急遽テレワーク導入!の顛末記【特別編】
「PDF編集ソフトを入れたら、書類仕事の効率が大幅アップした!」――急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記【PDF-XChange特別編】
書類の修正指示やクライアント納品時などに使える機能が充実
- 提供:
- 株式会社ジャングル
2022年10月24日 07:00
テレワークが始まってから、社内で書類などを回覧するときにプリンターを使わなくなった。今ではあらゆる書類をPDF形式で作成して、それをメールやVPN経由でやり取りしている。
……この記事を書いている時点で、東京都でまん延防止等重点措置が解除されてから214日が過ぎた。
私が勤めている新宿にある中小企業では現在、各スタッフが可能な範囲でリモートによる業務を行っている。その中で、課題を感じているのがPDFの閲覧や校正だ。
うちの会社では、「PowerPointなどで資料を作成し、それをPDFにしてクライアントに送る」といったことをしているが、その過程でPDFにコメントをつけて調整したりすることも多い。
そこで今回は、PDFの閲覧や校正をもっと手軽に行うため、Jungleが提供しているソフト「PDF-XChange Editor」を導入してみた。
10月17日(月):見落としがちな「PDFのコメント」を、しっかり確認したい!
ほぼすべての同僚がテレワークに慣れたことで、今では企画書や資料をPDFファイルでやり取りするのも当たり前になった。プロジェクトリーダーをしている時などは、クライアント提案前の資料や企画書などをチェックすることも多いが、そこで問題になるのがファイルに修正などの指示をする方法だ。
うちの会社ではPDFファイルの閲覧について、多くの社員が「Adobe Acrobat Reader」を使っている。このソフトの「ノート注釈」機能を使った場合、ページ上には付箋型のアイコンが表示され、これをマウスオーバーすることで注釈(コメント)が表示されるのだが……。これまでPDFでファイルをやり取りしてきた経験からすると、このアイコンがどうにも見落とされてしまいがちなのだ。
このことから私が長年愛用してきたのが、「PDF-XChange Viewer」というPDFビューワーだ。最近ではその後継版となる「PDF-XChange Editor」を利用しているが、このソフトは注釈に利用する「付箋」機能が優秀で、ページ上にアイコンだけでなくコメントも常に、そしてコンパクトに表示してくれる。
もちろん、この体裁でコメントを表示するには、相手も「PDF-XChange Editor」を使っている必要があるのだが……。このソフトを布教した同僚からは「コメントが常に表示されている方が見落とさないし、何より読みやすい」と好評で、おかげで彼らとのファイルの受け渡しでは、修正指示などがスムーズに行えるようになった。
さらに、「Adobe Acrobat Reader」と同じように、「矩形」(四角形)や「吹き出し」などのツールを使えば、相手が「PDF-XChange Editor」を使っていなくても、ページ上にコメントを常に表示させることができる。“修正箇所を四角形で囲み、吹き出しを使って文字を記入する”というように2つのツールを組み合わせる必要があるが、「付箋」を使うよりコメントの入力スペースがコンパクトになるので、複数の細かい指示をページ内に書き入れる時には便利な機能だ。
ちなみに、このコメントは場所を自由に移動できるし、非表示にすることも可能。「付箋」や「吹き出し」に入力した文字のフォントサイズは自由に調整できるので、よりコンパクトに表示させることもできる。そのフォントサイズの設定はデフォルトのフォーマットとして保存できるので、次回以降はいちいちフォントサイズを変更する必要もない。
さらに、「コメントリスト」機能を使えば、そのファイルに追記されたコメント――「Adobe Acrobat Reader」で追記した「ノート注釈」も含めて一覧表示し、それを順番に確認できる。こうしたPDFビューワーとしての基本機能をきちんと押さえているのが「PDF-XChange Editor」の良いところで、おかげで書類をチェックする側としても、コメントを見落とすことが無くなった。
10月18日(火):ペンを使って手書きでコメントしてみた
今日も同僚からクライアント提出用の企画書が届いたので、内容をチェックした上で、修正指示を出すことに。
いつものように付箋機能を使おうとして……、ふと思いついた。これってペンを使えば、もっと直感的にコメントを書き加えられるのではないだろうか?
「PDF-XChange Editor」には手書き入力用の「鉛筆」ツールが用意されている。ちょうど編集部から借りていたマウスコンピューターのペン付きのWindows タブレット「mouse E10」が手元にあったので、さっそくファイルを開いてみたのだが、これが思った以上に使いやすかった。表示を拡大すれば細かい文字も書き込めるし、入力したコメントは「矩形」(四角形)や「吹き出し」を使った時のように、ページ上に表示され続ける。“印刷した書類に赤ペンで指示”に慣れている人にとって、PDFファイルにコメントを記載するなら、これが一番使いやすいのではないだろうか?
さらに、ファイルには社内確認用の「予算案」を記載したページがあったので、これをクライアント提出前にページごと削除することに。こんな時に便利なのが、サイドバーの「サムネイル」だ。
このサムネイルは右クリックしてページを削除したり、ドラッグ&ドロップ操作でページを入れ替えたりすることが可能。なにかと使う機会が多いので、筆者の環境ではいつも画面の左側に、このサイドバーが表示されている。
10月19日(水):PDF送付時の3つの便利機能!「PDFの最適化」「全コメント削除」「パスワード設定」で快適&安全な受け渡しを
企画書の修正が一通り終わったので、いよいよクライアントに提出することに。
ここで必ずやっておきたいのが、ページに追記したコメントを削除すること。そして、メールで送れるファイル容量になるまで、掲載している画像の解像度を下げることだ。
このうち、コメントの削除については、「全ての表示コメントを削除」というそのものズバリな機能があるので、これを実行するだけでよい。
一方、画像の解像度調整については、「PDFの最適化」(最適化して保存)という機能が便利だ。ここでカラー画像のdpiを下げて、ファイルを保存し直せばOK。手持ちのファイルでいくつか試してみたが、100dpiまで圧縮した場合、数MBあったファイルの容量をどれも1MB程度まで抑えることができた。あまりファイル容量が大きいと、オンラインストレージなどを使う必要も出てくるので、画像の解像度を下げた方がファイルをやり取りが捗るだろう。
なお、「PDFの最適化」画面には「全てのコメント(リンクを含む)、フォーム、マルチメディアを削除」という項目があり、このチェックをオンにすることで、コメントを削除したファイルを作ることもできる。元データのコメントをそのまま残しておきたい場合には、この機能を使って別ファイルとして保存するとよいだろう。
最後にセキュリティのためのパスワードを設定したら、ファイルの送信準備は完了。「PDF-XChange Editor」ではファイルを開くときだけでなく、編集や印刷といったファイルの管理権限そのものにもパスワードがかけられるので、相手や書類の内容に合わせて使い分けたい。
10月20日(木):PDFを直接編集できるのはやっぱり便利!同僚作成のPDFを急いで修正!
昨日、提出した企画書について、さっそくクライアントから返答があった。いくつか調整すべき個所が出てきたので、さっそく手直ししたいと思うのだが、提出したPDFの企画書は、同僚が作ったPowerPointを元にしたもの。その同僚は今日は終日外出なので、元のPowerPointファイルを取り寄せてこちらで修正するのも難しい。
こんな時には、「PDF-XChange Editor」の「編集」機能が役に立つ。さっそく機能を有効にすると、ページ内のテキストや画像をクリックして選択できるようになった。あとは、文字を修正したり、フォントサイズを下げたり、位置を移動したりと、ファイルを思うままに編集できる。
なお、コメントを記入する時にも利用したが、右ペインで「テキスト プロパティ」を表示しておくと、選択している文字の色やサイズ、太字などの装飾の状況が一覧表示される。この表示をクリックして文字色などを変更できるので、“修正箇所を赤字で表示したい”時などに便利だ。
PDFを編集できたおかげで、クライアントの修正依頼に素早く応えることができた。いちいち元になったPowerPointを修正して、PDFファイルとして保存し直さずに済むので、細かい調整はPDFファイル上で行った方が快適かもしれない。
10月21日(金):なんと「利用者数無制限」なライセンスまで……ライセンス数はニーズに合わせてさまざま
日頃使っている「PDF-XChange Editor」の機能を1週間かけて振り返ってみたが、やはり多機能なだけあって、その使い勝手は「Adobe Acrobat Reader」を上回っていた。今回、紹介したもの以外にも、スタンプやOCR(別途日本語パッケージなどのインストールが必要)といった機能が用意されており、これらを使いこなせばPDFファイルでの作業がさらに捗ることだろう。
なお、今回紹介した機能の中には、利用には有料ライセンスが必要なものがある。PDFファイルは業務で使うことが多いので、セキュリティを考えると、サポートやアップデートが充実した有料ライセンス版を利用する方が良いだろう。無料トライアル版でもページ内にウォーターマークが表示されるだけで、機能自体は利用できるので、その使い勝手をぜひ一度試してみてはいかがだろうか?
ちなみに、「PDF-XChange Editor」のライセンスは、ユーザー数ごとにかなり細かく種別が用意されており、「Corp Company Pack ライセンス」というユーザー数が無制限のライセンスも用意されていた。中小企業ではちょっと手が出ないので、「これはお得だ!」と思えるような大企業の方には、ぜひ問い合わせてみてもらいたい。
テレワークの普及もあって、日々の業務の中で当たり前のようにPDFファイルが利用されるようになった。その業務をより快適にこなすためにも、自分にとって一番使いやすいリーダー/エディタソフトを見つけておきたい。