急遽テレワーク導入!の顛末記

「テレワーク不健康を解消!3000円で始めるスタンディングデスク」――急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記(40)

昇降機能がなくてもデスクonデスクでOK

デスクonデスクでスタンディングスタイルを確保

  年が明けてから、会社に行く日がめっきり減った。片道1時間の通勤がなくなったのは嬉しいが、その一方で気になるのが運動不足。ほぼ1日座ったままの生活が続いて、何だか腰痛が酷くなってきた気がする。

 ……この記事を書いている時点で、一都三県で緊急事態宣言が発出されてから36日が過ぎた。

 私が勤めている新宿にある中小企業では現在、ほぼすべてのスタッフがリモートによる業務を行っている。その中で、今回は健康のためにも、お手軽スタンディングデスクを試してみようと思う。

【今回のハイライト】
頑張ればモニターも置ける!
そして人をダメにするスタイルも……
傷つけ防止にチェアソックスを装着
【これまでの経緯】

緊急事態宣言が発令された4月、筆者の勤めている会社では何の準備もないまま、在宅勤務を始めることになった。仕事の環境は「デスクトップPC+メール」が普通だったため、データを外付けHDDで持ち運んだり、LINEの個人アカウントを流用したりと大混乱。その後、補助金などでNASやノートPCを導入、徐々にテレワーク環境を整えていく……

【4~8月末までの顛末はこちら】

2月3日(水):私に最適な“スタンディングデスクの高さ”とは?

 不要不急の外出を控える日が続いている。ふと気になって、iPhoneの「ヘルスケア」アプリを起動すると、月の平均歩数が2000歩/日以下になっていた。

ヘルスケアアプリ「今年歩いた歩数の平均は2020年よりも少ないです」

 そんな時にネットを検索していて目に留まったのが折り畳み式のテーブル。腰痛対策では以前から昇降デスクが気になっていたのだが、これを机の上に置けば、簡易的なスタンディングデスクとして使えるのではないだろうか? 数万円する昇降デスクはなかなか手が出ないが、これなら数千円で購入できるだろう。

 スタンディングデスクについて調べていると、「スタンディングデスクでの最適な机の高さの自動計算ページ」が見つかった。これによると、最適なスタンディングデスクの高さは102cm。今使っている机の高さが65cmなので、35~40cmの高さの折り畳み式のテーブルがあれば、スタンディングデスクの代わりになりそうだ。

ゲーミング家具ブランド「bauhutte」のホームページに掲載されている自動計算ページ

2月5日(金):テーブルがヘソの高さまでUP! タイピングも快適

 午前中に外出の用事があったので、足を延ばして近くのニトリに行くことに。店内を探していると、棚一つ分が折りたたみテーブルのコーナーになっていた。しかも、そのほとんどが高さは30~35cmのもの。これはもう買って帰るしかないだろう。

 今回はキーボードとマウスを置いても余裕があるようにと、天板のサイズが幅77×奥行50cmある「折りたたみテーブル キャル2 7050」(税込3045円)を購入。外箱には「組立目安 約5分」とあったが、ネジ止めなどは必要なく、そのまま完成品が入っていた。折りたたまれた脚を開くだけなので、組立(?)1分以下というところだろうか。

「折りたたみテーブル キャル2 7050」(税込3045円)。サイズは幅77×奥行50×高さ35cm
外箱には「組立目安 約5分」の表記が
折り畳み式の脚は握ってパイプ間を狭めるとロックが解除される

 さっそくデスクonデスクしてみると、折りたたみテーブルの天板が、ちょうどヘソの高さになった。会社支給のノートPCを置いて、しばらくタイピングをしてみたが、腕や肩への違和感はない。天板の奥行きに余裕があるので、外付けしたキーボードとマウスを一緒に置くこともできる。

 さらに、外付けしたモニターを、キーボードとマウスと一緒に置いてみた。これでも天板のスペースには余裕があるが、モニターとの距離が普段よりも近くなる。長期間での利用を考えるなら、モニターを置く台を別途用意した方が良いかもしれない。

デスクonデスク状態で、その上にノートPCを置いてみた
キーボードとマウス、モニターは一緒に置けないこともないが、画面との距離が近くなる

 この日はそのままスタンディングで仕事をしてみたが、特に肩などが痛むことはなく、腰痛は心なしか改善した気がする。久々に感じた足の疲れも、今となっては心地よい。健康のためにも、しばらくテレワーク中はこのスタイルで仕事を続けようと思う。

2月8日(月):人をダメにする折り畳みデスク誕生!

売り場で折りたたみテーブルを見た時から、一度やってみたかったやつ

 はい、これが今日の仕事スタイル。ベッドonデスクwithビーズクッション。いわゆる“人をダメにする”やつだ。「健康のためとは何だったのか?」と言われそうだが、これはヤバい、めっちゃ楽。仕事をしている感じじゃないのに、気が付いたら作業が終わっていた。ベッドから起きるのが億劫になり、逆説的に仕事しかしなくなる……かも?

 ただ、私の場合は折りたたみテーブルが高すぎたので、お尻に座布団を2枚重ねて敷いてみた。体圧が尻以外にも分散するので、これはこれで腰への負担が和らぐ気がする。……楽した身体が言い訳しているだけかもしれないが。

メールの音で目が覚めて、仕事が終わったらまた眠る。デスマーチの時にはいいかもしれない

2月9日(火):チェアソックスを装着して、ひとまずスタンディングデスクが完成!

 画面との距離を空けるためにも、机の前にある出窓にモニターを置いてみた。すると今度は画面の高さが下がったので、モニターの脚下に踏み台をかましてみる。これでまた一歩、スタンディングスタイルのベストポジションに近づいたようだ。

モニターを踏み台に置き、出窓に移動してみた
折りたたみテーブルの上にスペースが空いたので、スマホやマグカップなどが置けるように

 この日は溜まっていた原稿を書き進めることにしたが、キーボード入力していると、タイプ音が折りたたみテーブルの脚越しに、下のテーブルに響くのが気になった。金属製の脚がテーブルを傷つけそうなのも気になったので、昼食の買い物がてらにダイソーへ。チェアソックスを購入して、折りたたみテーブルの脚に履かせてみた。

ダイソー「チェアソックス」(税込110円)
折りたたみテーブルの脚に「チェアソックス」を履かせてみる

 これで、タイプ音の響きがほとんど気にならなくなった。ベッドonしても布団を痛める心配をしなくて済むだろう。

 この原稿を書き終えたところで、スタンディングスタイルで仕事をしてから約1週間が過ぎたが、酷くなっていた腰痛が少し軽くなった気がする。仕事に集中していれば立っていることが気にならないので、しんどさを感じることなく、身体に適度な負荷をかけられている印象だ。このまま、“さらにステップを踏む”など、いろいろな展開が考えられるが、ひとまずはスタンディングスタイルで仕事を続けてみたいと思う。

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※編集部より
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飛田九十九