テレワークグッズ・ミニレビュー

第19回

2万円のペン付きWindowsタブレット、サブPCとして使ってみたら結構よかった!

Windows 11にするのも意外にイイ……かも??

 新型コロナの影響で、テレワークを余儀なくされている読者も多いだろう。かく言うINTERNET Watch編集部でもそれは同じ。それぞれの住環境の中で、テレワーク環境をより改善すべく日々工夫を凝らしている。そこでこの連載では、そんなスタッフが実際に使ってオススメできると思ったテレワークグッズのレビューをリレー形式で紹介していく。


 ちょっと前、「紙の代わりペンとタブレットで仕事する」なんてことを書いたワタクシですが、その記事を書いた時の悩みが「ちょうど良さそうなPCがあまりないこと」。

 その時は、手元にあった初代Surfaceを使っていたのだけど、ここにきて、「サブPCにするにはちょうどピッタリ」なPC「mouse E10」がマウスコンピューターから特価販売されました。実売価格は税込み2万2000円。

 ポイントはその独特なスペックと価格の安さ。

 正直、これは気になる………ということで、ちょっと試してみたのでレポートをお届けします。

mouse E10

 さて、先に「どんなPCか」を紹介しておくと、この「mouse E10」はキーボード分離式の2in1ノートPCで、キーボード込みの重量は1.28kg、本体だけなら約980g。本体はIP54準拠の防塵・防滴性能も備えています。

 液晶ディスプレイは10.1型のタッチ対応で、解像度は1280×800ピクセル。ペンはMPP(Microsoft Pen Protocol)準拠のものが付属しており、単6電池1本で動作します。スペックは、CPUがCeleron N4000で、メモリは4GB、ストレージは64GB eMMC。

 「純粋な性能」は正直低いものの、今まで使っていた初代Surfaceもメモリ4GB+Core i5なので、経験上、「OneNoteで使う」など、サブマシンとして使うならイケるはず…………

こんな感じで整備してみた

 というわけで、早速環境を整備したのがこの写真。

現在の仕事場全景

 メインで使うのは正面のノートPCで、固定のディスプレイ3面はこのPCに接続。mouse E10は、ノートPCと右のマウスの間に配置して、「原稿確認用」と「オンライン会議のビデオ端末」として使う、というかたちにしました。

 mouse E10のキーボードは利用頻度が低いので取り外し、基本的にはタッチで操作。「Mouse with borders」などのマウス・キーボード共有アプリも検討したものの、文字入力はせいぜいIDとパスワードぐらいだし、アプリ増加によるパフォーマンス低下が気になったので、今のところ入れていません。

 この構成のメリットは主に以下2つ。

●(1) 「紙とペン」的に使えるPCをいつでも用意できる

●(2) オンライン会議をしてもメインPCのパフォーマンスが落ちない

 ちなみに、mouse E10はWindows 11にアップグレードして利用中。

 「Windows 10だってギリギリのスペックなのに、Windows 11にしちゃって大丈夫かな?」とは思ったのものの、「シングルタスクで使う」「重いアプリを動かさない」「重いサイトも使わない」という条件で使っているので、実は快適。

 Windows 11では、デスクトップ切り替えのアイコンがタスクバーにつくようになり、「タブレット」としてのタスク切り替えが楽になったので、そうした意味でも便利です。

 では、使い方別にポイントを紹介していきます。

Windows 11にアップグレードして利用中。「シングルタスク専用」かつ「重いことはしない」という運用をしている。
タスクバーにあるデスクトップ切り替えのボタンが便利

サブPCとしての使い方:1「手書きノート端末」

OneNoteで使う。

 まず1つ目の使い方が「紙とペンの代替」として。

 以前書いたように、僕は「言語化しにくいなにか」を形にしていく作業や、記事に赤入れする作業に「OneNoteとペン」を使っているのだけど、mouse E10でもそれはもちろんOK。

 メインPCのWebブラウザ(など)から「印刷」するだけでOneNoteに転送・同期され、サブPCのOneNoteでも使えるようになる。

メインPCのWebブラウザから「印刷」するだけでOneNoteに転送され、サブPCのOneNoteでも使えるようになる

 ちなみに、付属のペンには若干クセがある。省電力性を特に重視した味付けで、数分使わないとすぐに省電力モードに入る仕様。省電力モードの解除には、ペンのボタンを押す必要があるので、結果、「ペンを使う前に、毎回、ボタンを押す」みたいな手癖が付くことになる。その分、電池寿命は長くなっていると思われるし、ボタンそのものは押しやすいので、自分としては「まぁこんなもん」と納得しています。

 MPP準拠品なら市販のスタイラスペンも使えるはずなので、この仕様が肌に合わないなら、市販のスタイラスペンを買ってくる手もある。メーカーでは「他のMPP準拠ペンが使える」とは保証していないが、僕の手元にあったMPP準拠ペン(ワコム BAMBOO Ink Plus)は利用でき、「ペンを使う前に、毎回、ボタンを押す」という操作も不要だった(これはペンの仕様による部分)。

付属のペン
ボタンは2つ。先端の側が消しゴムで、もう一つが選択用
タブレットとしては少々重めだが、こういう姿勢で使えば気にならない。

 また「約980g」という本体重量は、タブレットとしては重めだが、僕の使い方では、特に問題を感じていない。もともと使っていた初代Surfaceも900gちょっとあったのと、写真のような使い方もできるので。

 なお、このPCのスタンド角度は自由に調整可能。写真のような微妙な角度を付けた使い方もできる。

角度は自由に調整できる
角度は調整できないが、縦置きもできた
スタンドの角度を変えると取っ手にもなる

サブPCとしての使い方:2「ビデオ会議端末」として

ビデオ会議端末として使う

 もうひとつの使い方は「ビデオ会議端末」として。

 僕のメインPCは、そこそこ高性能(Core i7-1165G7+メモリ16GB)なのだけど、ビデオ会議中はそれなりにパフォーマンスが落ちてしまう。

 ビデオ会議中に、パワポを見たり、Excelを広げたり、ということも多いので、パフォーマンスを落としたくないのだが、PC1台で対応する限り、これはどうしようもない。が、サブPCを使うなら、これは全く問題なくなるわけだ。

 実はこのあたり、まだ試行錯誤の最中なのだけど、「サブPCで参加、メインPCで資料を見ながらメモも取る」というのもよくやるし、「メインPCで参加、サブPCのOneNoteでメモを取る」というのもやったりする。自分が「聞く側」中心なら前者、「話す側」になるなら(資料共有の可能性もあるので)後者、という判断だ。

近距離共有でURLを共有する

 なお、こういう使い方をしていると、「会議で共有されたURLをどのPCで開くか」(サブPCを使うと画面が狭いので本末転倒)という問題が出てくるが、これは、ブラウザにEdgeを使い、Windows 10/11が持っている「近距離共有」機能を活用している。

 近距離共有を使わない手としては、自分宛てにメールやチャットメッセージを送ったり、クリップボードを共有できるアプリを使う手もあるが、メールやチャットは後に残るのが邪魔だし、「Mouse without Borders」のようなアプリはマウスの操作感に影響が出るのが気になるので、これでしばらく運用してみようと思っている。

近距離共有の使い方

やっぱりサブPCはあると便利!

 というわけでひとしきり使ってみたが、「低いスペックのPCでも、サポート役として使うなら結構便利」というのが印象だ。

 「防塵防滴性能を持つ安価なタブレット」ということで、少々雑に扱っても気にならないし、「OneNote+ペン環境を安くそろえられる」のも魅力的。Windows 11の登場で「Windowsタブレット」の使い勝手がよくなったことを考えると、ある意味、とてもタイムリーな特価販売と言えそうだ(11月19日現在、まだ在庫はある模様)。

 なお、使い方としては、上で書いた以外にも「情報収集用にYouTube流しっぱなし」というのもある。在宅勤務ではメインPCでVPNを使うことも多いと思うが、サブPCで動画を見れば、VPNに動画のトラフィックを流さずに済む。VPN帯域の節約にもなるし、限られたVPN帯域を使わないことから、動画品質も安定しやすいハズだ。

 というわけで、「サブPC」として結構使えるmouse E10。僕の場合、メインPCはもう少しWindows 10で運用するので、「Windows 11のテスト機材」という意味も含め、しばらく使ってみようと思う。