急遽テレワーク導入!の顛末記

「IKEAの電動昇降ワークデスクを組み立てて、スタンディングワークしてみた」――急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記(126)

奥行80cmのゆったりサイズが魅力!

IKEAのワークデスク「BEKANT(ベカント)」

 マルチディスプレイ環境向けにディスプレイ台多機能スタンドを設置するなどして、自宅のPCまわりの環境を会社に近づけてみたのだが、たまに会社で仕事をしていると肩への負担が軽い気がする。原因はどうやらオフィスの机にありそうだ。

……この記事を書いている時点で、東京都でまん延防止等重点措置が解除されてから298日が過ぎた。

 私が勤めている新宿にある中小企業では現在、各スタッフが可能な範囲でリモートによる業務を行っている。その中で、今回は長年使ってきた自宅の机を買い替えることにした。

【今回のハイライト】
実は快適だった会社のデスク
IKEAの自動昇降デスクを組み立てることに
手軽にスタンディングデスクに変形!

1月6日(金):会社の机、実はかなり快適だった!

 今日は久々に会社で仕事をすることに。夕方までオフィスに篭もってPCに向かっていたのだが、家にいる時よりも肩への負担が軽い気がする。そこで気が付いたのが、PCに向かっている時の姿勢の違いだ。

 というのも、自宅の机は奥行きが60cmしかないので、キーボードをタイピングしている時などは、肘が椅子のひじ掛けに置いた状態になっている。しかし、会社の机は奥行きが80cmあるので、肘を机の上に置くことができた。これによって肘が安定するとともに、肘の高さが数センチあがったことで、肩への負担が軽減できたようだ。

奥行きが80cmあると、肘まで机に乗せて作業ができる

  テレワークが始まってからは、自宅で仕事をする時間の方が長くなっているので、何とかこの快適さを自宅に持ち帰りたい。となると、やはり机を買い替えるしかないか……。

1月9日(月・祝):奥行80cmを探してIKEAに行ってきた!

 週末に奥行きの長い机をいろいろ探していたのだが、その最有力候補となったのがIKEAの「BEKANT(ベカント)」だ。サイズは120×80cmで、脚の長さを65~85cmの間で調節可能。価格は1万9990円からとコストパフォーマンスも上々だ。

IKEAのオフィスデスク「BEKANT」

 さっそく、最寄りのIKEAに行って実物を見たところ、会社のデスクと同じように肘を机の上に載せてタイピングをしても、モニターとの距離を十分に確保できそうだ。ただ、机の上をタイピングっぽく指で叩いていると、脚が若干ガタついたのが気になった。机の上にいろいろと物を置いて重さをかければ、ガタつきも無くなるかもしれないが……。

 そこで店内を見て回っていたところ、同じ「BEKANT」で電動昇降式のフレームを採用したモデルを発見した。こちらはフレームの重さが増したせいか、ガタつきもなく、かなり安定している。価格は6万3990円と一気に跳ね上がったが……。ちょうど、電動昇降デスクが気になっていたので、思い切って購入することにした。

 最初は配送を考えていたのだが、パーツが意外とコンパクトだったので、車の後部座席を倒してトランク側から車内に押し込むことに。通常なら送料が5500円かかるので、実物を見るためにも、店舗を訪ねて正解だった。

天板がややかさばるが、あとはパーツの入ったボックスが2つと、そのまま車で持ち帰ることができた

1月10日(火):「BEKANT」(電動昇降モデル)を組み立ててみる

 仕事がひと段落したところで、さっそく「BEKANT」を組み立てることにした。パーツの入ったボックスを開けると、説明書が入っていたのだが、世界共通仕様のようで文字による説明はなかった。とはいえ、各工程が図解で説明されているので、基本的には作業に迷うことはないだろう(と思っていた)。

2本の脚をフレームでつないで
付属の六角レンチを使い、ボルトで固定
反対側にもう1本のフレームを固定する

 ということで、さっそく説明書に従って組み立てることに。まずは、電動昇降機能が内蔵された2本の脚を、フレームを使って固定。この脚がめちゃくちゃ重かったものの、付属の六角レンチでボルトを締めるだけなので、それほど苦労することはない。

2本の脚それぞれに、接地面となる台座をボルトで固定して……
接地用のパーツを台座にねじ込む

 さらに、脚に台座を固定して……。

天板にフレーム固定用のナットをねじ込み……
ナットを押し広げるようにネジで固定
さらに、タッピングビスを、天板に穴を空けながらねじ込んでいく

 天板にもフレームをネジ止め。この時、タッピングビスのように先端がとがったネジを天板にねじ込んでいくことになるが、体重をかけるようにすれば、普通のドライバーで固定することができた。

天板に固定したフレームと脚をボルトで固定

 で、この後は先ほど天板に固定したフレームを、脚とボルトで固定するのだが……。脚を天板の上にストンと降ろしてしまうと、ネジ穴が微妙に合わなかった。このため、作業中は脚を少し上に持ち上げながら、ボルトを固定することに。電動昇降機能が内蔵された脚はかなり重いので、この作業だけは2人で行った方が楽かもしれない。

ACアダプターとケーブルをつなぎ…
ケーブルのアダプターを、脚のコネクタに接続
さらに反対側にはリモコンを接続し、2つの脚を別のケーブルで接続する

 ここまで来ればテーブル部分は完成。あとは、電動昇降用のケーブルを繋いでいくのだが……、その図がどちらの方向から見たものかが、説明書ではよくわからなかった。というのも、2本の脚は「右用/左用」といった違いがないので、説明書の図解だけでは、前後どちらから見た図なのかが分からない。

 ひとまず上の写真のように繋いで、コンセントを電源タップに接続。リモコン操作をしたところ、脚が上下したので、これで問題ないようだ。

フレームの上にネットを張って、中にACアダプターなどを収納
ネットの固定用ループをクリップに通して……
天板の穴にねじ込んだあと、クリップにピンを打ち付けて固定する

 あとは、ACアダプターなどを、天板裏に吊り下げたネットに収納するのだが……。ここで注意すべきは、天板に前と後があること。後側には継ぎ目があるので、これが奥側になるように机を置きたい。

天板の側面には継ぎ目があるので、これを奥側にするなら、反対側にリモコンを固定することになる

 となると、リモコンが手前に来るように配線をしたいのだが、一度ネットを取り付けるとクリップを外すのがなかなか難しい。あらかじめ配線を確認してから、ネットを固定した方が良いだろう。

リモコンを2つのネジで天板の裏に固定する

 で、最後にリモコンをネジ止めするのだが、このネジをドライバーで天板の裏にねじ込もうとしても、滑ってなかなか固定することができなかった。結局、インパクトドライバーを使うことになったので、もし「BEKANT」(電動昇降モデル)を組み立てることになったら、工具を用意しておいた方が良さそうだ。

 ここまでの所要時間は約1時間30分。配線のところで少し戸惑ったが、なんとか無事に完成までこぎつけられた。写真を撮りながらの作業だったので、それがなければ1時間程度で組み立てることができるだろう。

1月11日(水):ほんの数秒でスタンディングデスクに変身

スイッチ一つで天板の高さを、65~125cm間で調整できる

 今日は自宅でテレワーク。モニターなどの設置は昨日のうちに済ませたので、今日はスタンディングスタイルで、仕事を片付けることにした。ボタンを押せばほんの数秒で天板が胸の高さまでくるので、手間を感じることなくスタンディングデスクに変形できる。

 で、数時間後にふと気が付くと、脚に結構な疲労が溜まっていた。これなら、無意識のうちに筋肉に負荷を掛けられるだろう。こうやって定期的に立ち仕事をしていれば、腰への負担も減らせそうだ。以前に机の上に折りたたみデスクを置いて、疑似的にスタンディングデスクを再現したことがあったが、いちいち机を組み立てるのが面倒で、結局使わなくなってしまった。だが、これならボタン1つで机の高さを調整できるので、気軽に日々の生活へと取り入れることができそうだ。

 そして、座ったときには、奥行きが80cmあるので、机の上に肘を置いてPC仕事ができる。天板の高さも微妙に変えられるので、微調整しているうちに、肩への負担を減らすポジションを見つけることができた。当初の予定より出費は増えたが、これでテレワークの快適度はかなりアップしたと言えるだろう。

飛田九十九