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「中国インターネット発展状況統計報告」を読む(前編)

インターネット人口は9,400万人に、北京と上海では4人に1人

 中国ネットワークインフォメーションセンター(CNNIC)が「第15回中国インターネット発展状況統計報告」をとりまとめた。今回から2回にわたり、その内容をもとに中国のインターネット事情を紹介する。


「中国インターネット発展状況統計報告」とは

 中国インターネット発展状況統計報告は1998年以降、毎年1月と7月の年2回発表されている。今回紹介する第15回は、2004年12月31日までに調査が行なわれたものだ。主にインターネット人口などの統計データをまとめた章と、インターネットに関するユーザーアンケートの結果をまとめた章から構成されている。調査対象地域は中国本土がメインだが、香港とマカオについても章を分けて紹介している。

 なお、中国は貧富の差が大きく、沿岸部と内陸部、都市と農村で生活環境も大きく異なる。インターネットの普及状況もかなり異なるものと思われるが、それ以前に農村部などでは電話が普及していない地域や、電気すら通っていない貧しい地域もある。このような事情に対応するため、調査では複数のアンケート方法が併行してとられている。

 まず、著名ポータルサイトや、「信息港」と呼ばれる各省・市(北京市、福建省など4市27省)の準政府クラスのポータルサイトでアンケートを行なった(有効回答数23,506件)。さらに、各省内の7地域(四川省と広東省のみ人口が多いため8地域)で電話アンケートを実施(回答数は各省1,600件)。また、全国の高校で学生寮に住んでいる学生もアンケートを行なった。データの信憑性について、貧富の差による「インターネットユーザーの絶対誤差は3%を超えることはない」としている。

■第15回中国インターネット発展状況統計報告(中文、PDF)
http://www.cnnic.com.cn/download/2005/2005011801.pdf

■第15回中国インターネット発展状況統計報告の概要(英文)
http://www.cnnic.com.cn/html/Dir/2005/01/21/2755.htm

中国でもブロードバンドが急成長中

 まず、インターネットに接続している端末は4,160万台に達し、前年同期比で34.7%増加した。内訳は、専用線で接続している端末が700万台(前期比7.4%増、前年同期比17.6%増)、ダイヤルアップ接続の端末数が2,140万台(前期比2.1%増、前年同期比10.0%増)、その他の方法(ADSLなど)で接続している端末数が1,320万台(前期比49.8%増、前年同期比140.4%増)となっている(表1)。

 ここ1年から1年半の間にダイヤルアップの増加が鈍化し、代わってISDNやADSLなどが大きく伸びた。「その他の方法」という項目を追加した第10回調査から常に前期比が3割以上の成長を記録している。

■表1 接続回線別インターネット端末数の推移(クリックで拡大)

 接続回線別のインターネットユーザー数は、専用線が3,050万人(前期比6.3%増、前年同期比14.7%増)、ダイアルアップが5,240万人(前期比1.6%増、前年同期比6.6%増)、ISDNが640万人(前期比6.7%増、前年同期比15.9%増)、ブロードバンドが4,280万人(前期比37.6%増、前年同期比146.0%増)だった(表2)。ここでも同様にブロードバンドの増加が目立つ。重複分を除くと、中国のインターネット人口は9,400万人に達した。

■表2 接続回線別インターネットユーザー数の推移(クリックで拡大)

 接続回線別の統計ではこのほか、中国(台湾、香港、マカオを含む)におけるIPv4/IPv6アドレスの企業への割り当て状況や海外とのバックボーン接続状況、ドメイン数などが報告されている。


北京や上海では4人に1人、チベットでは40人に1人〜普及率に大きな開き

 地域別に見ると、北京市と上海市においてインターネットユーザーが4人に1人という状況まで普及した。インターネット人口の多い地域は広東省で、同省の人口の14.9%にあたる1,188万人がインターネットを利用している。続いて青島がある山東省で848万人だった。

 逆に内陸の省は、インターネットユーザーが概ね20人に1人といった状況。最も貧しい省と言われる貴州省とチベット自治区では2.5%、つまり40人に1人しかインターネットを利用していないことがわかった。省別ドメイン取得数のデータもあるが、これもまたインターネット人口に比例している。沿岸部の省と内陸の省では、インターネットの普及率に大きな開きがある。


インターネットのメインユーザーは学生

■表3 インターネットユーザーの年齢分布(クリックで拡大)

 性別では、男性が60.6%、女性が39.4%という結果が出ている。第1回調査からユーザー数の増加こそあれ、この比率はそれほど変化していない。年齢分布では若者が圧倒的に多く、主に高校生・大学生(18〜24歳)の利用率が最も高い。逆に中高年ではユーザーが少ない(表3)。

 インターネットユーザーの月収は、500元(1元=13円換算で6,500円)以下が28.0%で最も多く、0〜1,000元(13,000円)まで合わせると半数以上を占めた(表4)。インターネットにかける毎月の費用については、100元(1,300円)以下とした人が全体の3分の2以上を占めた(表5)。職業別では学生(32.4%)が最も多く、2位の技術者(12.6%)を大きく引き離している。また、インターネットの利用場所については、自宅(67.9%)、職場(41.1%)、インターネットカフェ(24.5%)、学校(18.2%)の順となった(表6)。

■表4 インターネットユーザーの月収(クリックで拡大)
■表5 インターネットにかける月間費用(クリックで拡大)
■表6 インターネットの利用場所(クリックで拡大)

 さて、ここまで統計を見てわかるのは、中国におけるインターネットのメインユーザーは学生が多いということだ。中国では平均月収が沿岸部で2,000元(26,000円)、内陸部で1,000元(13,000円)と言われている。インターネットユーザーで最も多かった500元(6,500円)以下というのは、学生にほかならないだろう。現にコンシューマ向けサービスは、中国の滞在が長い筆者が思い浮かべても、チャットやオンラインゲーム、書き込めば書き込むほどポイントがたまるBBSなど若者向けのサービスが多く、逆に社会人向けのコンテンツやサービスは思い浮かばない。

 また、普及初期の段階にあるわりには女性のインターネットユーザーが意外に多いと思われたかもしれない。これはインターネットに限った話ではなく、例えばゲームセンターにも女性はたくさんいるし、女の子が自作PCを自分で組み立てて使っているなんていうことも珍しいことではない。パーツショップが並ぶ電脳街で若いカップルがパーツを選別するのもよくある光景だ。そんな背景がインターネットを“男女平等”に普及させたのかもしれない。

( 山谷剛史 )
2005/02/23

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