インボイス制度に備える
インボイス制度の開始でフリーランスの8割以上が「不安を感じる」、4割近くが「売り上げや利益に悪影響がある」～ランサーズ調べ
2023年9月27日 11:55
ランサーズ株式会社は9月19日、「インボイス制度に関するフリーランス実態調査」の結果を発表した。インボイス制度の開始により不安を感じると回答したフリーランスが8割以上に上った（「とても不安」「どちらかといえば不安」の合計）。また、自身の売上や利益の減少に与える影響について、4割近くが「売り上げや利益に悪影響がある」と回答する一方で、現状では「わからない」という回答も3割以上あった。
調査は、ランサーズにランサー（受注者）として登録している個人551人を対象に8月23日～30日に実施した。
「インボイス制度の理解度を教えてください」との質問では、「深く理解している」が48.8％、「理解している」が27.4％、「どちらともいえない」が15.1％、「聞いたことはあるが、理解していない」が8.2％、「聞いたこともない」が0.5％だった。
「適格請求書（インボイス）発行事業者として登録していますか？」との質問では、「登録している」が27.2％、「登録していない」が72.8％だった。
前の質問で「登録している」と答えた事業者を対象に「適格請求書（インボイス）発行事業者に登録・転換した理由を教えてください」（複数回答可）と質問。回答は「いずれ対応する必要があるから」が52.7％、「売上・取引先が減少する可能性があるから」が39.3％、「取引先から依頼されたから」が28.0％、「消費税分の報酬を減らされる可能性があるから」が26.7％、「新たな取引先が見つかる可能性があるから」が22.7％、「売上が1000万円を超えそう」が9.3％だった。
一方、「登録していない」と答えた事業者を対象に「適格請求書（インボイス）発行事業者に転換していない理由を教えてください」（複数回答可）と質問。回答は「売上が1000万円を超える可能性がないから」が62.3％、「取引先からの転換依頼などは現状ないから」が39.2％、「制度についてよくわからないから」が26.7％、「登録申請期限が2023年9月30日までに延長されたから」が14.2％、「売上・取引先が減少する可能性がないから」が11.5％、「消費税分の報酬を減らされる可能性がないから」が9.5％、「新たな取引先か見つかる可能性は考えられない・求めていないから」が7.7％だった。
「インボイス制度の開始に対し、不安を感じますか？」との質問では、「とても不安である」が42.8％、「どちらかといえば不安である」が39.4％、「どちらかといえば不安ではない」が10.9％、「不安はない」が6.9％だった。
また、「とても不安」または「どちらかといえば不安」と答えた人のうち、適格請求書発行事業者の登録を行った人の声として「案件や収入がどうなるのかまだ見えていない。激減する可能性もあるため不安」「ほとんどの取引先から登録確認や対応についての連絡がまだ来ていない。影響が予測できない不安がある」「インボイス番号がないと今後案件が獲得しにくくなりそう」といった理由が挙げられている。
一方、適格請求書発行事業者の登録をしていない事業者の声として、「課税事業者として消費税の支払いが初めてなので帳簿の付け方を含め、確定申告の計算など、税務処理が正しくできるか不安。間違いを起こしてしまいそう」「しばらくは2割特例が使えるが、簡易課税が良いという人もいれば消費税を計算したほうが得とも聞くので何が良いのかわからない」といった理由が挙げられている。
「インボイス制度の開始に伴い、自身の売上や利益の減少に与える影響についてとう思いますか？」との質問では、「売上、利益に悪影響がある」が38.8％、「売上、利益に与える影響は限定的／軽微である」が14.3％、「売上は減少するが、コスト削減で吸収（調整）する予定である」が1.3％、「影響はない」が14.2％、「わからない」が31.4％だった。
