テレワークグッズ・ミニレビュー

第7回

在宅勤務のマルチディスプレイには「タッチ液晶」が便利?

「マウスカーソルどこいった?」をタッチで解決してみたら…

 新型コロナの影響で、テレワークを余儀なくされている読者も多いだろう。かく言うINTERNET Watch編集部でもそれは同じ。それぞれの住環境の中で、テレワーク環境をより改善すべく日々工夫を凝らしている。そこでこの連載では、そんなスタッフが実際に使ってオススメできると思ったテレワークグッズのレビューをリレー形式で紹介していく。


筆者の在宅勤務環境。左上がチャット用、正面上下がメイン、右が固定情報表示用だ。左下はOneNote専用機として使っている初代Surface Pro
画面の配列

 僕の在宅勤務環境で特に重視した項目の一つがディスプレイ環境、特にマルチディスプレイだ。

 オフィスでは3画面を使っていたが、在宅環境ではプラス1画面して4画面に。単に「作業効率を上げられるから」というのはもちろんだが、オフィスと違い、眼前に「人と話すための余白空間」を空けなくて済むので、思う存分増やせるのもポイントだ。

 使い方は、2画面が作業用、1画面がチャット用、1画面がTwitterなどのリアルタイム情報表示用、というイメージだ。なんだかんだ仕事がはかどるので、インターフェイスさえどうにかできれば、あと3画面ぐらい増やせたらいいな……とも思ったりする。

「マウスカーソルどこいった?」をタッチで解決

「マウスのプロパティ」で設定をすることで、CTRLキーを押すとマウスカーソルの場所を教えてくれるようになる。……のだが、エディタなどでCTRLキーを多用していると、チカチカがちょっと気になる………

 しかし、画面が増えると困るのが「マウスカーソル、どこだっけ?」問題。

 操作したいウィンドウは見えてるのに、マウスカーソルの場所がわからず、まず「マウスカーソル探し」から……ということになる。こうした「失踪事件」は、画面が3画面から4画面に増えたことで、より頻度も増えていた。

左画面をタッチで操作するようにした。そのうち右画面もタッチ操作できるようにしたい

 ということで、導入したのが「タッチ操作」。

 タッチ操作なら、(タッチ対応ディスプレイだけだけど)ウィンドウをそのまま触って操作できるし、うまくいけば「その画面にはマウスカーソルは移動しない≒探す範囲が狭まる」ことになるだろう、という魂胆だ。

 なお、タッチの基本操作は、当たり前だけどWindowsタブレットと同一。つまり、「タッチ≒左ボタン押下」「長押しタッチ≒右ボタン押下」なので、主にタッチで使うのは、ウインドウやテキスト入力ボックスの選択、スクロール、右クリックメニューの表示などになる。

 さて、具体的に「なにをどう導入したのか?」だけど、かなり昔に購入したタッチ対応液晶のAcer T230H bhdmiを再活用。これのタッチインターフェイス(USB接続)を久々に使ってみることにした。

 僕の在宅勤務用ノートPCはタッチ対応なので、これで4画面中、2画面がタッチ対応ということになる。具体的には、正面下のメイン画面と、正面左のサブ画面がタッチ対応、あとはタッチ非対応だ。

おおむね「迷子レス」に……… でも、運用にはノウハウも必要?

 そして、肝心の導入の成果だけども、「運用にノウハウはいるけども、ちゃんと効果があった」感。若干条件はあるものの、おおむね「迷子レス」になりました。

 具体的には、メインで使う操作画面を正面の上下2画面だけにして、タッチで使う左画面にはチャットや簡単な情報表示を、右画面には操作不要の情報表示をそれぞれ集約。結果、「マウスカーソルは、正面2画面のどちらかにいる」という状況に。さすがに2画面だと、マウスカーソルも簡単に見つかります(笑

 「おおむね」と、歯切れが悪いのは、タッチするウィンドウに制約をかけないと、やっぱり「迷子」が発生すること。というのも、Windowsでは、タッチしたアプリによって「マウスカーソルをどうするか」の挙動が違い、ChromeやEdgeなどのWebブラウザや多くのOfficeアプリでは「マウスカーソルは移動せず、元の場所のまま」という挙動になる反面、デスクトップ画面やエクスプローラ、タスクバーは「適宜移動する」と異なっており、なにかの拍子に後者をタッチすると迷子の原因になるという……。ここだけ治ってくれると嬉しいんだけどな……。

 あるいは逆に、「タッチしたら必ずマウスカーソルが移動する」という挙動になるのもよさそうだけども。

タッチで使うなら「少し小さめ」が便利

左画面に使っているAcer T230H bmidh。結構古いモデルだが、まだまだ使える……

 ちなみに、僕が使っているのは23インチのAcer T230H bmidh。

 結構古いモデルなので、今買うなら別のモデルがよいと思います(Amazonのタッチ対応ディスプレイの一覧はこちら)。

 また、実際に使ってみると、23インチはちょっと大きめ。タッチディスプレイは、手が届く範囲に設置するので、あまり大きいと圧迫感あります。感覚的には15~22インチくらいがいいんじゃないかな、と思います。

【「タブレットPC設定」の起動法】
ちょっと探しにくくなったコントロールパネルだが、タスクバーから検索するとすぐに出せる
昔の人にはおなじみのコントロールパネル
「タブレットPC設定」で画面とタッチの対応を設定できる。

 最後に余談を。

 1台のWindows PCで複数のタッチ対応ディスプレイを使う場合、タッチデバイスと画面の対応を設定する必要がある(*1)のですが、これを行う「タブレットPC設定」ツールは、なんと2021年8月現在でもコントロールパネルから起動する仕様。

 最近のWindows 10では、昔、コントロールパネルに入っていた設定項目の多くが「設定」ページに移行しており、コントロールパネルの起動メニューも目立つところからなくなったので、ちょっと戸惑います。

 とはいえ、今のWindows 10でもコントロールパネルは起動可能。タスクバーの検索窓に「コントロールパネル」と入力すると、ちゃんとコントロールパネルを開けるので、そこからタブレット「タブレットPC設定」を選んで、適宜調整していきましょう。

*1 ちゃんと設定されていないと、どのディスプレイにタッチしても、メイン画面にタッチしたことになる」なんてことになったりします