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X(旧Twitter)、紛争解決のための裁判所として自社管轄外エリアをわざわざ指定。その真意は?

 X(旧Twitter)が利用規約を変更し、管轄の裁判所をテキサス州の限られたエリアへと移管したことが波紋を呼んでいる。

 一般的に、企業を相手取った紛争が発生した場合の管轄となる裁判所は、その企業の本社所在地であると、利用規約で定められていることが多い。しかし今回、Xが利用規約の変更によって新たに指定したのは、テキサス州北部地区連邦地方裁判所またはテキサス州タラント郡にある州裁判所。Xは最近になって本社をサンフランシスコからテキサスに移転しており、一見すると矛盾はないように見えるが、Xが移転したのはテキサス州のバストロップであり、ここの管轄はテキサス州西部地区にあたるため、わざわざ管轄外のエリアを指定したことになる。

 実はこの北部地区の裁判所はすでに複数のXの訴訟に関わっているが、ロイター通信によると、政治訴訟で保守派の原告に勝訴判決を下すことが多い裁判所であり、テスラの株式を保有していたとされる判事が在籍しているという。イーロン・マスク氏が、自身にとって有利な判決を下す可能性のある保守派裁判所に訴訟を持ち込もうとしているのではないか、というわけだ。X絡みの訴訟が起こった場合、必ずこの判事が担当するわけではないようだが、今後なんらかの訴訟が起こされたタイミングで、この管轄エリアの側面が、裁判の内容そのものを上回る注目を集めることになるかもしれない。