清水理史の「イニシャルB」
夜間気になるLEDチカチカを止める! LEDを遮光/減光するシールやテープを試す
2022年6月13日 06:00
Wi-Fiルーターやスイッチで地味に困るのが夜間のLEDだ。煌々と部屋を照らすだけでなく、チカチカと点滅する場合もあり、気になって眠れないという人も少なくないことだろう。
最近では、LEDの輝度やオン/オフをコントロールできるWi-Fiルーターも増えたが、こうした機能がない機種の場合、遮光/減光するシールやテープを試してみる価値はある。
機器の設定をチェックしてみよう
通信機器のLEDは、通信状況やステータスを判断する上で重要な機能の1つだ。初期設定のときなどに活用したり、「つながらない」などのトラブルの際に、最初に確認したりするものなので、ないと困る機能となる。
しかしながら、部屋、それも寝室などに設置する場合、このLEDがかえって邪魔になることがある。照明をオフにしても、煌々と、しかも緑やオレンジで、点滅しながら部屋を照らす場合があり、場合によっては睡眠を妨げることもある。
このため、最近のWi-Fiルーターには、LEDをオフにする機能が標準で搭載される場合が多い。ざっと手元にある機器を調べてみたが、以下の機器に関しては、設定画面からLEDをオフにしたり、輝度を低くしたり、時間によってオン/オフを自動的に切り替えたりすることが可能だった。
バッファロー「WXR-5950AX12」
[アプリケーション]の[スケジュール]で[省電力]設定をオンにし、スケジュール設定でランプ[オフ]のモードをユーザー定義で設定することで、常時オフや、時間によるオン/オフの切り替えが可能。
NECプラットフォームズ「Aterm WX3600HP」
[基本設定]の[状態表示ランプ点灯設定]で[全消灯]を選択することで、背面のLANポートを含め、全てのランプを消灯可能。スケジュール設定はできないが、消灯時でも背面の[SETUP]ボタンを押すことで、一時的にランプを点灯できる。
TP-Link「Deco X50」「RE505X」
「Deco X50」はスマートフォンアプリから[詳細]の[LEDコントロール]でオン/オフ、およびスケジュールによる制御が可能。
中継機の「RE505X」は設定画面の[システムツール]の[LEDコントロール]でオン/オフ、スケジュール設定が可能。
LEDを遮光/減光するシールやテープを利用する
今回、こうしたLEDをオフにできない機器向けに用意したのが、いわゆる減光/遮光シールだ。LEDに貼り付けることで、光が透過するのを防ぎ、夜間でも気にならないようにできる。あらかじめカットされた製品と、ロールタイプの製品の2つを用意してみた。
アイネックス LED遮光テープ 7m RLD-SHLD01 ブラック
幅50mm、暑さ0.06mmのPET製テープ。好きな長さに切って利用できる。
テストに利用したのは、エレコムの「WRC-X5400GS」だ。この製品は、設定でLEDをオフにすることができない。ただ、この製品のLEDは輝度がそもそも低いので、オフにしなくても夜間気にならないように設計されているのかもしれないが、それでも夜間はそれなりに光るので、シールを使って遮光してみた。
なお、検証に使用したLEDは、本体上部の「WPS」「2.4GHz」「5GHz」の3つ。WPSが消灯、2.4GHzと5GHzが点灯(通信時は点滅だがテスト時はクライアントをつながず点灯したまま)の状態で検証している。
消灯のWPSボタンにもシールを張り付けているのは、ここから光が漏れてしまうからだ。点灯するLEDに近いLEDは、消灯していてもシールを貼っておくことをお勧めする。
【検証1】Bolide 減光シール
まずは、Bolideの減光シールを試してみた。蛍光灯下で貼り付けた様子を見て欲しい。
減光シールなので、完全にLEDの光を遮ることはできず、うっすらと点灯していることが分かる。完全に遮光せず、状態を確認できるようにしたい場合は、減光シールを利用するメリットはありそうだ。
この状態で部屋の照明を消すと右のようになる。蛍光灯下でもうっすら見えていたため、やはり暗い場所では光が見える。ただし、下部のLEDと比べると分かるが、減光の効果は大きく、目視では写真ほど光が気にならない。
【検証2】Bolide 遮光シール
続いては、同じBolideの遮光シールだ。こちらは、蛍光灯下でも光が漏れず、完全にLEDの光を封じ込めている。
部屋の照明を消しても、うまくLEDの光を閉じ込められているようだ。上の減光シールと比べると差が歴然だが、上部のLEDの光は全く見えない。
【検証3】アイネックス LED遮光テープ
次は、アイネックスの遮光テープだ。こちらは、あらかじめカットされていないので、3つのLEDをまとめてカバーするよう適当な長さに切り取って貼り付けた。
部屋の照明を消すと、こちらも上の遮光シールと同じく、完全に光を閉じ込められている。見た目を気にしなければ、これでも問題ない。むしろ、上記のシールはサイズが小さく貼り付けにくいので、貼りやすさやサイズを自由に選べるという意味では、本製品は優秀だ。
難敵スイッチに挑む
上記のテストでは、遮光テープによる効果の違いがあまり明確にならなかったので、難敵のスイッチでも検証してみた。
利用したのは、ギガビット対応の24ポートスマートスイッチであるバッファロー「BS-GS2024」だ。この製品は、本体前面、左側にLEDがまとめて配置されており、これがかなりの明るさで点滅する仕様になっている。
ここに、先ほどのテストで利用したアイネックスのLED遮光テープを大き目に切り取り、全体をカバーするように貼り付けてみた。
結果は以下の通りだ。通常時(テープなし)のときは、部屋の照明を落とすとかなり点灯の光が目立つが、遮光テープを利用すると夜間でも全く光が漏れてこない。これはかなり効果的だ。
ちなみに、ビニールテープを貼り付けたのが以下左となる。蛍光灯下では光は確認できないが、部屋の照明を消すと、うっすらと光が見える。先のWRC-X5400GSのように、もともとの光が弱ければビニールテープでも十分だが、明るさが強い機器の場合は、やはり遮光テープを利用するメリットが大きいと言えそうだ。
どうしても対策できない部分もある
このように、遮光テープはLEDの光が気になる環境で効果的だ。今回の検証の結果としては、「遮光テープ>ビニールテープ>減光シール」といった印象で、ビニールテープで十分ならそのまま運用し、それでも気になるという場合に遮光テープの購入を検討するといいだろう。
なお、通信機器の中には、どうしてもテープやシールで対応できないものがある。具体的には、以下のようにLEDがLANポート脇へ備え付けられたタイプだ。
この場合、シールなどでは完全にカバーすることができないため、どうしても光が漏れてしまう。こうした機器は、機器側でLEDをオフにできない限り、対策は難しいと言えそうだ。