急遽テレワーク導入!の顛末記

「PCが勝手に再起動!? 原因はWindowsの不具合か?」――急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記(141)

診断ツールによると、ハードウェアには問題なさそう

Windowsの上書きインストールで解決するか?

 ここ1カ月ほど、自宅で作業しているPCの調子がどうもおかしい。何の前触れもなく、突然に再起動を行うようになり、その頻度が徐々に増している気がする。

 ……この記事を書いている時点で、東京都でまん延防止等重点措置が解除されてから410日が過ぎた。

 私が勤めている新宿にある中小企業では現在、各スタッフが可能な範囲でリモートによる業務を行っている。その中で、今回は標準ツールなどを使って、Windowsを修復してみた。

【今回のハイライト】
メモリなどの診断結果はシロ
SFCやDISMなどを試してみたが…
アプデ後はクリーンアップも忘れずに

4月21日(金):とりあえずメモリとSSDを診断してみた

PCが勝手に再起動……(今週2回目)

 作業中にPCがいきなり再起動した。もちろん、それまでの作業データはパー。この症状は2カ月前ぐらいからときどき起きるようになったのだが、今週はこれで2回目となる。

 このようなときには、まずメモリやストレージの故障を疑うべきだろう。このうち、メモリの診断については、「Windows メモリ診断」というツールが、Windowsには標準で用意されている。さらに、ストレージの診断には、「CrystalDiskInfo」といったアプリを使うのが一般的だ。

ツールバーの検索ボックス「メモリ診断」などと入力し、「Windows メモリ診断」を起動
「今すぐ再起動して~」をクリックするとWindowsが自動でシャットダウンされ、メモリ診断が実行される
メモリ診断が終わると、Windowsが再起動する。筆者の環境(32GB)では20分程度かかったので、時間に余裕があるタイミングで行いたい
「CrystalDiskInfo」では、上のバーでドライブを選ぶと、画面左の青色のアイコンに健康状態が表示される

 さっそく、「Windows メモリ診断」と「CrystalDiskInfo」を実行してみたところ、どちらの診断結果にも特に異常は見当たらなかった。ほかにも、CPUやマザーボード、電源に何らかの不具合がある可能性もあるが……。作業内容に関係なくPCが再起動している様子を見る限りでは、ハードウェアの不具合がトラブルの原因ではない気がする。

 ちなみに、筆者の環境ではメモリの診断が終わって、PCが再起動した後に、その結果が画面に表示されなかった。このような場合でも、「イベントビューア」には診断結果のログが残されているので、確認してみると良いだろう。

「コントロールパネル」の「システムとセキュリティ」を開き、「管理ツール」にある「イベント ログの表示」をクリック
「Windowsログ」の「システム」を確認すると、メモリ診断が終わった時刻に、「エラーは検出されませんでした」とのログが残っていた

4月24日(月):Windowsのイメージファイル修復で解決するか?

 PCが勝手に再起動する症状にハードウェアが関係ないのであれば、Windowsのシステムファイルが破損している可能性を疑うべきかもしれない。

 ということで、まずは「システム ファイル チェッカー ツール(SFC.exe)」を実行してみたところ、破損したファイルが見つかった。どうやら、システムファイルに何らかの不具合が起きているらしい。

 ただ、同ツールではデータの修復ができなかったので、さらに「展開イメージのサービスと管理(DISM)」ツールを実行。これで、ひとまずWindowsのイメージファイルを修復できたので、症状が改善したか様子を見ることにした。

管理者権限でコマンドプロンプトを起動。「sfc」と入力して、Enterキーを押す
「システム ファイル チェッカー ツール」が起動したので、ファイルの整合性の確認と修復を行う「sfc /scannow」コマンドを実行
破損ファイルが見つかったが修復できなかったので、「Dism /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth」とコマンドを入力。DISMによるイメージ修復を実行した

4月27日(木):作業環境はそのままWindowsを上書きインストールする

 先日は「展開イメージのサービスと管理」ツールによる、イメージファイルの修復を行ったのだが、昨日またPCが勝手に再起動してしまった。こうなると、Windowsをインストールし直すか、復元ポイントから復旧させる必要があるだろう。

 このうち復元ポイントについては、作成日が半年前と古かったので、今回はWindowsを上書きインストールすることに。作業には1時間ほどかかったが、「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」設定にしていたので、インストールされたアプリなどの作業環境はそのまま午後の仕事に取り掛かることができた。ひとまず、これで様子を見ることにしたい。

Windowsのメディア作成ツールのダウンロードサイトから、ツールをダウンロード。今回はWindows 10の上書きインストールを行うので、8GB以上の容量があるUSBメモリをPCに装着しておいた
ダウンロードしたEXEファイルをダブルクリックしてツールを起動し、ライセンス条項が表示されたら「同意する」をクリック
「実行する操作を選んでください」画面で、「別のPCのインストールメディアを作成する」を選び、「次へ」をクリック
「言語、アーキテクチャ、エディションの選択」画面では、「このPCにおすすめのオプションを使う」を有効にして、「次へ」をクリックした
事前にPCに装着しておいたUSBメモリを選択したら、「次へ」をクリック
Windowsのインストールメディアが作成されるので、作業が完了したら「完了」をクリック
先ほど作成したインストールメディア(USBメモリ)を開いて、「setup.exe」をダブルクリック
ユーザーアカウント制御画面が表示されたら、「はい」をクリック
「Windows 10のインストール」画面が表示されたら「次へ」をクリック
「適用される通知とライセンス条項」画面が表示されたら、「同意する」をクリック
更新プログラムのダウンロードなどが行われるので、インストールの準備が完了したら、「引き継ぐものを変更」をクリックし……
「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」が選択されているのを一応確認。「次へ」をクリックする
「インストール準備完了」画面に戻るので、「インストール」をクリック
Windowsのインストールがはじまり、表示が100%になるとPCが再起動する
引き続き更新プログラムの反映などが行われ、Windowsの上書きが無事に完了した

4月28日(金):古いWindowsフォルダを削除する

 昨日はWindowsの上書きインストールを行ったが、Cドライブを確認すると、古いWindowsフォルダが「Windows.old」とリネームされて残されていた。結構な容量を占めているので、削除しておきたい。

 ただ、このフォルダはエクスプローラー上からは削除できないので、Windows標準の「ディスク クリーンアップ」ツールを使うことにした。「配信の最適化ファイル」も結構な量が溜まっていたので削除。これで、Cドライブの空き容量を増やせそうだ。

Cドライブに「Windows.old」というフォルダが残されていた
削除するには、「PC」画面でCドライブを選択し、「ドライブ ツール」タブの「クリーンアップ」をクリック。「ディスク クリーンアップ」画面が表示されたら、「システム ファイルのクリーン アップ」をクリック
画面が更新されたら、「以前のWindowsのインストール」を選択した状態で「OK」をクリック。「これらのファイルを~」のメッセージが表示されたら、「ファイルの削除」をクリックする
警告画面が表示されるので、ここでも「はい」をクリック
クリーンアップが実行され、「Windows.old」フォルダが削除された

 なお、今回行った作業のうち、Windowsの上書きインストールなどは、途中で作業を中断するとPCに不具合が発生する恐れがある。そのため、なるべく時間がある時に、バッテリー切れにならない環境で実行するようにしたい。

とある中小企業に勤める会社員、飛田氏による体当たりレポート「急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記」。バックナンバーもぜひお楽しみください。

飛田九十九