テレワークグッズ・ミニレビュー

第4回

ケーブル込み162g!! ノートPCを充電できる小さなPD充電器を買ってみた

小さなPD充電器「Anker PowerPort III 65W Pod」を購入

 編集部員が自らのテレワーク環境を改善するために便利だと思ったものを紹介するこのレビュー。かの人の言葉を借りるなら「リアルガチ」の企画である。しかしリアルにやっていればこそトラブルも発生する。

 リアルの世界で時として起こりうるトラブル。その1つ 「買った直後に新製品」

 今回扱っているのはAnkerの65W対応の小型PD充電器である。熱心な読者であれば、昨日(7月8日)に発表になった新製品を思い浮かべるかもしれないが、この原稿は7月7日に書かれたもの。まさか翌日新製品が出るとも知らずに書かれたものであることをご承知の上、温かい目で読んでいただければ幸いである。


 コロナ禍以降、出社率の下がったオフィスでは模様替えが進められている。個人のデスクはなくなり、どこでも好きな場所に座れるフリーアドレスに変更されるのだ。

 それに先だって自分のデスクの荷物は撤収したのだが、先日久しぶりに出社したら、うっかりノートPCの電源アダプターを忘れてしまった。以前なら自分のデスクにアダプターをしまっておいたので、ノートPCだけ持ち歩けばよかったのだが、前回出社したときに撤収していたのを忘れていた。とりあえずバッテリーは満タンだったのでなんとか事なきを得たが、これからは電源やマウス(トラックボール)なども常に持って歩かなければならないわけだ。

 ただでさえ出社の機会が減って、たまの出社にはうっかり忘れ物をしがちなので、カバンの中に持ち歩き用の一式をパッケージとしてまとめてしまいたい。とするとできるだけコンパクトで軽量な電源が欲しくなる。

 幸いなことに自分が使っているノートPC(ThinkPad T480s)はUSB PD(Power Delivery)による充電に対応している。これはUSB Type-Cのコネクタから充電できるというもので、USB PDに対応した汎用の充電器で充電することが可能だ。USB PDはスマートフォンやゲーム機などでも使われる規格なので、各社から多くのPD充電器が発売されている。

PD充電器&ケーブルはどう選ぶ?

 ひと言でPD充電器といっても、気をつけなければいけないのがさまざまな出力の製品がある点だ。スマホなどだと20Wもあれば十分なのだが、ノートPCだとそうはいかず、自分のノートPCでは標準アダプターが65Wなので、それ以上の出力は欲しい。

 Amazonで「PD 充電器」と検索すればたくさんの製品が見つかるが、これが65W以上というと途端に選択肢は少なくなる。さらに気をつけたいのが、複数の出力ポートを持つ充電器の場合だ。65Wの出力をうたっていても実は合計の出力のことで、1つのポートで65W出るとは限らない。購入する際にはスペックをよく確認したい。

 今回はとにかく小さくて軽いものが欲しかったので1ポートのものとした。調べてみると「CIO USB PD 65W 急速充電器」がサイズ的には小さかったのだが、対応機種を調べたところMacbookなどには対応するものの、ThinkPadでは非対応の機種が多いとのこと。USB PDはおなじ規格であっても対応しない場合があるので、対応機種や口コミなどをよくチェックしたい。

 そうして選んだのはAnkerの「PowerPort III 65W Pod」だ。同社ではよりコンパクトな「PowerPort III 65W Pod Lite」もラインアップしているが、こちらはプラグが折りたためないタイプ。持ち運びを考えればプラグが折りたためる方がいい。

プラグが折りたため、持ち運びに便利なAnker「PowerPort III 65W Pod」をセレクト

 それと合わせて購入したのがUSBケーブルだ。両端がType-CのコネクタになったPD対応のケーブルが必要になるが、こちらもPD対応といっても3Aまでしか対応しないケーブルがある。これだと最大60Wまでしか使えないので、5A、最大100W対応のケーブルを選ぶ必要がある。こちらも各社から発売されているが、念のため同じAnkerの「PowerLine II USB-C & USB-C 3.1(Gen2) ケーブル」(0.9m)を選択した。

Anker「PowerLine II USB-C & USB-C 3.1(Gen2) ケーブル」(0.9m)は5A、100Wまで対応。長さもほどほどで結束バンドも付いているので持ち運びに便利

コンパクトだけど65WでノートPCを充電できた

 実際に現物を手に取ると確かに小さい。Lenovo純正アダプターと比べると本体部分だけでざっと3分の2の大きさだ。さらに別にメガネ型電源ケーブルを持ち歩く必要がないのも便利で、実際にはその分よりコンパクトに済む。仮に手持ちの中では一番短い0.2mのメガネ型電源ケーブルを組み合わせて重量を比較してみたところ、純正アダプター+メガネ型電源ケーブル(0.2m)が257gに対してAnkerの充電器+USBケーブル(0.9m)で162gとこちらも3分の2ほどとなった。

純正アダプターとサイズを比較。突起部を除いたおよその寸法で純正が約108×28×46mmなのに対しPowerPort III 65W Podは約68×30×45mm
ケーブルを含む重量を比較。純正アダプター(左)は電源ケーブルは短い0.2mのものを組み合わせて257g、一方Anker(右)は0.9mのUSBケーブルを組み合わせて162gとなった

 では実際に65Wで充電できるのかを試してみた。PD充電器ではまれに充電できない、あるいはできても規格通りの出力が出ないことがあるからだ。

 ThinkPadはLenovo Vantageというソフトで電源の状況を見ることができる。そこでチェックしてみると、「65W USB-C 電源が接続されています。」の文字。問題なく65Wで給電されていることが確認できた。充電器の出力的にも、ケーブルの容量的にも問題ない証拠だ。

 充電器はサイズ的に隣のコンセントをふさぐこともないし、PSEマークもついている。さらに最大24カ月保証が付くなどさすがはAnkerの製品、安心できそうだ。後はこれを会社専用として通勤カバンの中に入れっぱなしにしておけば、電源を忘れて困ることもなくなるはずだ。

Lenovo Vantageで充電の状態を確認。65Wで充電できていることが分かる
コンセントに挿してもほかのコンセントをふさがない
充電器本体にPSEマークが付く

【7月8日追記】Ankerからさらに小さい新製品が発表される(泣)

 Anker PowerPort III 65W Podはとてもいい製品だと思う。とても小さいし、問題無く充電できるし、プラグもたためるし……。

 しかし7月8日、さらに小さく軽い新製品がAnkerから発表された。その名も「Nano II 65W」。GaN(窒化ガリウム)の採用によって、出力は同じ65Wながら本体サイズはなんと約44×42×36mm!! PowerPort III 65W Pod(約68×30×45mm)より高さ方向で低く、長さも短く、容積比では約28%ほど小さくなる。しかもプラグも折りたたみ式。ThinkPadにも対応する模様。

7月8日発表、27日発売のAnker「Nano II 65W」

 現在は予約受付中で発売は7月28日の予定ということで、まだ実際に使ったワケではありませんが、今の自分なら間違いなくこっちを待ちます(泣)。