テレワークグッズ・ミニレビュー

第94回

夏は快適なメッシュ座面のオフィスチェア、だが冬は寒い!! 長年悩み続けている防寒グッズの紆余曲折

筆者愛用の「アーロンチェア」。仕事部屋が乱雑なのはご容赦

 20年ほど前にオフィスチェアの定番「アーロンチェア」を購入して以来、ずっと困っていることがある。

 「アーロンチェア」の長所は、座りやすい形状や耐久性などさまざまあるが、筆者が最も気に入っているのは座面がメッシュであることだ。一般的なオフィスチェアのクッション座面は、長く座ると熱がこもったり蒸れた感じがしたりするが、通気性のいいメッシュ座面なら問題ない。ほどよいクッション性もあって快適だ。

「アーロンチェア」の座面はメッシュで通気性がいい

 一方で、筆者が最も困っているのも、このメッシュ座面である。

 冬になるとメッシュ座面の通気性があだとなり、下半身がとても冷える。部屋を十分に暖かくすればいいと思ったものの、床からの冷気が強く、頭の方が暖まりすぎて不快になる。仕事部屋がフローリングで北向きというのもあるが、とにかく冷える。

 あらゆるメッシュチェアに共通と思われるこの問題の解決に長年取り組んできた結果、今は何とか許せる範囲に収まってきたので、その紆余曲折をお話ししたい。

メッシュチェアは快適だが冷える問題

 最初に考えたのは、冷える足元を温める方法。ホットカーペットを敷けば解決するのではと思ったが、オフィスチェアのキャスターでホットカーペットを踏むと故障や火災の原因になるので避けたい。温めたい場所は足元だけなので、電気座布団(ホットマットなどとも呼ぶらしい)を足の下に置けばいいのではと考えた。

かなり前に購入した電気座布団

 早速購入して試してみたところ、足元は全然温かくならない。足の裏をくっつけていると僅かにぬくもりを感じる程度だ。冷え対策としては効果がほとんどない上、椅子の移動でキャスターが当たったり、電源コードが邪魔だったりというデメリットの方が大きいので、早々に諦めた。

 それなら本来の用途である座布団としてメッシュ座面に置けばいいのでは? これも試してみたが、今度はすぐに熱くなりすぎて不快だし、椅子から電源ケーブルが延びるのもやはり邪魔だ。

 結果、電源コードを椅子の裏に巻き付けて、通電しない状態でメッシュ座面に置くことにした。これだとお尻から太もも付近がスースーする感じがなくなって快適度が増す。

電気座布団をただのマットとして使う

 それなら普通の座布団でいいじゃないかと思って置いてみると、今度は座布団の厚みで座面の高さが上がるのが不快。

 アーロンチェアは体格のいい外国人向けに作られているため、複数サイズあるモデルの中で小さいものを選んだものの、筆者だと座面の高さを最低にしてギリギリなのだ。これ以上高くなると足が浮きすぎて落ち着かない。

 仕方なく、なるべくペラペラなチェアパッドを探して購入して置き換えた。これでようやく解決だ、と思ったら、あまり薄くて小さすぎても防寒効果が足りないと気づく。これなら元の電気座布団を通電せず使っている方が快適だ。

ペラペラのチェアパッドを導入するも薄すぎ、小さすぎ

 アーロンチェアに合うそこそこのサイズで、それなりに防寒効果がありそうなペラペラのチェアパッドがあればいいのだが、今のところ具合のいいものが見つからない。そんなニーズは他になさそうなので仕方ない。

 そして現在は、真冬は電気座布団の上にペラペラチェアパッドを置いている。寒い時は電気座布団に弱で通電すると、チェアパッドを挟んでいるおかげでそこまでアツアツにならずに済む。だが不満は残っており、今後も改善を図りたい。

重ねて使うのが今のところの最適解

膝より下が寒くて足がつる

 これで太もも辺りまではそこそこ快適になったが、膝より下は相変わらず冷えている。筆者は体質的にふくらはぎが弱く、冷えるとすぐに足がつってしまう。何とかすべきはむしろ膝下の方だ。

 足を冷やさないためには、まず足を床に直接つけなければいい。早速スリッパを導入してみたが、足首が丸出しで冷え対策には力不足。もっと足首まで覆ってくれるものが必要だ。

 調べてみると、ルームシューズというものがあった。冬用スリッパを足首まで伸ばした感じで、見た目にも暖かそう。ブーツタイプで足首を覆えるものもある。

 早速1つ購入してみると、確かに暖かさが感じられる。あるとないとでは段違いの快適さだ。しかし足首をあまり覆ってくれないせいか、見た目の割には温まってこない。そこで、スポーツ用品メーカーであるミズノの製品で、足首までしっかり覆うタイプの「ルームブーツ」に買い替えるといくぶん改善した。

今使っているミズノのルームブーツ。すでに廃番のようだが、類似のモデルが売られている。足首をしっかり覆う高さがあるのがいい

 ただいずれの製品も、足裏は中綿が入っているだけのようで、床からの冷えが思ったよりダイレクトに伝わってしまう。床を踏むと綿が潰れて保温効果が失われてしまうようだ。中綿だけで保温するのは無理そうだが、かといって靴底にゴムやスポンジが入った外用のブーツのようなものを室内で履くのも、1日中履くことを考えると快適とは思えない。

 そこで、外靴を購入した際に余っていたインソールをルームブーツの中に入れてみた。これはかなり効果が高く、床から伝わる冷えをかなり防いでくれる。ブーツに合う形にインソールを切って整えるのがなかなか難しく、ブーツの中でインソールがズレやすいのがストレスなのだが、何もない時より快適度は高いのでよしとする。

インソールを入れると床からの冷えが伝わりにくくなる

 もうちょっといい製品としては、キャンプなどで使われるテントシューズというものがあるらしい。ロングブーツタイプもあり、ふくらはぎの上の方までカバーできそうだ。ただしお値段もそれなりにするし、サイズも大きくなるため、使い心地がどうかはわからない。今のルームシューズが痛んだ後のターゲットとして考えている。

ふくらはぎが寒いのはなんとかならないか?

 ここまでやってもまだ足りない。さらにひざ掛けを1枚導入し、脚の前側もある程度温めてみたものの、脚の後ろ側になるふくらはぎの冷えが止まらない。

 あとはふくらはぎそのものを対策するしかない、ということで導入したのがレッグウォーマーだ。冷静に考えれば、足を温めるという言葉の意味そのものの製品なのだから、さっさと導入すべきであった。

 レッグウォーマーは基本的に女性向けの製品がほとんどで、見た目重視だったり、男性にはサイズが合わなさそうだったりするものも多い。特にふくらはぎ全体を綺麗に覆い、ずり落ちず、上からズボンを履いて違和感のないものとなると、なかなかいい製品がない。冬のジョギングなどに使われるスポーツ向けのものはあるが、だいたい高価で、目的に合っているかどうかもわからない。

 そんな中で見つけたのが、オカモトの「はくらく」というブランドの男性向けレッグウォーマー。男性向けのサイズと、ズボンの下に履く前提の適度な薄さ、緩すぎずきつすぎないフィット感で、筆者のニーズを完璧に満たしてくれている。

使用中のレッグウォーマー。男性にもフィットするいいサイズ感

 素材は東レの保湿機能繊維「トルコン」と、東洋紡の吸湿発熱繊維「【eks】」を組み合わせたものだそう。こういう製品でハイテク繊維企業が2社混じって使われているのは珍しく感じる。実際に使ってみてもかなり温かく、日中だけでなく就寝時にも着たまま。これを使い始めてから数年は、夜に足がつって悲鳴を上げることが1度もない。

 現在使っているものはもう2~3シーズン使っているが、へたりも少なく長く使えている。素材の都合で毛玉が出やすいが、インナーとして使うものなので筆者は気にならない。価格も1000円程度と控えめで、ふくらはぎの冷えに悩む全男性におすすめしたい製品だ。

まだまだ何とかできそう

 ということでメッシュチェアの冷え対策は、電気座布団と薄いチェアパッド、インソールを入れたルームシューズ、ひざ掛け、レッグウォーマーという組み合わせになっている。ちなみにこれでも完璧とは言えず、ふくらはぎはまだまだ冷えを感じる。

 足元の防寒グッズにはほかにも、足元を覆うように置くパネルヒーターや、モバイルバッテリーで動作可能なヒーター入りルームシューズなど、まだまだ面白い製品がある。いずれも設置場所や使い勝手、費用の問題などで導入しづらいものもあるし、家の環境や個々人の冷え耐性によって必要なものも異なる。本稿で紹介した対策が1つでもお役に立てれば幸いだ。

 なお筆者の仕事部屋では、この冬にエアコンが2度目の故障で修理不能となった。今は交換費用を捻出すべく、北向きの極寒部屋で本稿をしたためている。

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