中島由弘の「いま知っておくべき5つのニュース」

ニュースキュレーション[2020/11/19~11/26]

民間発のデジタル通貨発行に向け、国内大手30社がフォーラム設立 ほか

eHrach/Shutterstock.com

1. コロナ禍を象徴する2020年のキーワード

 年末が近づくにつれ、各社がさまざまな観点から今年を総括している。

 楽天は「楽天市場 ヒット番付 2020」を発表した(@@link|https://news.mynavi.jp/article/20201125-1527958/|マイナビニュース)。「『楽天市場』の購買データを分析し、一年の消費動向や社会情勢を振り返り、その年のトレンドを象徴するキーワードを番付形式で発表する企画」だ。「横綱」に選出されたのは「応援消費」と「おうちで本格グルメ消費」だった。

 また、「Yahoo!検索大賞2020」は「前年と比べ検索数が最も急上昇した人物や作品、製品などを表彰する」ことを趣旨としていて、「流行語部門」で「Zoom」が選出されている(ITmedia)。いまやビデオ会議だけでなく、「Zoom飲み会」のような利用も定着しつつある。

 さらに、マイナビは女子中高生向けマーケティング情報サイト「マイナビティーンズラボ」で、「2020年の年間トレンドランキング」を発表している(ITmedia)。「流行ったモノ」ランキングは、1位「TikTok」、2位「Zoom」、3位「無観客ライブ」などが挙がっている。

 いずれにしても、このコロナ禍を象徴するワードが並んでいる。いまだ感染終息が見えないが、社会生活を維持するうえで、インターネットの存在が重要な基盤として活用されていたことをあらためて実感するランキングといえよう。

ニュースソース

  • 楽天、「楽天市場 ヒット番付 2020」を発表 コロナ消費を象徴する「応援消費」「おうちグルメ」が横綱に[マイナビニュース
  • 流行語部門賞に「Zoom」 コロナ禍で検索数が激増 Yahoo!検索大賞2020[ITmedia
  • 「Zoom」女子中高生にも流行る 学校の授業から“オンライン自習”まで[ITmedia

2. 民間発のデジタル通貨発行に向け、国内大手30社がフォーラム設立

 デジタル通貨勉強会(事務局:ディーカレット)は活動を発展させ、デジタル通貨フォーラムを設立することを発表した。民間発でデジタル通貨を発行するための共通基盤開発や実証実験を行うとしている。このデジタル通貨フォーラムには、三大メガバンクをはじめ、NTTグループ、野村HD、KDDI、電通といった大手企業ら30社が名前を連ねる。さらに、金融庁や総務省、財務省、経済産業省、そして日本銀行がオブザーバーとなる(日経XTECH)。

 このフォーラムの狙いは「乱立する決済サービスの基盤を統一し、利便性を高める」こととされ、「デジタル通貨は、参画企業の持つ現預金を裏付け資産として発行され、銀行口座と同様の役割を持つ専用のウォレットにて管理される」としている(INTERNET Watch)。

 一時期は各国の中央銀行はもとより、各社とも当初は及び腰だったデジタル通貨やその基盤技術となるブロックチェーンには懐疑的だったが、これらの技術への理解が進んだことや世界各国との協調をする動きなどから、この1年で急速に具体化しつつある。加えて、コロナ禍に端を発した社会のデジタル化が進んでいることもその要因といえるかもしれない。2021年以降もさらに動きが激しくなる分野になるとみられる。

ニュースソース

  • 民間デジタル通貨発行へフォーラム設立、JR東やメガバンクなど30社超が連携[日経XTECH
  • 三大メガバンク含む国内大手30社で民間発のデジタル通貨を発行へ、CBDCとの関係性は?[INTERNET Watch

3. ウィズコロナ時代の「マスク越し」コミュニケーションテクノロジー

 ウィズコロナ時代、もはやマスクの着用は身だしなみの1つになりつつある。これも感染拡大が終息するまではいたしかたない。しかし、マスクをしている相手の声が聞き取りにくいと感じ、コミュニケーションに支障が出たりすることはたびたび経験する。そのようななか、2つの新しいアイデアが発表されている。

 1つは韓国科学技術院(KAIST)の研究チームが開発した「MAScreen」だ(ITmedia)。記事によれば、「マスク着用時の顔の表情と唇の動きを読み取り、マスクの前面に装着したLEDディスプレイに表示するシステムだ。マイクで収録した音声をテキスト化し、他言語に翻訳して字幕表示することもできる」としている。

 もう1つはルイジアナ州立大学とドミニカン大学による米研究チームが開発した「Unmasked」だ(ITmedia)。こちらは「マスクを着用した状態で内側の口の動きをマスク前面のディスプレイに表示するシステム」とされている。

 いずれも、マスクという話者の顔の中心にある「情報の空白地帯」を活用したコミュニケーション支援技術といえる。国によっては国民がマスクを着用することに対するアレルギーもあるようだが、こうして洋の東西を問わずとも、さまざまなアイデアを出し合って、当面のコロナ禍を乗り越えていきたいものだ。

ニュースソース

  • マスクしてても口の動きが見える「Unmasked」[ITmedia
  • マスク装着時に話したテキストを翻訳、字幕表示 KAIST「MAScreen」開発[ITmedia

4. いよいよFlashの終焉――Internet Archiveはプラグインなしでも閲覧可能に

 既報のとおり、Adobe Flashの提供がこの年末で終了する。HTML5が普及したことやFlashのセキュリティ上のリスクがその理由である。Flashはウェブの黎明期から、ダイナミックなウェブ表現をするうえで利用されてきたポピュラーな技術で、これまでさまざまなウェブページで利用されてきた。そこで、過去のコンテンツをアーカイブしているInternet Archiveでは今後もFlashのコンテンツを閲覧できるようにするとしている(ITmedia)。記事によると「プログラミング言語Rustで作られたFlashのエミュレータ『Ruffle』を使うことで、Flashプラグインをインストールしなくても、WebAssembyが動作するWebブラウザさえあれば動作するとしている。ChromeやFirefox、Safariといった主要なブラウザで動作する」としている。

 過去のコンテンツを保存することはインターネットの歴史を保存するという意味だけでなく、HTMLでしか記録されていないような情報を保存する意味でも重要なことだ。Flashだけでなく、記録媒体、データ形式でも同じことがいえるだろう。技術の移り変わりによって閲覧できなくならないようにすることは今後も引き続き重要な活動である。

ニュースソース

  • Internet Archive、Flashコンテンツをアーカイブ プラグインなしで21年以降も閲覧可能に[ITmedia

5. Slackをsalesforce.comが170億ドルで買収か?

 米セールスフォース社は企業向けコラボレーションツールのSlackを運営する米スラックテクノロジーズ社を買収する交渉中だと報じられている(ITmedia)。スラック社の時価総額は170億ドル(約1兆7600億円)、成立すれば巨額の買収となる。いまだ正式発表ではないことから、今後の続報を待ちたい。

ニュースソース

  • Slack、salesforce.comが170億ドルで買収か──Wall Street Jourlal報道[ITmedia
  • SalesforceによるSlack買収検討との報道を受けてSlack株価が急騰中[TechCrunch日本版

中島 由弘

フリーランスエディター/元インターネットマガジン編集長。情報通信分野、およびデジタルメディア分野における技術とビジネスに関する調査研究や企画プロデュースなどに従事。