テレワークグッズ・ミニレビュー

第1回

モニターアーム&マルチディスプレイで自宅の仕事環境を改善

SlackにTrello、表示すべきツールが増えたテレワークではマルチディスプレイが便利!!

限られたスペースでマルチディスプレイ化

 新型コロナウイルスが感染拡大して以降、テレワークを余儀なくされている読者も多いだろう。当初は一時的かと思われたこの状況もすでに1年以上続き、自宅の仕事環境を少しずつ改善している人も少なくないはずだ。

 かく言うINTERNET Watch編集部員もそれは同じ。それぞれ自宅で抱える問題は異なるが、テレワーク環境をより改善すべく工夫を凝らしている。そこでこの連載では、われわれが実際に使ってみて、オススメできると思ったテレワークグッズのレビューをリレー形式で紹介していきたい。


 我が家は郊外にある一軒家だ。当初はリビングにノートPCで仕事をしていたが、資料となるウェブサイトを開き、メールを開き、撮影した写真をセレクトしつつ原稿を書くというのは、ノートPCの画面だけでこなすのはつらい。さらにテレワーク下では、SlackやTrelloといった新たなツールも開く必要があって、はっきり言ってディスプレイ1枚では効率が悪すぎる。「自宅でもマルチディスプレイにした~い!!」、という欲望が日々大きくなっていった。

 そこで妻を説得。どうせコロナで親戚が来ることもないし、客間として用意していた和室を仕事部屋にすることに。以前使っていた机を小屋裏から引っ張り出し、ずっと使っていなかった23インチディスプレイを掘り出してきて、さらにあれやらこれやら……。

 でもって、これが瀬戸家の現在の仕事環境だ。じゃじゃーん!

現在の我が家の仕事スペース

 ディスプレイ何枚あるんだ!? と思われるだろうが、右上のはもともと和室にあった壁掛けのテレビなので、外部ディスプレイとしては2枚。センターの31.5インチディスプレイは最近手に入れたもので、右側のノートPCのディスプレイは遠くて見づらいので普段は閉じている。31.5インチディスプレイを手に入れる前は、ノートPC+左側の縦位置の23インチディスプレイでまかなっていた。それだけでも作業環境としては大きな進歩だ。

 ということで今回はこの左のモニターを支えている「Amazonベーシック モニターアーム シングル ディスプレイタイプ」について紹介したい。

23インチのディスプレイを支える「Amazonベーシック モニターアーム シングル ディスプレイタイプ」

モニターを縦位置で使いたい!!

 そもそもオフィスでもノートPCに縦位置のディスプレイを組み合わせて使っていた。最近のディスプレイは16:9の横長のものが多いが、ウェブサイトの閲覧や原稿書きでは縦長のほうが使い勝手に優れる。

 そこで自宅でも同様の環境にしようと思ったのだが、手持ちのディスプレイのスタンドは縦型には非対応。そこで手に入れたのがこの「Amazonベーシック モニターアーム シングル ディスプレイタイプ」である。

 もっと価格の安いモニターアームもあったのだが、当時からいずれ32インチぐらいのディスプレイを手に入れたいという欲望があったので、32インチ程度まで対応できるモデルとして、この製品を選択した。

ディスプレイを縦位置にするべくモニターアームを導入
エルゴトロン LXのOEMの模様。アームの部分とベースの部分にAmazon basicのロゴが入る

 ちなみに見ると分かるが、おそらく「エルゴトロン LX」のOEMである。エルゴトロンの方がカラーバリエーションに選択肢があるが、ちょうどAmazonのセールで安くなっていたこともあって即決した。この製品はセールで安くなることも多いので、6月21日から始まるプライムデーセールでも安くなるかもしれない。なお、セール時は売り切れることも多いので、早めにポチることをオススメする。

全然ゆれな~い!! お値段以上のしっかり感

 現物はさすがという作り。とくにデスクに挟み込む台座の部分が大きくてしっかりしている。キズ防止のため下側には木の板を挟んだが、クランプのヘッドの部分もオーバル状で大きいので、そのままでもしっかり固定できると思う。

 アームの可動部分もかなりしっかりしていて、23インチのディスプレイ(重さ約6kg)では重さに負けて落ちてくるようなことも、首をかしげてしまうこともない。2.3~11.3kgまで対応するので、中央の31.5インチディスプレイでも大丈夫だ。アームの可動はやや重い気もするが、その分決めた位置にしっかりと固定されるので、むしろ好印象だ。机で消しゴムを使うような状況だと、さすがにディスプレイがゆらゆらと揺れるが、キーボードをたたくレベルであれば揺れることはない(もちろんデスクや床の強度にもよるだろうが……)。

ベース部分も大きくしっかりとしている。クランプで挟むほか、デスクに穴があれば、それを使って固定することもできる
念のためあて板をしたが、クランプのヘッドも楕円状の大型のものなので、安定感がある
画面を回転させたり、上げたり下げたりも自由。片手で自在に動かせるほど軽くはないが、その分しっかりと固定される印象
アームに仕込まれたバネの強さを調整することで重いディスプレイにも軽いディスプレイにも対応できる
ケーブル類はアームの中を通せるような構造

 ディスプレイはVESA規格に対応していたので取り付けは容易だった。ただし、ディスプレイをデスクの奥のほうに持って行こうとすると、デスクの後ろにアームが逃げるスペースが必要になる。アームが長すぎて邪魔な場合は、上部アームを台に直接つけることもできるので、ベースの固定位置の調整と合わせれば、概ね好きな位置にディスプレイを持ってくることができると思う。詳細なスペックを知りたい人は、エルゴトロン LXのウェブサイトを参考にするといいだろう(OEMと明言されているわけではないので完全に同じだという保証はできかねます)。

VESAマウント規格に対応。100mmと75mmに対応する

モニターが机の上になくてもいいという発見

 そしてもうひとつ、期せずしてメリットだったのが、「机の上空にディスプレイを置かなくてもいい」ということだ。もともとアームでディスプレイが宙に浮けば、その下側のスペースが有効活用できるという思いはあったのだが、実際に使ってみると、そもそも「机の上にある必要がない」ということに気がつかされる。会社だと、隣には同僚の机があるので、机からはみ出すという発想がなかったが、一人で仕事している自宅なら“はみ出し放題”である。すると、さらに机の作業スペースが広がる。

モニターアームであれば、ディスプレイがデスクの真上にある必要もない。その分、机のスペースを広く使うことができる

 当初はいずれ32インチを買ったら、デスク上のスペース的に縦位置ディスプレイはお役御免のつもりでいたが、おかげで現在も現役だ。現在は主にSlackを常時表示させているが、これがとても便利!!

 また、ディスプレイの角度や位置を自由にできるので目が疲れにくい。瀬戸の場合、近視で老眼なので、遠すぎても近すぎても見づらい。現在ノートPC本体のディスプレイを使っていないのも、ノートPCだけ遠くて見づらいからだ。その点モニターアームがあれば、近すぎず遠すぎないちょうどいい位置に持ってくることができる。近視で老眼の人にとってはとても有益なはずだ。

 開いておくべきツールが増えたテレワーク下において、マルチディスプレイの効果は絶大である。ディスプレイを縦位置にしたい人はもちろん、机上のスペースに限界を感じている人にも、近視で老眼の人にも、モニターアームはオススメできるグッズだと思う。