テレワークグッズ・ミニレビュー
第8回
車載冷蔵庫をテレワークで使ったら予想以上に快適だった
2021年8月13日 12:12
新型コロナの影響で、テレワークを余儀なくされている読者も多いだろう。かく言うINTERNET Watch編集部でもそれは同じ。それぞれの住環境の中で、テレワーク環境をより改善すべく日々工夫を凝らしている。そこでこの連載では、そんなスタッフが実際に使ってオススメできると思ったテレワークグッズのレビューをリレー形式で紹介していく。
テレワークを初めて1年以上、マルチディスプレイ化など自宅の作業環境はオフィスに負けない状況がそろってきた。しかし福利厚生はどうだろう。職場にはウォーターサーバーがあり、自動販売機がありと、いろいろと福利厚生が充実していた。これまではあまり気にならなかったが、夏になるとそのことに気付かされる。
そしてふと思った、「自分の部屋に冷蔵庫が欲しい」。
というのも、我が家にはもうすぐ2歳になる娘がいる。子どもながらに、仕事部屋には入ってはダメということをなんとなくは認識しているようで、まぁ時々は襲撃してくるが、普段は仕事部屋には入ってこない。しかしこちらが部屋を出ると話は別だ。遊んでくれると思って「だっこ~、だっこ~」とまとわりついてくる。もちろん可愛いしうれしいのだが、そうは言っても仕事がある。
となると極力仕事部屋から出ないようになる。幸いトイレには子供のいるリビングを通らずに行けるのだが、キッチンにはリビングを通らなければ行けない。となるとそうそう冷蔵庫に行けないので、仕事中はペットボトルのぬるいコーヒーを飲んでいる次第だ。
冬の間は室温でもそれなりに冷たかったが、この時期になるとぬるい、ぬるくて仕方がない! つめた~いコーヒーが飲みた~い!!
自分専用冷蔵庫は贅沢すぎやしまいか?
さすがに自分専用に冷蔵庫を買うのは贅沢すぎる気がした。が、悪知恵が働いてしまった。そうだ、「車載用冷蔵庫」にしよう。
車載用冷蔵庫はその名の通りクルマのなかで使うものだが、多くのモデルではクルマのDC12V電源のほかに、AC100Vにも対応している。つまり普段は仕事部屋で冷蔵庫として使い、旅行の時にはクルマに積んでも使うことができる。
逆に旅行の時しか使わないのに車載用冷蔵庫を買うのはもったいない気がするが、普段も使うならよいじゃないか。さらに最近はコロナのおかげで出かける先もアウトドアが多い。そうするとクーラーボックスが欲しくなるが、車載用冷蔵庫ならクーラーボックス代わりにもなる。そう、一石三鳥なのである。これは買わない理由が見つからないといっても過言ではないだろう!!
といってもこれまで車載用冷蔵庫など買ったことがないので、まずはネットでいろいろと調べてみた。素人がネットで少し調べただけなので、詳しい人からすると「あまい」と思われるかもしれないがご了承いただきたい。
車載用冷蔵庫選びで一番悩ましいのが容量だ。20リットルだの40リットルだのと言われてもどれがよいのか分からない。あまり大きいのも持ち歩きが大変そうだし、逆に小さすぎて後悔もしたくない。もちろん部屋で使うだけなら小さくてもよいが、アウトドアで家族でも使いたいと思うと、そんなときでも不便を感じないサイズがいい。
でもっていろいろと見ているとだいたい25リットルぐらいが3~4人の家族で使うのにはよいらしい。どんどん大きいのが欲しくなるという声もあるが、まぁ初めてなので25リットル前後を選べばよいだろう。
次に電源。車載用をうたっているモデルであれば、DC12V/24Vに対応しているのは当たり前。AC100Vにもほぼ対応しているようだ。あとは3Way電源対応として、ポータブル電源で動くことをうたっている製品や、バッテリーを内蔵している製品も見受けられた。昔はカセットガスで動くタイプもあったと思うのだが、今は主流ではないようだ。
あと、コンパクトな冷蔵庫だとベルチェ式の冷蔵庫もあるが、車載用冷蔵庫ではコンプレッサー式が多い模様。その分冷却性能は高く、マイナス20℃といった冷凍にも対応する。これまでだと旅先で冷凍のおみやげを買っても、家に帰り着く頃には半解凍状態で、結局すぐに食べなきゃ、となっていたのだが、これならば冷凍のおみやげをたくさん買って帰ることもできそうだ。
Amazonで気になった3つの車載用冷蔵庫
Amazonで検索してみると、さまざまな種類の車載用冷蔵庫が見つかる。検索では「車載冷蔵庫」のほうが引っかかりやすいようだ。
まず気になったのが、SUNPIEのバッテリー内蔵30リットル車載用冷蔵庫で型番は「Rzk」。30リットルと容量は大きいが、大きめの車輪が付いているので屋外での移動が楽そう。さらにバッテリーを内蔵し、ソーラーパネル充電にも対応するとのことで、電源のないアウトドアで活躍しそうだ。
【記事追記 2023年8月16日】 SUNPIE Rzkは販売を終了
次に気になったのが、EENOURの25リットル車載用冷蔵庫「S25-JP」と、F40C4TMPの28リットル車載用冷蔵庫「RCG28」の2モデル。どちらもAmazonで人気、評価ともに高い製品だ。
EENOURの車載用冷蔵庫は見た目がいかにもアウトドアっぽいデザインでかっこがいい。角にはバンパーが付いていてキズにも強そうだし、スクエアのデザインは、クルマに積んだ時に、上に物を重ねて積めるし、耐荷重も100kgと大人が座っても大丈夫だ。また、大きなハンドルも付いていて、実際に中身が入った重い状態で運ぶときにも勝手がよいだろう。
庫内も特徴的で、冷蔵室と冷凍室に分かれている。冷凍室が大きく、冷蔵室は深さも浅く小さそうだ。冷凍室は温度調整可能だが、冷蔵室は調整不可とのことなので、おそらく冷凍室の温度設定に左右されるのだろう。冷凍のものを入れつつも飲み物を冷やしておきたいような使い方で重宝しそうだ。
なお、記事掲載時点の情報となるが、Amazonでは8月16日まで限定の4000円オフクーポンが出ている。
一方のF40C4TMPだが、こちらはメタリック調の部品が各所に使われ、EENOURとは違った高級感がある。同社の中でもこのRCG28は新しい製品のようで、ハンドルはEENOURのような大型のものではないが、手が引っかかりやすいよう改良されているとのこと。
庫内は、脱着可能な仕切り板があるが、冷凍室と冷蔵室といった分かれ方はしない。仕切りを外せばスクエア状の庫内になるので、入れる物は選ばなさそうだ。実は姉妹モデルとして22リットルのバージョンもあるのだが、その差は背の高さで、この28リットルモデルの最大の特徴は、2リットルのペットボトルを立てて入れられる点。25リットル前後のモデルだと2リットルのペットボトルは寝かせて入れるものが多い中で、背の高さを上げることで縦置きに対応した珍しいモデルといえる。28リットルという一見中途半端な容量も、ペットボトルの高さに合わせたと思うと納得である。ちなみに最初に紹介したSUNPIEの30リットルのモデルも2リットルペットボトルの縦置きは可能だ。
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F40C4TMP RCG28を選んだ理由
さて3商品ともにそれぞれに魅力的なモデルではあるが、最終的にはF40C4TMPのRCG28を選択した。理由としては、あくまでメインは仕事部屋の利用であること。もちろん車内や屋外でも使いたいとは思っているが、このご時世その頻度は高くない。
となると、SUNPIEの内臓バッテリーやキャスターなどはオーバースペックだと思った。EENOURは見た目ではかなり好みだったのだが、F40C4TMPの2リットルのペットボトルが縦に入れられるのは使い勝手がよさそうだ。
それと自分はとんでもなく横着者で、以前ペダルでフタを開閉できるゴミ箱を買ったところ、「フタあけるのめんどくせー」と使わなくなったことがある。実はEENOURのフタがロック式なのだが、こんな自分が使うと、開け閉めする度にロックするのが「めんどくせー」となりそうな予感がした。ダメ人間で申し訳ない。
デスクの横に置いたら便利すぎた!!
ということで購入したF40C4TMPのRCG28だが、実に快適である。
最初に箱が届いたときは「でかっ」と思ったが、実際に部屋に置いてみると、デスクの奥行きとちょうど同じぐらいの幅(570mm)で、並べるとちょうどいいサイズ感だ。
背の高さ(390mm)が気になるかと思ったがむしろ逆で、ちょうど椅子の座面ぐらいの高さなので、椅子に座った状態から手だけを伸ばせばフタに手が届く。さらに2リットルのペットボトルも立てて入れられるので、これまた手を伸ばすだけで取り出せる。手が届く範囲にいつでも冷たい飲み物がある、ダメ人間の自分には理想的すぎる環境である。
フタは横開きのため、開けた状態でも高さが680mm程度となり、デスクによってはデスク下に入れてもフタが開けられる。我が家のデスクの場合はフレームに当たってしまうため、置き方にもよるが全開にはならない。しかし中のペットボトルを取るには十分開くので、幅や奥行きさえ問題なければデスク下での運用も可能だと思う。
温度表示や操作パネルが天面にあるのも便利だ。EENOURの場合は横面だったが、椅子に座った状態からだと、天面のほうがどの向きで置いても見やすいし操作しやすい。これは飲み物の出し入れの時にも実感する。家庭用小型冷蔵庫だと横開きのドアになるが、デスクワーク中に手を伸ばすなら、天面のフタを開けて引っ張り出すほうがやりやすい。
音についてはコンプレッサー式なのでそれなりにある。特に起動した直後は全開で動くので、手で触れば振動を感じるし、音量は強めに風が出ているときのエアコンの音ぐらいだろうか。モードをECOに切り替えると音も振動も小さくなる。その分冷えるのには時間がかかるが、一度冷やしてしまえば、屋内で飲み物を冷やしておく程度ならECOで十分そうだ。
ちなみにテストのため、温度設定をマイナス22℃にして、モードをMAXのまま冷やし続けてみると、最初室温の27℃だった温度は、30分程度で0℃の表示になった(庫内が空の状態)。そこからはなかなか温度が下がらなくなって、さらに1時間30分ほどしたところでマイナス22℃に到達。設定した温度まで冷えればコンプレッサーは止まるので無音だ。
正直なところ、テレワークグッズで車載用冷蔵庫というのは無理があるかと思っていたが、実際に使ってみると、デスク脇に置いておく冷蔵庫としては、このF40C4TMP RCG28は予想以上にマッチしていた。
アウトドアで使うのに最強なオプション
今のところアウトドアで使ってみてはいないが、外で使うことを考えるとちょっと不安な部分もある。
まずはハンドルだ。従来モデルよりは改善しているのかもしれないが、それでも指の第1関節までしか入らず、中身が入った状態でこれを持って運ぶのは結構大変そうだ。それと扉部分がメタリック調の塗装でかっこいいのだが、高さ的にもちょうどローテーブル的によい程度なので、できれば上に硬い物を置いてもキズが付かないような仕様にしてくれると、アウトドアでの使い勝手は良くなると思う。
ただ、こうした点については、実はオプションのバッグを買うと解決しそうではある。あくまで汎用とはなっているのだが、F40C4TMPからRCG28対応の車載冷蔵庫用持ち運び・保冷バッグ「RCG28-D」が販売されている。サイズ的にはRCG28がぴったり収まるサイズで、防滴・耐摩耗600Dオックスフォード、断熱・緩衝スポンジ、断熱アルミシールの三層になっている。冷蔵庫本体を衝撃やキズから守りつつ、保冷機能も高めることができるというわけだ。コンプレッサーの部分はメッシュ構造とすることで放熱できる構造に。ベルトも付くので持ち運びもしやすくなる。
アウトドアに持ち出すときには、このバックを使えば、持ち運びもしやすくなるし、上になにか置いてもキズを防げそうだ。さらに電源がない場所でクーラーボックス的に使う場合にも、より保冷効果がアップできるはずで、屋外に持ち出す時にはぜひとも一緒にそろえたいアイテムだろう。いずれ緊急事態宣言が終わって外に出かけられるようになったら、これを買ってアウトドアでの使い勝手も試してみたい。
・北海道フェリー旅行で使ってみた模様は こちら