トピック

「Windows 10のサポート終了」はセキュリティ強化のチャンス、LTEで「いつも安全」なモバイルワークを!

15万円で買えるお手軽 LTEノートPCから、軽量・高性能なCopilot+ PCまで

ワイヤレスWANに対応するMousePro L5-I5U01BK-B(左)とMousePro G4-I7U01BK-E(右)。前者はワイヤレス搭載モデルでも148,060円で購入できる手軽なモデル、後者はCopilot+ PCでもある高性能な製品だ。両製品ともマウスコンピューターのビジネスPCブランド「MousePro」に属している。
カフェなどでのテレワーク、通信環境とセキュリティについて、気にしたことはあるだろうか?
ワイヤレスWANを搭載したモデルなら、安心できる通信環境をどこでも利用できる、

 2025年10月14日(米国時間)のWindows 10サポート終了まで、残すところ約3ヶ月。サポートの切れたWindows 10を使い続けることの危険性は、弊誌をはじめ様々なところで説明されており、まだWindows 10 PCを使っている企業や利用者の多くが入れ替えを検討していることだろう。

 弊社読者として、そこで気にしたいのが「ただ買い替えるだけでなく、より効率的な仕事環境を構築する」点だろう。

 これについては、例えば「電源にUSB給電が使えると便利」とか、「NPUを搭載していると将来のAIアプリが活用できそう」などの論点もあると思うが、本稿で考えてみたいのが「テレワークでの通信環境とセキュリティ」だ。

 最近は当たり前になったテレワークだが、社外でフリーWi-Fiを利用するにはリスクがあるし、いちいち通信環境を探したり、設定しなおすことでスムーズな仕事ができないことも多いだろう。

 そこで提案したいのが、ワイヤレスWANに対応したノートPC。こうしたノートPCは、「高価な上位モデルだけ」というイメージを持っている人も多いと思うが、実は今、15万円未満でも購入できる。

 そこで今回は、マウスコンピューターのビジネスPCブランド「MousePro」から、BTOでワイヤレスWANを搭載できる製品を2種類選定。

 実売価格の安い「MousePro L5-I5U01BK-B」(134,860円~、ワイヤレスWAN搭載の場合は148,060円~)と、Copilot+ PCでもある「MousePro G4-I7U01BK-E」(239,800円~、ワイヤレスWAN搭載の場合は253,000円~)を例に、ワイヤレスWANの使えるノートPCの魅力を紹介してみたい。

【記事目次】

オフィス外でのテレワーク、通信環境に気を付けていますか?
  - フリーWi-Fiの危険性とは
  - 最も警戒すべき「偽アクセスポイント」
ワイヤレスWAN内蔵のPCなら、いつでもどこでも安全な通信環境が得られる
ワイヤレスWANの使い方はとても簡単!
  - 物理SIMを利用する場合
  - eSIMを利用する場合
ワイヤレスWAN搭載PCにお勧めのSIMとは?
  - 日本通信「ネットだけ!プラン」
  - IIJmio「ギガプラン データeSIM」
実際にワイヤレスWANでテレワークしてみた
  - 重量946g、Copilot+ PCの「MousePro G4-I7U01BK-E」
  - 15万円でワイヤレスWANモデルが買える! 光学ドライブ内蔵の「MousePro L5-I5U01BK-B」
意外と「普通」に使えるLTE、Web会議も問題なく利用可能
時間や場所にかかわらず「安全なデータ通信が行える」ことの安心感
  - 法人向けの問い合わせ窓口もアリ


オフィス外でのテレワーク、通信環境に気を付けていますか?

 オフィスに縛られない働き方が普及し、カフェなどでのテレワークも一般的だ。実際、日中のカフェに行くと、テーブルにノートPCを開いて熱心に仕事をしている人を多く見かけるはずだ。

 カフェでは無料で利用できるフリーWi-Fiを完備するところも多いが、仕事でフリーWi-Fiを利用する場合には注意しなければならない点がある。

フリーWi-Fiの危険性とは

 まず、昔からよく言われているのが「フリーWi-Fiは暗号化されてない場合がある」こと。

 フリーWi-Fiの中には、誰でも簡単に利用できるよう、通信を暗号化せず、パスワード不要で接続できるようにしているものがある。接続時にメールアドレスを登録する場合もあるが、それはサービスの利用登録に必要なだけで、暗号化パスワードではない。

 そして、暗号化していないフリーWi-Fiを利用している際、その電波を傍受されると、通信内容が丸見えとなってしまう。そのため、テレワーク中にフリーWi-Fiを利用すると情報漏洩に繋がる危険がある、というものだ。

 実はこれについては、フリーWi-Fi以外での対策も進み、Wi-Fiが暗号化されていなくても、Webサイトとの通信そのものが暗号化されるなど、危険性は減りつつある。だから、「以前よりは安全」と思っている人もいるかもしれない。

 だが、実際にはそうではない。実は、より危険性の高い、異なる攻撃の手口が存在している。それは、フリーWi-Fiアクセスポイントのなりすましだ。

最も警戒すべき「偽アクセスポイント」

SSIDが同じだったり、紛らわしいSSIDで、区別できない場合もある

 なりすましの手口は、本物のフリーWi-Fiアクセスポイントの近くに、同じSSIDを利用した偽のアクセスポイントを設置し、本物と見分けのつかない接続ページを用意して、そちらに接続させるといったもの。

 偽のアクセスポイントに接続した場合、偽の接続ページでメールアドレスやパスワードが盗まれたり、接続ページに仕込まれたマルウェアがインストールされることもある。また、そうしたアクセスポイントで通信した場合、正しいURLを入力したとしても、本物のサイトに繋がらない場合も考えられる。

 そして厄介なのが、利用者からは接続しようとしているアクセスポイントが本物か偽物かを判断しにくい点だ。施設側が、そうしたアクセスポイントに気付いて対策してくれていればよいが、そうでない場合、利用者側での判断は難しいだろう。

 こういった危険性があるため、企業によっては、仕事で利用するPCをフリーWi-Fiに接続することを禁止している場合も少なくない。もちろん、フリーWi-Fiの利用が禁止されていないとしても、予防という意味でテレワーク時にはフリーWi-Fiの利用を避けるべきなのは言うまでもない。


ワイヤレスWAN内蔵のPCなら、いつでもどこでも安全な通信環境が得られる

携帯通信を利用したワイヤレスWANが利用できる
物理的なSIMのほか、最近はeSIMも利用できる。eSIMの場合は物理的なSIMのやり取りが不要で、契約までの手間も少ない場合が多い

 そこでおススメしたいのが、ワイヤレスWAN搭載のノートPCを利用する、というものだ。

 ワイヤレスWANとは、4G LTEなどの携帯通信を利用してデータ通信を行う仕組み。ノートPCに携帯通信対応のワイヤレスWANモジュールを搭載することで、携帯通信を利用したデータ通信を行えるようにしている。

 ワイヤレスWAN搭載のノートPCなら、ディスプレイ開いて利用を開始した瞬間に携帯通信を利用したデータ通信が可能となる。フリーWi-Fiのような接続作業不要でデータ通信が行えるため、非常に手軽だ。

 フリーWi-Fiはアクセスポイントが設置されているカフェなどの決まった場所でしか利用できないが、ワイヤレスWANは携帯通信の電波が届くところなら場所を問わずデータ通信が行える。フリーWi-Fiのないカフェなどでもテレワークできるし、電車での移動中でもデータ通信が行えるため、早急なメール返信が必要な場合でも、場所を問わず対応できる。

 そして何より重要なのが、携帯通信は標準で高度に暗号化されているという点だ。接続した瞬間から電波が暗号化されているので、通信内容を傍受され内容を見られる危険性がほぼない。これは、安全にテレワークを行ううえで、非常に重要なポイントだ。

 テレワークを行う場合に、顧客情報や機密情報を扱う場面もあるかもしれないが、ワイヤレスWANならその内容が傍受されて情報漏洩する危険性が限りなく低い。これは、テレワーク時の安全性を高める側面はもちろんのこと、危険に備えなければならないという従業員の心理的不安も大きく低減できる。

 情報漏洩が起こってしまったらまずいと、セキュリティにおびえながらの作業は、どうしても心理的負荷がかかる。また、危険だからと重要なデータへのアクセスを控えると、テレワークで行える作業内容が限られ、業務効率も落ちてしまうことになる。

 もちろん、不特定多数の人が出入りするカフェなどでの作業時には、ディスプレイに表示される内容を背後からのぞき見られるといった点にも対処が必要だ。それでも、通信環境への対策がほぼ不要となることで、心理的負荷やセキュリティ対策の手間が減り、より作業に没頭できるようになる。そういった意味でも、テレワークで利用するPCでは、ワイヤレスWANの搭載は非常に重要な要素と言っていいだろう。


ワイヤレスWANの使い方はとても簡単!

 紹介したようにワイヤレスWANはとても便利だが、使い方も特に難しいことはない。そこで、実際にワイヤレスWAN搭載PCを利用して、導入手順を簡単に紹介しよう。

 ワイヤレスWANを利用するには、携帯電話会社と契約したSIMを用意してPCに導入し、契約した通信会社ごとに異なる接続設定を行うことになる。その方法は、スマートフォンにSIMを装着して接続設定を行う場合とほぼ同等だ。

 ワイヤレスWAN搭載のPCでは、SIMとしてmicroSIMやnanoSIMなどの物理SIMを利用する場合が多いが、最新のPCでは組み込み型のeSIMが利用可能な製品が増えている。そして、それらの導入方法はスマートフォンの場合とほとんど変わらないと考えていい。

物理SIMを利用する場合

 物理SIMを利用する場合には、ワイヤレスWAN搭載PCに用意されているSIMスロットにSIMを装着し、必要な設定を行うことになる。

 物理SIMを装着すると、WindowsがSIMの装着を認識して、SIMに応じた携帯通信ネットワークに自動的に接続される。ただ、その状態ではまだデータ通信は行えず、契約した通信事業者ごとに正しいAPN(アクセスポイントネーム)を設定することで、データ通信が行えるようになる。

 APNは、「設定」アプリを開いて「ネットワークとインターネット」→「携帯電話」→「携帯電話会社の設定」と進み、その中にある「APNを追加」ボタンを押して行う。設定内容は通信事業者ごとに異なるので、通信事業者が公開している設定情報を参照しながら設定すればいい。

 APNの設定が完了すると、データ通信が行えるようになる。

携帯通信会社と契約してSIMを入手する
入手したSIMを、PCのSIMカードスロットに挿入する。(写真は挿入途中の状態、挿入後は突出しない)
PCを起動すると、装着したSIMに応じて自動的に正しい携帯通信ネットワークに接続されるが、この時点ではデータ通信はまだ行えない
「設定」アプリを開いて「ネットワークとインターネット」→「携帯電話」→「携帯電話会社の設定」と進み、「APNを追加」ボタンを押してAPNを登録する
通信事業者が公開している設定情報を参照しながら正しく情報を登録する
APNの登録が完了すると、データ通信が行えるようになる

eSIMを利用する場合

 物理的なSIMカードが要らない、eSIMを利用する場合には、はじめにeSIMを登録することになる。

 「設定」アプリを開いて「ネットワークとインターネット」→「携帯電話」と進み、「このSIMカードの携帯データネットワークを使う」を「eSIM」に設定する。次に下部にある「eSIMプロファイル」に進んで「プロファイルの追加」ボタンを押す。

 eSIM登録ダイアログが表示されたら、「携帯電話会社から提供されたアクティブ化コードを入力する」にチェックを入れ「次へ」を押す。すると、カメラが起動するので、契約した通信事業者から届いたeSIM登録用のQRコードをスマートフォンなどで表示して読み取るか、下部の入力ボックスにアクティベーションコードを手動で入力する。あとは、画面の指示に従ってプロファイルをダウンロードすれば、eSIMが登録されるので、「使用」ボタンを押してeSIMの使用を開始する。

 ただし、こちらもこの状態ではまだデータ通信は行えず、物理SIMの場合と同じように、契約した通信事業者ごとに正しいAPNを設定することで、データ通信が行えるようになる。この設定手順は物理SIMで紹介したものと同じだ。

「設定」アプリを開いて「ネットワークとインターネット」→「携帯電話」と進み、「このSIMカードの携帯データネットワークを使う」を「eSIM」に設定
「eSIMプロファイル」に進んで「プロファイルの追加」ボタンを押す
「携帯電話会社から提供されたアクティブ化コードを入力する」にチェックを入れ「次へ」を押す
カメラが起動するので、契約した通信事業者から届いたeSIM登録用のQRコードをスマートフォンなどで表示して読み取る。QRコードを読み取れない場合は、その下の入力ボックスにアクティベーションコードを手動入力する
eSIM情報がダウンロードされる
eSIMの登録が完了
eSIMの登録が完了したら「使用」ボタンを押してeSIMを有効にする
物理SIMと同じ手順でAPNを登録する
APNを登録するとデータ通信が行えるようになる


ワイヤレスWAN搭載PCにお勧めのSIM

 ワイヤレスWAN搭載PCで利用するSIMとしては、データ通信に特化したSIMがお勧めだ。その中から、特にお勧めのものをいくつか紹介しよう。

 携帯電話のメイン回線と紐づかず、別で契約してもリーズナブルなSIMを選定してみた。なお、接続状態などについては環境ごとに異なるため、全ての環境での動作を保証するものではない点は注意してほしい。

日本通信「ネットだけ!プラン」

 日本通信の「ネットだけ!プラン」は、その名のとおりデータ通信に特化した通信プランだ。なにより嬉しいのは安価な料金で、月額利用料はデータ容量が20GBで1,200円、40GBで2,400円、60GBで3,600円と、わかりやすく安価な価格設定となっている。しかも、1ヶ月間にデータ使用量が1GB以下の場合には料金が119円となるため、テレワークを行わずほぼワイヤレスWANを使わなかった月の維持費も抑えられる。

 SIM形状は物理SIMとeSIMのいずれも用意しているので、対応SIM形状を問わず利用できる点もありがたい。

日本通信のデータ通信特化プラン「ネットだけ!プラン」
月額利用料は、容量20GBで1,200円からとお手頃だ

IIJmio「ギガプラン データeSIM」

 IIJmio「ギガプラン データeSIM」もデータ通信に特化した通信プランだが、SIM形状をeSIMのみに特化することで、月額利用料を安価に抑えている点が特徴。月額利用料は、容量2GBで440円、最大の55GBでも3,540円と安価だ。さらに、使い切れなかったデータ容量は翌月に繰り越しできる(翌々月への繰り越しは不可能)ため、余すことなくデータ容量を利用できる点も嬉しい。

IIJmioの「ギガプラン」には、eSIMのみに特化したデータ通信プラン「ギガプラン データeSIM」がある
月額利用料は2GBから55GBまで豊富に用意。余った容量を翌月に繰り越しできる点も嬉しい

実際にワイヤレスWANでテレワークしてみた

 ワイヤレスWAN搭載PCの便利さは、実際に使ってみないとわからないものだ。

 そこで、今回は実際にワイヤレスWANを搭載できるマウスコンピューターのノートPCを2製品用意して、その使い勝手を体験してみた。

【ワイヤレスWANモデルを購入するには】
ワイヤレスWANモデルを購入するには、購入時に表示される「構成のカスタマイズ」画面にある「モバイルネットワーク」項から「LTE通信モジュール」のオプションをセットする。「モバイルネットワーク」の項は、BTOメニューのかなり下(光学ドライブやUPSよりも下)にあるので、忘れないようにチェックしよう。不安を感じる場合は、同社の問い合わせ窓口に確認するといいだろう。

 これらのノートPCは、BTOでカスタマイズすることでワイヤレスWANを搭載できるのがポイント。

 2025年7月現在、通信モジュールの追加オプションは税込13,200円。BTO画面の初期状態では選択されていないので、ワイヤレスWANを使いたい場合は購入時、「LTE通信モジュール」の項を忘れずにチェックするようにしよう。

 それでは、今回試用するマウスコンピューターのワイヤレスWAN搭載PCを紹介しよう。

重量946g、Copilot+ PCの「MousePro G4-I7U01BK-E

 1台目は、14型ディスプレイ搭載で重量が約946gと1kgを切る軽さを実現した、マウスコンピューターの本格ビジネスモバイルノートPC「MousePro G4-I7U01BK-E」だ。片手で軽々と持てる軽さは、常に持ち歩く場合でも身体への負担が少なく、軽快なテレワークを支えてくれる。

 こちらには、4G LTE対応のワイヤレスWANモジュールを搭載することで、受信最大300Mbpsの高速データ通信が可能。

【ベンチマーク結果】
MousePro G4-I7U01BK-Eのベンチマーク結果。Core i5を搭載するMousePro L5-I5U01BK-Bよりもさらにスコアは高い。軽さも含めて大きく向上しており、これなら今後長期間にわたって快適に利用できるだけの性能を備えている
こちらは比較用に用意した9年前のPCのベンチマーク結果。Core i5-7200U搭載のWindows 10ノートPCだ。当時はこれでも申し分ない性能だったが、現在では快適な利用は難しい

 また、プロセッサはIntelのCore Ultra プロセッサー(シリーズ2)を採用。AI処理に特化したNPUを内蔵することで、Microsoftが提唱するCopilot+ PCに準拠し、高度なAI機能を利用できる点も大きな魅力。

 ビジネスシーンでAI処理を活用するシーンは今後増えると予想されるが、それをクラウドを使わずPC単体で処理できるため、セキュリティ性を確保しながらAI機能を活用できる点は大きな魅力。また、NPUはテレワーク時の背景ぼかしや明るさ補正といった映像補正、マルウェア対策ソフトでも利用されており、CPUコアの負荷を軽減してPC全体の快適度を高めてくれる。今後NPUを活用するビジネスソフトが続々増えることを考えても、将来性に優れると言える。

 その他にも、顔認証カメラの搭載や、人を検知して自動的にロックや復帰を行う高度なセキュリティ機能、Thunderbolt 4やHDMI、microSDカードスロットなどの豊富なポートの用意による利便性の高さも大きな魅力。ワイヤレスWANの搭載が可能な点も合わせ、テレワークに最適なモバイルPCだ。

 マウスコンピューターの製品らしく、こちらもBTOによるカスタマイズが可能。主にSSD容量(標準500GB)などを調整できる。実売価格は標準モデルで239,800円から、LTE通信モジュールを追加して253,000円からとなっている。

右側面
左側面
電源はUSB PDによる給電が可能。
付属のACアダプタもUSB PDタイプ
Windows Hello対応のカメラを装備。顔認識でのログインが可能
SIMスロットは側面にある

15万円でワイヤレスWANモデルが買える! 光学ドライブ内蔵の「MousePro L5-I5U01BK-B

大柄な製品だが、カバンに入れて持ち運ぶのも現実的

 2台目は、15.6型ディスプレイ搭載スタンダードビジネスノートPC「MousePro L5-I5U01BK-B」。

 こちらは、基本的にはデスクワークでの利用が中心のノートPCで、重量は約2.1kgとやや重いが、持ち運べないほど重いわけではない。サイズ的にもカバンに十分収納できるので、「通常は自宅やオフィスで利用しつつ、必要があればカバンに入れて外に持ち出して利用する」という使い方を想定した製品と言えるだろう。

 そして、そういった用途も想定して、オプションで4G LTE対応のワイヤレスWANモジュールを搭載できるようになっている。

 特筆すべきはその価格で、2025年7月現在、標準構成なら134,860円で購入できる。LTE通信モジュールを追加しても148,060円。税込で15万円を割る安さだ。

【ベンチマーク結果】
こちらはMousePro L5-I5U01BK-Bの結果。スコアは大きく向上しており、これなら今後長期間にわたって快適に利用できるだけの性能を備えている

 ディスプレイサイズが大きく文字の視認性に優れるため、快適な作業が可能。キーボードにはテンキーが備わる点も、作業効率を高められるポイントだ。また、最近では搭載製品が少なくなっている中、標準でDVDスーパーマルチドライブを搭載する点も、まだ光学式メディアを利用する機会の多い企業にとって重要な要素だろう。

 搭載プロセッサはCore i5-1235Uで、必要十分なパフォーマンスを発揮。2016年に発売されたCore i5-7200U搭載のWindows 10ノートPCとベンチマークテストで比較してみると、当然ながらMousePro L5-I5U01BK-Bが圧倒しており、性能面も全く不安がない。

 そして、ワイヤレスWANの搭載が可能な点と同時に、USB Type-C経由の給電に対応し、汎用のUSB PD ACアダプターでの駆動が可能なことからも、テレワーク利用に十分活用できると言える。

 メモリ容量(標準8GB)やSSD容量(標準256GB)などはBTOでカスタマイズ可能だ。

右側面
左側面
電源コネクタは丸型だが、USB-PDの給電にも対応する
付属のACアダプタは丸型コネクタ用
最近の製品としては珍しく、バッテリーが取り外せる。また、SIMスロットはバッテリーを外した内側に用意されている
光学ドライブも搭載されている


意外と「普通」に使えるLTE、Web会議も問題なく利用可能

MousePro G4-I7U01BK-Eを利用中のイメージ。

 というわけで、ワイヤレスWANモジュールを搭載したMousePro G4-I7U01BK-EMousePro L5-I5U01BK-Bを用意してワイヤレスWANの使い勝手をチェックした。

 これら2製品に搭載される4G LTE対応のワイヤレスWANモジュールは、通信速度が最大300Mbps(受信時、理論値)と同一の仕様だ。

 用意したSIMは、物理SIMが日本通信の「ネットだけ!プラン」、eSIMがIIJmioの「ギガプラン データeSIM」で、IIJmioのeSIMをMousePro G4-I7U01BK-Eに、日本通信の物理SIMをMousePro L5-I5U01BK-Bに導入した。

 まずはじめに、ワイヤレスWANの通信速度をチェックしてみた。なお、こちらは日本通信のSIMでのみ検証している。

 7月上旬の平日午後2時頃に東京都千代田区のとあるカフェで速度を計測してみたところ、下り26.62Mbps、上り15.14Mbpsを記録した。

日本通信のSIMを装着して速度を計測すると、下り26.62Mbps、上り15.14Mbpsだった

 一般的に、Web会議で必要となる通信速度は下りが10Mbps以上、上りが1Mbps以上と言われることが多いが、その速度はどちらも問題なくクリアしている。実際にZoomを利用したWeb会議を試してみたが、映像や音声が途切れることなくWeb会議が可能だった。

 また、Webページの閲覧も試してみたが、こちらも画像などの表示が遅いといった不満は特に感じなかった。下りが20Mbps以上出ていれば、Web閲覧も全く不安はないと言える。

 さらに、クラウドストレージへのアクセスを想定して、OneDriveに保存しているExcelやWordのファイルを開いて編集したりしてみたが、こちらも特に不満なく利用できた。

 以上から、4G LTE対応のワイヤレスWANは、テレワークを行うために必要なデータ通信速度が申し分なく得られることが確認できた。

 もちろん、IIJmioのeSIMでもほぼ同等の速度が記録されており、Zoomの利用やWebページ閲覧、クラウドストレージへのアクセスも全く支障がなかった。

 なお、ワイヤレスWANの速度は、場所や時間帯、利用する通信事業者や契約プランによって大きく変わることがある。今回は、比較的通信環境の良い場所で試したこともあるが、この速度が場所を問わず常に発揮される訳ではない点はご了承いただきたい。とはいえ、都内の複数の場所で試したところでは、どこでもほぼ同じような速度が発揮されていたため、そこまで心配する必要はないだろう。


時間や場所にかかわらず「安全なデータ通信が行える」ことの安心感

 今回、実際にワイヤレスWAN搭載PCを利用して感じたのは、時間や場所にかかわらず「安全なデータ通信が行える」ことの安心感と優れた利便性だ。

 安心感に関しては、標準で電波が高度に暗号化されているワイヤレスWANの優れた安全性によって、テレワーク時の情報漏洩の危険性を限りなく低減できる。これは、企業にとって重要なのはもちろん、PCを利用する従業員にとっても安心につながるだろう。

 同時に、携帯通信の電波範囲ならば通信が行えることで、時間や場所にとらわれずテレワークができるのも大きな利点。セキュリティの高さによる安心感と合わせ、生産性を大きく高められるだろう。

Core Ultra 7 プロセッサー 258Vを搭載、Copilot+ PCでもある「MousePro G4-I7U01BK-E
Core i5-1235U プロセッサーを搭載、13万円台から購入できる「MousePro L5-I5U01BK-B

 コロナ禍以降、働き方が大きく変革し、働き方にも機動性や多様性が求められるようになった。同時に、優れたセキュリティ性も重要となっているが、そのいずれの要素も高いレベルで実現できる基盤こそワイヤレスWANであり、今回実際にワイヤレスWAN搭載PCを試用して、あらためてその認識を強くした。

 Windows 10のサポート終了を目前に控え、PCのリプレースを急ぐ企業も多いと思う。コストを優先するなら「MousePro L5-I5U01BK-B」を、最新技術を優先するなら「MousePro G4-I7U01BK-E」といった具合に、マウスコンピューターのワイヤレスWAN搭載モデルは選択肢が広い。「ワイヤレスWAN搭載」を前提に、PCの買い替えを検討してみるのもいいだろう。

法人向けの問い合わせ窓口もアリ

MouseProは、法人向け窓口からも購入可能。相談フォームが用意されているほか、電話やFAXも用意されている。

 なお、同社のPCは、普通にWebサイトで購入するイメージが強いが、ビジネス向けの製品については、通常のWebサイトに加え、法人向けの問い合わせ窓口も用意されている。

 Webフォームによる相談受付のほか、電話やFAXの窓口も用意されており、公費払いの相談も可能。これら法人向け窓口の詳細は、同社サイトに詳しく掲載されているので、法人での購入についてはそちらを参考にするのもいいだろう。