ニフティは30日、「Winny」などのファイル交換ソフトによるトラフィックを制限する措置をとることを明らかにした。ファイル交換ソフトの過度な利用によって帯域を占有している接続会員に対して、通信帯域を絞り込む機器を導入する。すでに2005年12月から首都圏で先行して開始しており、具体的な時期は示していないが、今後は全国に拡大する。
ニフティではこれまでも、利用規約に則り、迷惑メール対策の一環としてバルクメールの流量を制限するなどの措置をとってきた。今回のファイル交換ソフトに対するトラフィック制限もその流れをくむものだという。ニフティでは「会員の方にネットワークを快適に使っていただくために、阻害要因があれば取り除くのがISPの義務だ」と説明。ただし、ファイル交換ソフトによるトラフィックを完全に遮断するわけではないとしている。
ファイル交換ソフトによるネットワーク帯域の消費は、かねてより通信事業者の懸念材料として指摘されている。そんな中、大手ISPではぷららが2003年11月、Winnyや「WinMX」などファイル交換ソフトのトラフィック制限を開始。その後もいくつかのISPが同様の制限を発表している。また、特にファイル交換ソフトとは明示していないものの、転送量や帯域の制限について利用規約に盛り込んでいるところもある。
さらに今年に入ってWinnyネットワーク上への情報流出事故が社会問題化するに至って、ぷららではWinnyによる通信を完全規制し、ISP他社とのWinnyによる通信も含めて遮断する方針を示している。
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ニフティ
http://www.nifty.com/
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( 永沢 茂 )
2006/03/30 20:13
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