急遽テレワーク導入!の顛末記

「USBマイクでヘッドセットから解放された! iPhoneでの利用もOK」――急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記(79)

Zoomの音質がUP! さらにiPhoneでのビデオ会議でも大活躍

USBケーブルで接続するタイプのコンデンサーマイクを買ってみた

 外に出る時にはマスクを着けて、ビデオ会議の時にはヘッドセットを装着。テレワークが始まってから、頭に何かを身に着ける機会が増えた。おかげで耳が痛くなるし、首が凝って困っている。

 ……この記事を書いている時点で、東京都で4回目の緊急事態宣言が解除されてから64日が過ぎた。

 私が勤めている新宿にある中小企業では現在、各スタッフが可能な範囲でリモートによる業務を行っている。その中で、今回はせめて家ではヘッドセットを外せるように、USB接続のコンデンサーマイクを導入してみた。

【今回のハイライト】
ケーブルで接続するだけと導入は簡単
Zoomのマイクとして利用できる
さらにWebカメラもつないでみたが……

11月29日(月):ケーブルで接続するだけと、セットアップは超カンタン

コンデンサーマイク「Moman EM1 USB Microphone」

 先週末に発注しておいたUSB接続のコンデンサーマイク「Moman EM1 USB Microphone」が、さっき自宅に届いた。価格は3000円弱ということで、この手のマイクの中では比較的に安価な部類になるだろう。

 箱を開けてみるとマイク本体とそれを装着するスタンド、USBケーブル2本、ウィンドマフが同梱されている。マイクの底にはねじ溝が切ってあり、スタンドのホルダーにねじ込むようになっていたので、さっそく装着。USBケーブルでPCにつなぐと、すぐにマイクとして認識された。

USBケーブルで接続するだけで、Windowsでマイクが認識された

 明日には会社の全体ミーティングにZoomで参加するので、さっそくマイクを使ってみたい。その前にマイクで拾った音を録音して、音質を試しておくことにしよう。フリーソフトの「♪超録」を起動し、入力デバイスに「マイク(Moman EM1 Microphone)」を選択。マイクの前で話した声を録音したところ、ノイズなどなくクリアに音声を拾えていた。これなら問題なく、明日のミーティングに利用できそうだ。

録音用では定番のフリーソフト「♪超録

11月30日(火): Zoomの設定画面では音声のテスト録音も可能

 今日は会社の全体ミーティングの日。いつもなら1時間ぐらいヘッドセットを着けっぱなしにするので、首や肩の凝りに悩まされるところだが……。今日はUSBマイクがある。Zoomを起動し、設定画面でマイクに「Moman EM1 Microphone」を指定すると、すぐにUSBマイクの声を拾って「入力レベル」のメーターが動いた。

Zoomの「設定」画面で、マイクに「Moman EM1 Microphone」を選択

 ちなみに、Zoomでは「マイクのテスト」ボタンをクリックすることで、指定されているマイクの音声を一時的に録音して、その場で確認することができる。ここでZoom側の音量を最大に、マイク側のゲイン(出力)を中ほどぐらいにしたところ、丁度よい感じで音声を拾うことができた。

 後は、そのままビデオ会議に参加すればOK。ゲインを最大にしても音割れなどは起きなかったので、こちらの声を相手が聴きづらいような時は、調整つまみを回してゲインを最大にすればよいだろう。

「Moman EM1 USB Microphone」はつまみを回すことで、ゲインを調整できる。その下にはミュートボタンも用意

12月1日(水):iPhoneにUSBマイクをつないで、ビデオ会議に参加してみた

 今日は出社して仕事をすることに。午後からZoomを使って、会議室でミーティングを行うことになっているが、このためだけにノートPCを持っていくのは面倒くさい。

 そこで、以前に購入しておいた、iPhoneの画面をHDMIで出力するアダプター(「ノートPCを持ち歩くのが重いので、iPhoneだけで仕事してみた」――急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記(77))とマイクだけをカバンを入れて、ノートPCは家に置いておくことにした。

 その後、オフィスで仕事をしているうちにミーティングの時間が来たので、アダプターにマイクをUSBケーブルで、会議室に据え置きのモニターをHDMIケーブルで接続。そのうえで、アダプターをiPhoneに装着し、Zoomが起動したら利用するカメラをアウトカメラに変更する――。これで、ミーティング相手の映像はモニターに表示しつつ、音声入力はマイクで、映像の撮影にはiPhoneのアウトカメラが使えるようになった。

モニターとUSBマイクをiPhoneに接続。こちらの映像はiPhoneのカメラで撮影するので、スタンドがあるとアングルを調整しやすい

 そのままミーティングを始めたところ、ノートPCを使わずに、iPhoneだけでも十分なクオリティでビデオ会議が行えた。ヘッドセットを使う時とは違って、こちらの参加者が何人いてもZoomに接続する端末がiPhone1台で済むのも手軽でいい。

 ただ、バッテリーの消耗が激しかったので、iPhoneの充電ケーブルも併せて使っておくべきだったかもしれない。また、出勤中にスタンドがカバンの中でかさばったので、持っていくのはマイク本体だけでよかった。机の上にスポンジなどを挟んで置けば、振動などをマイクが拾うこともないだろう。

 ちなみに、後でiPhoneにかかってきた電話に対応したところ、USB接続したマイクでは音を拾うことはできなかった。どうやらハンズフリーで電話をするには、ヘッドセットがマストなようだ。

12月2日(木):Webカメラの映像を、iPhoneで使えるか?

 オフィスでテレワーク用の機材を整理していたところ、最近使っていなかったWebカメラが出てきた。このWebカメラにはマイクが内蔵されているが、iPhoneに接続したら映像も音声もこれ1台で拾えるようになるだろうか?

WebカメラをiPhoneにUSB接続したところ、内蔵マイクだけZoomで利用できた

 さっそく、昨日も使ったアダプターを使って、WebカメラをiPhoneに接続したところ、内蔵マイクの音声をZoomなどで利用することができた。ただ、カメラの映像は、どうやらZoomでは利用できないらしい。……まぁ、iPhoneの内蔵カメラの方が画質がよいので、特には困らないが。USBマイクを忘れた時には、Webカメラを代わりに使えると覚えておくと良さそうだ。

12月3日(金):ヘッドセットより音質がUPしていた!

 自宅で作業をしていたところ、上司に急遽確認したいことが出てきた。資料を共有しながら話をしたかったので、Zoomで連絡することに。しばらくすると、こちらがヘッドセットを着けていないことに気が付いたようなので……。

【飛田】: (マイクをカメラに向けながら)実はUSBマイクを使って話しているんですよ。

【上司】: へぇー、そんなの買ったんだ。それだけ大きなマイクを使うと、音がキレイに聞こえるんだねぇ。

【飛田】: あっ、そうなんですか? ヘッドセットを被るのが面倒なので使ってみたんですけど、やっぱりZoomの音質も上がるんですねぇ。

【上司】: うん、前よりずっとクリアに聞こえるよ。これなら、クライアント相手の商談にもいいかもしれないね。

 USBマイクを購入したことで、自宅でのビデオ会議が楽になっただけでなく、よりクリアな音質でZoomの相手と話すことができた。マイク単体ならカバンの中で場所を取らないので、いろいろな場所に持ち歩いて使うこともできそうだ。

 

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※編集部より
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飛田九十九