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HDDは自社で全数検査!! ストレージ専業メーカー・ニューテックの厳しい検品体制と、それに応えるSeagateが実現する信頼性

 株式会社ニューテックは、1982年創業の国産ストレージ専業メーカーだ。企業向けの外部ストレージ装置や、NAS、バックアップシステムなどの開発、製造、販売から保守サポートまでを手掛け、評価、検査、製造、加工まで一貫して対応している。

 長年にわたり官公庁、放送、医療、研究機関など、高い安定性と継続運用が求められる分野を支えてきた。そのため、同社の最大の特色は、「信頼性」を重視した製品設計とサポート体制にある。24時間365日の安定稼働を前提に、冗長化構成や障害時の迅速な復旧を重視したシステムを提供しており、データ消失や停止が許されない現場で高い評価を得ている。

 話としては基本中の基本になるが、ストレージ製品メーカーが、データを保存するハードディスクそのものまで開発・製造しているとは限らない。ニューテックもそうで、ハードディスクをどのように選択し、採用するか、そして、ハードディスクメーカーがどこまでその要求に応えられるかが、最終的なストレージ製品の性能や信頼性を決定する。

 同社の主力ラインアップであるラックマウントNASの「Cloudy6」「CloudyV」、エントリーモデルのラックマウントNASの「SmartNAS1000」、高性能小型NASの「Ness4300」「Ness1000」では、同社の厳しい要求に応えるハードディスクとして、Seagate(シーゲイト)の製品が採用されている。

 そこで今回は、ニューテックの執行役員 開発部長 兼 品質保証部長の小野泰史氏と、日本シーゲイト株式会社の技術本部 本部長の横山智弘氏のお二人に、ニューテック製品の特徴や製品のポリシー、それに応えるSeagateの取り組みについて話を聞いた。

アカデミックや医療で安定してデータを保持するニューテックのストレージ製品

――ニューテックのストレージ製品の主な市場について教えてください。

[小野氏]現在、サーバー用のNASやブロックストレージ、監視映像レコーダー、GPU/AIソリューションなど、データを活用するための幅広い製品群を提供しています。

株式会社ニューテック 執行役員 開発部長 兼 品質保証部長 小野泰史氏

――幅広いラインアップの中で、特に注力されている分野というと、どういったところになりますか?

[小野氏]特定用途では、アカデミックの研究機関、監視映像、大容量ファイルサーバー、HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)やAIの用途で長年の導入実績があり、最近では医療系も増えています。これらの分野は特に、長期間安定してデータを保持する必要があるので、そうした点で力を入れています。

――さまざまな分野でAIの活用が広がる中で、ハードディスクに求められることも変化しているのでしょうか?

[横山氏]保存されるデータというと、以前はテキスト中心でしたが、画像や動画なども増えて、飛躍的にストレージの容量が上がっていると感じます。

 加えて、保存用のストレージというとこれまでは利益を生まないコストというイメージでしたが、AIで活用されるようになったことで、これからはデータそのものが資産になるとSeagateでは考えています。そのような中でSeagateでは、新しいHAMR(熱を利用して記録密度を高める技術)技術を採用した大容量32TBのExosハードディスクを先行してニューテックさんに評価していただき、ニューテックさんの製品に搭載されることとなりました。

日本シーゲイト株式会社 技術本部 本部長 横山智弘氏

――アカデミックや医療などの分野でも、ストレージへのニーズに変化があるでしょうか。

[小野氏]アカデミックや医療の分野では、これまでもかなりの量のデータがありましたが、生成されるデータ量が急速に増えていて、それを保持しなければならなくなっています。

 物理学においては、気象で台風の進路予測のように自然現象をスーパーコンピューターを駆使して解析するような分野で、以前からわれわれのストレージが使われています。そこで出力されるデータが年々増加しています。たとえば旧帝国大学や国立研究開発法人で、1つの研究室のデータでも1PB(ペタバイト)を軽く超えるんですね。そこに、Seagateさんの大容量ストレージシステム「Exos CORVAULT」を大量に導入した事例もあります。

 医療においては、たとえば手術の現場で細かい画像を撮って学生への教育に使ったり、CTスキャンや手術の画像をAIで解析してがん化する腫瘍を判断したりといったことが行われています。

 監視カメラの分野もデータが非常に増えています。街中や建物に監視カメラが設置され、解像度が高くなることによって、指数関数的にデータも増えています。

 横山さんがおっしゃったように、今までデータはあくまでもコストでしたが、それがアカデミックでも医療でも監視でも資産になりつつあります。今まで一方的に溜めていたデータを、これから資産としていかに有効活用するかが今後の大きな課題だと考えています。

納入されたハードディスクはすべて厳しく検査

――アカデミックや医療など信頼性が求められる分野でニューテックが選ばれる理由について教えてください。

[小野氏]QCD(品質、コスト、納期)は当然として、売った後のサポート対応を含めてお客様に寄り添うというスタンスで販売を続けてきています。その点が評価されているのではないかと思います。

[横山氏]品質の信頼性への評価も高いですよね。

[小野氏]ニューテックでは、入ってきたすべての部品について受入検査を行っています。ハードディスクについても、何日間もかけてスクリーニング試験(ふるい分け)を行って、合格した物のみを製品に使います。製品を組み上げた後も、エージング試験(連続運転試験)を行って問題ないことを確認して出荷するという体制で、品質にはかなり力を入れています。

――受入検査では、どのような検査をするのでしょうか?

[小野氏]細かい部分は社外秘ですが、ニューテックはハードディスク専用のテスター(検査装置)を持っていて、ハードディスクはすべて検査にかけています。読み書き試験や、パフォーマンスの低下がないか、レスポンスタイムが遅くないかなど、最終的にドライブの内部ログを確認して問題ないことを確認するところまでやって出荷しています。

納品されたハードディスクは専用のテスターで全数検査した上で出荷をしているという

 各社ハードディスクは、スクリーニング試験では不合格品も一定数はありましたが、そうしたことをSeagateさんにもフィードバックし、積極的にSeagateさんにさまざまな改善処置をしていただいたことで、現在では合格率も大きく向上しています。

[横山氏]もちろん、Seagateでも工場から出荷するときに時間をかけてテストしていて、品質に問題があるというわけではないのですが、ニューテックさんの基準が厳しい事は認識しております。

 驚いたのは、サーバーストレージの会社はいくつかある中で、大手企業に匹敵するレベルでテスト設備に投資をされていることです。ゼロディフェクト(不良品ゼロ)を目指すうえで、すばらしいと思います。その中で、Seagateの製品を採用していただいている。

ニューテックの品質管理に対する投資が巨大企業なみにスゴいと語る横山氏(写真右)

――Seagateのハードディスクはいつごろから採用されているのでしょうか?

[小野氏]10年ほど前だったと思います。その頃はSeagate製品を使っていなかったのですが、Seagateさんが訪問されて、品質も値段も折り合いがついて、いっしょにやっていきましょうということになりました。

 そのときには、当社のスタンスが厳しく感じられたのか、少し驚かれた様子もありましたが(苦笑)、そこからSeagateさんにも力強くサポートしていただきました。営業ご担当だけでなく技術ご担当まで、根気強く問題の調査に付き合っていただいたところは特に満足しています。また、製品導入時だけでなく、製品化後のトラブル対応に関しても、信頼しております。

[横山氏]われわれの本当のお客様は、ニューテックさんのその先にいるエンドユーザーの方々ですからね。そこへニューテックさんとともに対応していくことで、Win-Winになると考えています。

 ニューテックさんの特徴として、メイド・イン・ジャパンという点もありますね。

[小野氏]はい。われわれは日本で最終組み立てを行い最終検査をして出荷するのであって、入ってきたものを右から左に流すわけではないというのが基本的な姿勢です。そのことも、品質に対してのコミットとしてお客様にアピールしているポイントです。

先進的な製品を先行して提供して評価や開発

――改めて、今後Seagateに期待することを教えてください。

[小野氏]ニューテックではハードディスク各社と取引しています。その中でSeagateさんはいま技術で先行していますね。HAMRによる大容量化についても先行していて、その先進的な製品群をニューテックにまず提供していただき、いっしょに評価や開発に取り組んでいただけるというのが、われわれにとってのメリットです。

[横山氏]大容量化の技術はこれからも開発を進めていきたいと思っています。ハードディスクは、スピンドルあたりの消費電力は変わらないので、大容量になるほど電力効率が良くなります。この点もSeagateでもセールスポイントの1つとして、32TBから、次は40TBや50TBといったものも市場に届けていきたいと思います。

[小野氏]ニューテックとしても、大容量を求めるお客様がいますし、スペースや処理などでより効果的だと考えて、製品として提供していきたいと考えています。

 また、さきほど話したエピソードのようにサポートも強力で、献身的に対応していただけるのも評価の高いところです。

[横山氏]ハードディスクの技術は移り変わりますが、変わらないのがサポートだと思っています。ニューテックさんのニーズに応えるべく継続的にサポートし、安定した品質の製品を届けていきたいと思います。

供給網を途絶えさせないために複数のHDDメーカーと付き合いがあるニューテックだが、Seagateは技術面で一歩抜きに出ていると語る小野氏(写真左)

――ニューテックさんのNAS製品では、小型NASでも、SeagateのコンシューマーNAS向けのIronWolfではなく、エンタープライズ向けのExosを採用していますね。

[横山氏]コンシューマー向けかエンタープライズ向けかによって、作り方も変わってきます。Exosハードディスクはエンタープライズ向けでより高品質な製品です。

Seagateのエンタープライズ向けのHDD「Exos」

[小野氏]ニューテックの製品でも、たとえばNess1000シリーズのような、NASとしては中規模向けな製品でも、あえてエンタープライズレベルのExosハードディスクを載せることで、高品質なので安心してください、という売り方をしています。

[横山氏]容量と機能だけ考えればコンシューマー向けのNAS製品のほうが安価ですが、品質や、何かあったときのサポートまで考えるとニューテック、というお客様に選んでいただいている。そこにExosがはまると考えています。

中規模向けの製品にもエンタープライズ向けのHDD「Exos」を採用することで、信頼性を求めるお客様のニーズに応えられると小野氏

――ちなみに、たとえばCloudyシリーズでSeagateのハードディスクはどのぐらいの個体で使われているのでしょうか。

[小野氏]全部がSeagateというわけではありません。現実には供給の問題がありますので、買えるところから買わなくてはならない。その中で、Seagateさんのハードディスクについては先ほどもお話ししたように技術やサポートで納得して購入させていただいておりますが、他社さんにも他社さんのいい面があります。

[横山氏]ニューテックさんが製品を販売し、その先のお客様がニューテックさんを信頼して購入されているという実績があってのことです。それを失わないよう、今後も要求に応えていきたいと思います。

――ありがとうございました。

ニューテックの品質のこだわりと、そこに応えるSeagate

 横山氏はインタビューの後、日本ならではの品質のこだわりについて語った。

 「弊社は、アメリカの会社であり、開発部門もアメリカです。ハードディスクは、多数の部品からなる精密部品で構成されており、さまざまな構成部品を、日本の会社が支えております。日本人の品質へのこだわりがマッチしていると思っています。ニューテックさんをはじめとする日本のお客様と弊社技術者同士で話し合い、品質や性能にフィードバックされていく。Seagateが生き残ってきたのも、そうした日本の会社のDNAを積極的に導入してきたことがあると思っています」

こうした日本企業の品質へのこだわりと、そこに応えてきたことが今のSeagateに繋がると語る横山氏

 厳しい品質管理で信頼を得ているニューテックのストレージ製品と、その要求に応えるSeagate。AI時代でますます大容量化と重要性が増すデータが、こうして守られていく。

ニューテック製品に関する問い合わせ

Seagateの32TB Exosを搭載したニューテック ラックマウントNAS Cloudy製品のお問い合わせ先

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