フリーランスの“自由と仕事”、考えてみた

第6回

【6カ月休暇もアリ?】フリーランスで優雅な休日を掴む方法

 かつての終身雇用の考え方は薄れ、会社に属さずに仕事をするフリーランスは年々増加している。雇われることを辞めたフリーランスだからこそ手に入る“自由と仕事”とは? また、それを手に入れるために何ができるのか? ギークス株式会社にてフリーランスエンジニアの営業支援やキャリア相談などの経験を持つフリーライターの「おいわ」氏が6回にわたり解説する。

 公私を問わず仕事に奮闘しているイメージが強いフリーランスですが、やり方によっては正社員よりも長期休暇を取りやすくなるのです。時間の自由がきく分、1カ月以上の休暇を設けてバカンスに出かけたり、趣味に没頭する時間を作ったりと、プライベートの時間を謳歌できることもフリーランスの大きなメリットですね。

 今回はIT系フリーランスが優雅な長期休暇を過ごすためにできることについて考えていきます。

プライベートの時間を確保するためにできること

 IT系フリーランスの特徴として、仕事の請け方は大きく2つに分けられます。1つは、自分のオフィスや自宅で作業し完成品を納品する「案件受託型」。もう1つは、クライアントの現場に常駐し技術支援を行う「常駐型」。

 仕事の請け方の違いから、仕事の仕方から日々の生活にも違いが生まれてきます。それぞれの場合に分けて、プライベート時間確保の方法を考えていきましょう。

案件受託型

 案件受託型は、仕事場所や仕事時間が自由なうえ、自分の意思で仕事量を調節することができます。多くの人がイメージしているフリーランスの働き方で、プライベートの時間を確保しやすいのが特徴です。

 ただ、長期休暇を取る際に注意したいのは、納品後のシステム保守も契約に入れているケースです。この保守作業は少額ながらも安定した収入になり、案件受託型にとってはうれしい収入源となっています。一方で、エラー発生など緊急事態には即座に対応しなければならないので、完全なる休暇を持つのは難しいかもしれません。

 このように、休暇中でも作業環境と心の準備は必要になりますが、休暇のタイミングや期間を、自分の調整次第で自由に設定することが可能です。

案件受託型は、作業における自由度が高い ※

常駐型

 平日はクライアントのオフィスに出向き技術支援を行う常駐型は、朝会社へ向かい夕方帰宅する、正社員と似たような毎日を過ごすことになります。しかし、正社員と大きく異なるのは、期間契約である点です。この契約終了のタイミングが長期休暇取得のチャンスです。

 近年は、フリーランスの契約期間は以前に比べて長期化していますが、それでも7カ月~1年程度で別の現場へ移るケースが多くなっています。つまり、1年に一度まとまった休暇を取るチャンスが転がっているのです。

 私が出会ったフリーランスの中にも、タイミングを合わせて育児休暇に充てた方、2カ月間の海外旅行を楽しんでいる方など、それぞれ有意義な長期休暇を過ごしていました。

 契約期間が決まっていることをプラスにとって、誰にも気兼ねせずに長期休暇を楽しむことができるのです。

常駐型は、案件切り替えのタイミングが休暇のタイミング

休みすぎると仕事がなくなる!?

 長期休暇が得やすいのはフリーランスのメリットの1つですが、あまり長くお休みすると、落とし穴があるのです。いざ仕事に復帰しようとしたときに、なかなか次の仕事が決まらず苦労する方もいらっしゃいます。

 プライベートも仕事も充実させるために注意したいポイントをご紹介します。

長期休暇は長くても6カ月程度まで

 貴重な充電期間、頑張るパワーを蓄えた長期休暇も、残念ながらクライアントから見れば経歴のブランクに映ります。「長く休んでいたことで、この人の腕は落ちているのではないか」「ベストパフォーマンスを発揮するまで、助走期間に時間がかかりそうだな」「最近の技術トレンドに取り残されていないだろうか」――直前の経歴ブランクがあることで、クライアントはこのような懸念を示すのです。

 もちろんさまざまなケースがあるので一概には言えませんが、目安として休暇期間が6カ月以内であれば悪影響はまだ少なく済みます。1年間を超えてくると、経歴書を確認した段階で懸念を抱かれてしまうケースが多く、次の仕事の受注にとても苦労する印象です。

技術研究やサービス開発は仕事復帰に効く

 休暇期間中に、技術研究やITサービスの企画開発をしたり、コンテストに応募したりと、仕事に生かせる活動を行っていた場合は、クライアントへのアピールになります。経歴書には、報酬は発生していない個人活動としてその旨を記載しましょう。デモや公開しているサイトなど、クライアントに直接見せられる形があるとより信頼感が高まり、さらに好印象です。仕事から完全に離れていないという事実が、クライアントの懸念を軽減してくれるのです。

長期休暇は期間と過ごし方に注意 ※

フリーランスは、オンオフの自己管理を

 正社員では数カ月単位の休暇はなかなか実現できません。上記のような工夫をして、長期休暇を簡単に取れることもフリーランスだからこそ手に入る自由の1つです。頻度の具合にもよりますが、1~3カ月程度の休暇であれば後の仕事に大きな障害になることもありません。上手に休暇を利用して、リフレッシュをしたり、仕事の幅を広げるために勉強をしたりすることで、フリーランスライフをより一層楽しめるはずです。

 フリーランスは、すべて自分次第。仕事もプライベートも充実させるためには、オンオフの自己管理もフリーランスの重要な業務になりそうです。

オンオフの切り替えでより充実したフリーランスライフを ※

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geechs magazine編集部

フリーランスエンジニア専門エージェントであるギークス株式会社が運営するITエンジニアの気軽な情報収集メディア『geechs magazine』。本記事の執筆者「おいわ」は、年間1000名以上のフリーランスエンジニアの営業支援やキャリア相談と、マーケティング業務の経験を生かし、現在フリーランスライターとして働き方に関する記事を執筆。