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「フロアに設置できるサーバーを作り続けること」。マウスコンピューターが小さなサーバー「MousePro RVシリーズ」を作り続ける理由
- 提供:
- 株式会社マウスコンピューター
2025年9月19日 06:00
マウスコンピューターが小型のサーバー市場で存在感を高めている。注目されているのは、小規模環境に求められるニーズと正面から向き合い、ブレずに「小型」「短納期」「電話サポート」などの特徴を持つサーバーを市場に提供し続けてきた実績だ。中小企業はもちろんのこと、医療機関、ホテル、士業オフィス、フリーランスの家庭などで、高く評価されている理由に迫った。
クラウド時代でも必要とされるフロアサーバーとは
クラウドサービスの登場によって、組織のITシステムは大きく変わった。かつてオフィスのフロアやサーバールームに設置されていたファイルサーバーやアプリケーションサーバーは、クラウドサービスに取って代わられ、かつてサーバーが占有していた場所がモダンな作業スペースへと模様替えされるケースも珍しくなっている。
しかし、全ての組織のフロアからサーバーが消えたのかというと、そうではない。機密性の高いデータは依然として社内で扱いたいというニーズが高いうえ、快適なアクセスのために日常的に使うファイルサーバーをフロア内に設置したいというケースも多い。
マウスコンピューターが提供しているサーバー「MousePro RVシリーズ」は、こうしたフロアへの設置を強く意識した製品だ。
株式会社マウスコンピューターの林田奈美氏(開発購買本部 製品部 エキスパート。以下、林田氏)は、同社が提供しているMousePro RVシリーズの特徴として、次の3点を挙げた。
特徴その1「コンパクトな設計」
「MousePro RVシリーズは、サイズがコンパクトで、どこにでも設置しやすいことが特徴となっています。デスクトップPCのようなデザインで、210×283×240mm(幅×奥行き×高さ)と省スペース設計になっています。小さなオフィスなどでも、無理なく設置できるのが特徴です(林田氏)」という。
オフィスからサーバー用の設置場所が消えつつある中、フロア内に設置場所を確保しやすいというのは、現代のオフィス環境に合った製品と言えるだろう。
実機を見ると、そのコンパクトさを実感できる。いわゆるタワー型やラックマウントのサーバーと比べると設置面積が狭くて済むため、ちょっとした隙間スペースに設置できる印象だ。デスクや棚の端などに設置しても気にならないだろう。
また、動作音も静かで、稼働時はファンの音がかすかに聞こえる程度で、アクセスが発生してもHDDの動作音も気にならない。複数の人が常時作業しているオフィスなら、数m離れればまったく気にならないだろう。
特徴その2「高い信頼性」
もちろん、小型だからといってサーバーとしての信頼性に問題はなさそうだ。
林田氏によると、「本製品の前面には4つのホットスワップベイが搭載されています。このため、万が一の障害の場合などでもサーバーの電源を切ることなく、HDDを交換することができます。また、ハードウェアRAIDに対応し、RAID 0/1/5/10のモードで利用可能です。また、LANも標準で1Gbps×2のデュアルLANで冗長性を確保できます」という。
同サイズのNASの場合、製品によってはホットスワップ非対応で電源停止が必須だったり、RAIDがソフトウェア方式でCPU負荷が高くなったり、リビルドに時間がかかったりするケースがある。コンパクトな設計であっても、こうしたサーバーとしての機能に手を抜いていない点は高く評価したいところだ。
また、今回検証したモデルにはいわゆるBMC(Baseboard Management Controller)として、「ASMB11-iKVM」が搭載されており、背面左側のLANポート経由でアクセスすることで、ブラウザーからサーバーの各種管理(温度やシステム情報、ログ、リモート制御、電源制御など)が可能になっている。
これにより、物理的にモニターやキーボードを接続しなくてもネットワーク経由でWindows Server 2025の管理が可能で、ネットワーク構成次第では遠隔地のサーバーも管理できるようになっている。
特徴その3「BTOによる多彩なカスタマイズ」
最後の特徴は、マウスコンピューターらしいBTOへの対応だ。「現在販売しているMousePro RVシリーズでは、Pentium Gold、Xeon E-2436、Xeon E-2414の3種類のCPUを搭載したモデルを用意し、さまざまなニーズに対応できるようにしています。また、それぞれの製品で、メモリやHDD構成をカスタマイズ可能になっています。NVMeのSSDもマザーボード上に装着可能となっています」とのことだ。
ファイルサーバーなら19万円台から買えるPentium Gold搭載の「RV-I1S01」、アプリケーションサーバーとしても使うなら29万円台から買えるXeon E-2414搭載の「RV-X3S01」、仮想化まで想定するなら42万円台から買えるXeon E-2436搭載の「RV-X5S01」を選ぶといいだろう。もちろん、それぞれで、OSなし、Windows Server 2025 Essentials、Windows Server 2025 Standardを選択可能だ。
ファイルサーバーなら26万円台から買えるPentium Gold搭載の「RV-I1S01(Windows Server 2025 Essentials搭載)」、アプリケーションサーバーとしても使うなら29万円台から買えるXeon E-2414搭載の「RV-X3S01(Windows Server 2025 Essentials搭載)」、仮想化まで想定するなら42万円台から買えるXeon E-2436搭載の「RV-X5S01(Windows Server 2025 Standard搭載)」を選ぶといいだろう。
また、OS無しモデルとしてPentium Gold搭載の「RV-I1S01」も24万円台からラインアップしており、Windows以外のOSで使用したい場合に選ぶことができる。
なお、林田氏によると、「現行モデルは、従来製品からCPUやチップセットの世代が新しくなっているほか、メモリもDDR5(ECC付)に変更されています。メモリに関しては、一部8GBモデルもありますが、基本的に16GBが標準搭載されています」という。
現代のサーバーは、仮想化によって複数のサーバーを稼働させるケースも多いため、メモリ容量が多いのはシンプルにありがたい。
Windows Server 2025搭載のメリットも大きい
最新のWindows Server 2025が搭載されているメリットも大きい。
Windows Server 2025にはたくさんの新機能が搭載されているが、例えばNVMe SSDの最適化により、BTOオプションでNVMe SSDを追加購入すると従来OSよりもパフォーマンスの向上が期待できる。
また、NVMe SSDにOSがインストールされ、データはHDDに保管するため、万が一NVMe SSDに不調が出た場合でもHDDのデータは保持される。
加えて、中小規模の環境ではサーバーの更新管理に苦労するケースがある。更新によって定期的にサーバーを再起動しなければならないとなると、その負担も大きいし、業務アプリの再起動処理によるリスクもある。
マウスコンピューターで使い方がサポートされているわけではないが、Windows Server 2025は、Azure Arcとの組み合わせによって再起動不要で更新プログラムを適用できるホットパッチに対応している。年4回のベースライン更新では再起動が必須となるが、これ以外の年8回のホットパッチは再起動しなくて済む。管理者の負担を減らす大きなメリットと言えるだろう。
管理の負担という意味では、Windows Server 2025がWindows 11と同じデスクトップエクスペリエンスでの管理を実装している点も大きい。普段、PCで慣れた同じ画面操作でOSを扱えるため、専任のIT担当者がいない環境でも扱いやすいだろう。
このほか、新機能のSMB over QUICを利用して、外出先からファイルサーバーを安全に利用することもできる。リモートワーク向けのサーバーとしても活用できるだろう。
なお、林田氏によると、「小規模な環境で、CAL(接続するクライアントPC向けのライセンス)が不要なWindows Server 2025 Essentialsを選択できるのも本製品のメリットです」ということだ。小規模な環境では、ライセンス費用が追加されることなくサーバーを利用可能だ。
もちろん、OSなしモデルを選んで、Linuxなどをインストールすることもできる(Linuxでの動作は同社のサポート外になってしまうが)。ハードウェアやOSを自社のニーズに合わせて選択できるのは魅力だ。
中身は進化してもコンパクトさを維持
このように、新世代のハードウェアを搭載するMousePro RVシリーズだが、ハードウェアが進化しても、前述した「コンパクト」なサイズが犠牲になっていない点がすばらしい。
この点について、林田氏は次のように語った。「本製品は、『設置しやすい』という点がお客様から高く評価されている製品です。このため、ハードウェアとして進化していく中でも、コンパクトさが犠牲にならないように配慮しています。サイズが変わらないというのは、弊社サーバーを繰り返し選んでいただく、大きな理由になっていると認識していますので、この部分を大切に製品として進化させることを心がけています」。
ハードウェアは高性能化にともなって大型化していくケースも珍しくないが、MousePro RVシリーズは、コンパクトであることが第一に考えられる。顧客が求めている価値の本質をしっかりと理解したうえで、実直に製品を進化させているわけだ。
最短8営業日の短納期
このようなマウスコンピューターが、サーバー市場で高く評価されている理由として、もうひとつ忘れてはならないのが納期の短さだ。
「タイミングによって変化する場合もありますが、MousePro RVシリーズは最短で8営業日での納品が可能となっています。オンラインで手軽に購入していただけるので、欲しいときに簡単に購入できます」と林田氏は語った。
組織の規模が大きければ、サーバーの導入や入れ替えは、事前に期間を検討して余裕を持った発注が可能だが、専任のIT部門やIT担当者がいない小規模な組織では、なかなか計画的な発注は難しい。業務の閑散期に合わせて短期間でサーバー導入や入れ替えを実施したり、医療機関や士業事務所、支店などで開業に合わせてタイムリーにサーバーを導入したりするケースもある。
全体的な導入期間を短縮できる、というのは地味ながら非常に意味のあるメリットと言えるだろう。
もちろん、大量導入にも対応できるそうで、林田氏によると「弊社の担当営業にご相談いただければ数十台規模のサーバーも、納期を確認しながらご用意することも可能です」という。
小規模な組織であっても、全国に支店を持つケースは少なくない。同社では、過去、大規模なホテルグループの各建物にサーバーを導入したケースもあるとのことなので、相談してみるといいだろう。
もちろん電話で、24時間365日サポート
気になるサポートも充実している。「MousePro RVシリーズは、1年間のピックアップ修理保証と、24時間365日の電話サポートを提供しています(林田氏)」という。
近年、サポートはチャットやAI対応へと変化しつつあるが、有人の電話サポートを提供している点は、中小の現場担当にとってはありがたい。しかも対応は24時間、365日なので、とっさのトラブルなどにも対応できる。
サーバー、という業務に欠かせない機器を導入することを考えると、こうしたサポートが充実している点は何よりも大きい。
もちろん、購入時のカスタマイズでサポート内容を変更することも可能だ。期間を3年や5年に変更したり、サポート内容をオンサイトに変更したり、SSD/HDD返却不要サービスを含めたりすることもできる。例えば、「[3年保証/PC本体]オンサイト修理保証+安心パックサービス(専用ダイヤル/即日修理)」を選択しても、税込2万2000円の追加となるため、費用もリーズナブルだ。
充実したサポートを低コストで利用できるのもマウスコンピューターのサーバーならではのメリットだろう。
さらに、実際に製品を使ってみて驚いたのが、丁寧な取扱説明書が付属している点だ。
サーバー製品で、こうしたガイドが同梱されるのは珍しいが、さすがコンシューマー向けでも実績のある同社だけに、電源の入れ方、サポートの受け方などが丁寧に解説されている(前述したBMCのガイドもプリインストールされたサーバーのデスクトップにPDFで用意されている)。
中小の現場では、必ずしも専任の担当者がサーバーを管理するとは限らない。遠隔地の支店などでは、設置や簡単な設定のみ現地の社員にお願いするというケースもある。そうした場合でも、困らないように配慮されている。こうした発想は、大規模なサーバーベンダーには見られない、マウスコンピューターならではの特徴と言えるだろう。
サーバー導入の候補として検討したい
以上、マウスコンピューターのサーバー「MousePro RVシリーズ」の特徴を紹介した。サーバーというと、ハードルが高い印象があるが、マウスコンピューターのPCと同じく、ユーザーのニーズをよくとらえた親しみやすい製品という印象だ。
コンパクトさや扱いやすさなど、中小企業のオフィス、店舗、個人事務所などで、フロアに設置するサーバーに求められる要素を備えている一方で、性能や信頼性はしっかりと高いレベルを実現している製品と言える。
なお、ファイルサーバーとして構成した際のパフォーマンスも以下の通り問題ない印象だ。ネットワークが1Gbpsなので、上限が110MB/s前後になるが、小規模な環境ならまったく問題のないレベルだ。
これからサーバーの導入を検討している場合はもちろんのこと、Windows 10のEoSに合わせてサーバーも同時に入れ替えを検討しているケースや、2027年にEoSを迎えるWindows Server 2016の入れ替えを検討しているケースなどにもおすすめの製品と言えるだろう。
マウスコンピューターでは、購入前から相談できる法人向け問い合わせフォームなども用意しているので、まずは相談してみるとよいだろう。