持ち運ぶ機器が100g単位で軽くなるのは大歓迎で、外を歩き回っている方は共感してくれると思うが、日が暮れる頃にトートバッグの取っ手が肩に食い込む度合いが格段に変わってくる。この2年間での軽量ノートPCのさらなる進化は目を見張るものがある。
また、飛行機で移動する際も機内に持ち込める重量を気にせずに済むというメリットもある。
ANAやJALといったフルサービスキャリアは10kgまでなので、リミットに達することはそうそう無いが、LCC(ローコストキャリア)を利用する際は重量制限が7kgに設定されている航空会社が多く、搭乗受付時の重量チェックで嘆いている人も時々見かける。そういった理由からも仕事に欠かせないノートPCが軽いということは、それだけで大きな恩恵を与えてくれる。
ビジネス向けノートPCに求めるものは使用者によって優先度は変わるが、満員電車にも負けない堅牢性や簡単な操作で機密を守るセキュリティ性能、最近ではビデオ会議に適した内蔵カメラや高性能マイクもニーズが高い。
ExpertBook B9シリーズでは、液晶パネル上部に92万画素のカメラを内蔵する。カメラ付きノートPCはさほど珍しくないが、本機の場合は赤外線(IR)カメラも備えるため、Windows Helloもサポートする。Windows Hello対応のセキュリティ機能としては、カメラのほかに指紋認証も搭載するので、マスク着用時などにはこちらも活用したい。
また、カメラの脇には、ユーザーがPCの前にいるかどうかを感知する“近接センサ”も搭載している。作業中にユーザーがPC前を離れたときは、液晶の輝度を下げ画面をロックするなどといった制御が可能なので、こちらもセキュリティ対策に有効活用しよう。
このほか、ステレオスピーカーにアレイマイクを内蔵し、ASUS製品に広く採用されているAIノイズキャンセリング機能により、さまざまな場所でクリアな音声でのビデオ通話/会議が利用できる。有線式のマイク/イヤホン端子も装備しているので、オフィスから出張先/外出先での会議参加まで、あらゆるシチュエーションに対応可能だ。
ベンチマーク結果はすこぶる良好、仕事に使うアプリも段違いに快適に!
それでは、ベンチマークテストなどでその性能を詳しく見てみよう。
今回は、PC全体の性能を見るPCMark 10、実アプリでの性能をテストするUL Procyon、3Dゲームの性能を計測する3DMarkをそれぞれ計測している。
まずPCMatk 10のスコアだが、PCの基礎性能や普段使いの使い勝手を示すEssentialsでは快適に使える基準スコア(4,100)の2.5倍、オフィスアプリ系での性能を示すProductivity(基準スコアは4,500)と写真/映像/3Dグラフィックス制作での性能を示すDigital Contents Creation(同3,450)は1.5倍前後のスコアとなった。実際、UL Procyonでも、Photo EditingとOffice Productivityで高いスコアを叩き出している。
このほか、バッテリ駆動時間をテストするためにUL ProcyonのVideo Playback Batterylifeテストを実行してみたところ、結果は実に16時間1分という結果になった。カタログ公称値は20時間(「JEITAバッテリー動作時間測定法(Ver2.0)」に基づく値)とのことなので、スペックが示す通りの長時間駆動が期待できると言ってよいだろう。
アプリケーションを使ってテストするPCMark 10で大体の実力がつかめたが、実際に使ってみるとどうなのか、筆者が取材活動などで撮影した写真のRAW現像に使っているAdobe Lightroom Classicでも試してみた。テストは撮影したRAWファイル(2,400万画素)からJPEGに100枚ほど現像し、完了時間をストップウォッチで計測した。さらに、フル充電の状態で駆動モードは「トップクラスの電力効率」に本機と筆者が普段使っているノートPCを設定し、それぞれ5回行なってみた。ちなみに筆者が普段使っているノートPCは、CPUがCore i5-10210U、メモリは8GB(DDR4 2666)で、SSDは1TBに換装し、OSはWindows 11 Proにアップグレード済み、というものだ。
結果はグラフの通り、本機が平均で1分36秒と圧勝だった。第10世代のミドルクラスCPUと最新のハイエンドCPUとの性能差は思っていた以上に大きく、大容量のメモリと高速なストレージの違いも如実に反映された結果になった。今まで5分30秒ほどかかっていた現像時間が約1/4に短縮されるのは素直に驚くしかない。
現像だけでなく、露出や明暗差、ホワイトバランスの調整といった編集作業においても作業はスムーズに行なえた。Lightroomでは画像を管理するために最初にカタログを作成し、任意の画像を読み込ませてプレビューを作成するのだが、PCI Express 4.0×4で接続されているNVMe SSDの性能の高さもあり、それほど時間もかからずに編集作業に移れるのも体感できた。2TB×2TBとドライブが分けられているので、片方は画像データ用として、システムと分けて使える点もありがたい。
快適な操作性能と1日充電無しでも持ちそうなバッテリ
実際に広島への取材にも本機を携えて行ったのだが、すこぶる快調に動作し、期待に応えてくれた。
カタログ通りの薄さと軽さなので、いつも使っているエレコムの保護用ケース「ZSB-IBUB02BK」にもスッポリ収まり、持ち運びの不安は微塵も感じなかった。使用面においては、メモリの容量が32GBあるおかげでアプリの切り換えも一切もたつくことがなく、ビジネス向けのハイエンド製品であることをまざまざと見せつけてくれた。
パフォーマンスが高いゆえに、排熱温度やファンの回転音もスゴイのかと思いきや、スリットのある背面は触れられないほど熱くなるわけではなく、チノパン越しに膝置きしても暖かい程度だった。ファンも高負荷時はそれなりの音で回転するのだが、耳障りな高周波は無く、筆者にとっては十分な許容範囲内。むしろ、想像していた以上に静かに感じた。
本機のウリの一つであるバッテリの持ちも素直に評価したいポイントだ。就寝前に充電し、翌朝フル充電の状態からスタート。起床後のメールチェックやWebサイトでのニュースチェックに始まり、移動のバス車内や空港のロビー、機内においてもテキストの作成やLightroomによる編集作業(50枚ほど)を行なうなどそれなりに使ったはずであったが、21時頃に帰宅しても残量表示は65%と半分も消費していなかったのには正直驚いた。第12世代のCoreシリーズの特徴であるPコアとEコアによるハイブリッド設計がなせる電力効率の高さと搭載しているバッテリの性能が発揮されたといったところだろう。
「この程度では疲れたうちに入りませんよ」と言わんばかりに本機の優等生振りを見せつけられた格好だが、ドラマの意地悪な教師よろしく、追加テストとして1,000本ノックならぬ1,000枚のRAW現像も行なわせてみた。結果はと言うと、65%から42%に減っており、23%消費させることに成功した。と、本題から外れてしまったが、それだけ長時間の作業ができるノートPCであることが改めて分かった瞬間だった。
65W出力のUSB PD対応ACアダプタがあれば充電できる便利さ
今回は自宅に戻るまでの間、充電せずに済んだので出番はなかったが(出張中に充電器の出番がない、というのも驚くべき話だが)、65W出力のUSB PDに対応した対応ACアダプタが使える点も本機の魅力だ。
GaN(窒化ガリウム)が登場したことで、従来よりも小型で軽くなったACアダプタが各社から発売され、対応しているType-Cケーブルを使えば充電できるので非常に便利になった。
USB PDは汎用性が高いので、スマートホンやタブレットもUSB PD対応のACアダプタが1台あれば事足りてしまう。また、ゲーム向けノートPCで多く採用されている100W(中には240W仕様の製品もある)を要求しない点もポイントだ。65Wまでの製品は数が多いので価格もこなれているが、100W対応製品は数が少ないうえにまだまだ高価だ。しかも、ケーブルもより太くて100Wに対応した製品が要求されるので、荷物を減らすために色々導入するとそれなりのコストがかかってしまうことになる。
ストレスから解放されたいビジネスパーソンに向けた本気の製品
今回は短期間であったが最新スペックを詰め込んだ本機を使って言えることは、「どこにでも手軽に持ち運べて、ストレスなく使える」ということだ。パワフルなCore i7-1255Uと32GBのメモリは負荷のかかるアプリもサクサクと動作させ、4TBのストレージは気兼ねなく大容量のデータを保存できる。しかもバッテリは充電しなくても1日使えるタフネスさがあるので、出先で常にコンセントを探しながら席に着くといったストレスからも解放してくれる。ハイエンド仕様であることから高価ではあるが、そのあたりに魅力を感じる人はぜひとも購入を検討してもらいたい。
このほか、メモリーが16GBでストレージが1TB仕様のモデル(B9400CBA-KC0203WS)や、Core i5-1235U、512GB SSDなどを搭載することで価格を抑えたモデル(B9400CBA-KC0207W)もラインナップされている。Core i5-1235U搭載モデルはバッテリが半分の2セルとなるが、重量はさらに軽くなり約880gになる。CPUの構成はこちらもPコア×2基、Eコア×8基の10コア12スレッドと最新のハイブリッド設計で、総合性能、省電力性ともにオススメだ。