急遽テレワーク導入!の顛末記

「マウスの1.3万円Winタブを会議室に置いたら、資料の共有がスマートになった!」――急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記(117)

「mouse E10」が“みんなの”ワイヤレスディスプレイに

手持ちのPCのデスクトップ画面を、「接続」アプリ経由で「mouse E10」につないだディスプレイにミラーリング

 先日はマウスコンピューターのWindowsタブレット「mouse E10」をテレビ脇に置くことで、激安価格でリビングにWindows環境を構築できた。簡単な調べ物をしたり、仕事のメールを確認するぐらいなら、このスペックでも十分使える気がする。

 mouse E10のペン無しモデル「mouse E10-VL」は税込み1万3000円なので、コストパフォーマンスはバッチリだ。

 ……この記事を書いている時点で、東京都でまん延防止等重点措置が解除されてから221日が過ぎた。

 私が勤めている新宿にある中小企業では現在、各スタッフが可能な範囲でリモートによる業務を行っている。その中で、今回は「mouse E10」について、オフィスでの使い方も考えてみた。

(11/2 更新)記事初出時、機種名に誤りがありました。
お詫びして訂正させていただきます。

【今回のハイライト】
サブディスプレイとして利用
資料をローカル・リモートで共有
スタイラスを活かした使い方も

10月24日(月):「mouse E10」をサブディスプレイとして利用してみた

 今日は週に1度の出社する日。うちの会社は基本的にはテレワークだが、最近では人員配置の都合上から、オフィスでも仕事をするよう求められている。

 そこで、ふとリビングに置いてある「mouse E10」について、「会社でも便利に使えないか?」と思い、カバンに入れて出社してみた。その用途として真っ先に思いついたのが、「mouse E10」をサブディスプレイとして利用するというもの。画面は10.1型とiPadとほぼ同じサイズで、B5ノートより一回り小さいが、何か一つのアプリのウィンドウをフルスクリーン表示させるには十分だろう。

 「mouse E10」をサブディスプレイとして利用するには、Windows標準の「接続」アプリを利用するのが一番手っ取り早い。ただ、このアプリの利用に必要な「ワイヤレスディスプレイ」というオプション機能が「mouse E10」には標準で用意されていなかったので、「設定」画面から追加のインストールが必要だった。

「設定」画面で「システム」を開き、左のメニューから「このPCへのプロジェクション」を選択。「オプション機能」のリンクをクリックする
「オプション機能」の画面が表示されたら、「機能の追加」アイコンをクリック
検索ボックスで「ワイヤレス」などと検索し、検索結果から「ワイヤレス ディスプレイ」を選択して「インストール」をクリック
機能のインストールが始まるので、終了までしばらく待つ
機能がインストールされると、グレーアウトされていた各プルダウンが操作可能に。今回は上のように設定を行った

 オプション機能のインストールが終わったら、スタートメニューから「接続」アプリを起動。これで、「mouse E10」での操作は終わったので、後はデスクトップ画面を投影する側のPCで「Win」+「K」のショートカットを実行。サイドバーに「mouse E10」のコンピューター名が表示されるので、これをクリックすればサブディスプレイとして利用できるようになる。

オプション機能をインストールしたら、以降は「接続」アプリを起動するだけで、「mouse E10」側の受け入れ準備は完了
「mouse E10」をワイヤレス ディスプレイとして利用できるようになった!

 ただ、「接続」アプリは通信にMiracastを利用しているので、会社の無線LAN環境では、操作に若干の遅延が感じられた。このため、頻繁に操作を行うアプリを表示させるというよりは、“資料として確認したいウィンドウを配置する”といった使い方に主になりそうだ。

10月25日(火):会議用資料の投影に「接続」アプリを使ってみる

 今日は午後から部署のミーティングのため出社することに。オフィスの会議スペースに、それぞれがノートPCを持ち込み、資料をテーブル据え付けのディスプレイに表示することになったのだが……、ここでふと思いついて「mouse E10」をHDMIケーブルでディスプレイに接続。「接続」アプリを起動させて、そこに各ノートPCからデスクトップ画面をリモート投影してみた。

ノートPCのデスクトップ画面を、「mouse E10」を経由してディスプレイにミラーリング

 こういう場面では、以前ならディスプレイに繋いだHDMIケーブルを、ノートPC間で刺し替えながら資料を投影していた。しかし、この方法ならケーブルは「mouse E10」に繋いだままでよいので、ずっとスマートにミーティングが行えるだろう。

「このデバイスからのマウス~」をクリックして、チェックをオンにする

 なお、「接続」アプリでミラーリングを行っている際は、接続時に設定を行うことで、「mouse E10」から投影元のPCをリモート操作できるようになる。これを応用すれば、後輩が作業している様子をリモートで確認しつつ、何かミスがあったら操作をフォローする……といったリモートデスクトップ的な使い方もできる。

10月26日(水):投影されたディスプレイの様子を、リモートデスクトップで遠隔視聴

 会議室での使い方が好評だったので、「mouse E10」を会社に置いて帰ることにした。どうやら、今日行われる全体ミーティングで使いたいらしい。

 そのミーティングには筆者も自宅からZoomで参加したのだが、会議室に置かれたWebカメラ越しでは、「mouse E10」に接続されたモニターに表示された資料が見えづらい。そこで、「mouse E10」にchromeリモートデスクトップで接続したところ、投影元のノートPCのデスクトップ画面を、ブラウザー越しに見ることができた。

「mouse E10」越しに会議室のモニターに投影されたデスクトップ画面を、「mouse E10」にリモートデスクトップ接続して自宅から確認

 ちなみに、会社のネットワークにVPN接続した状態で、自宅から「mouse E10」を外部ディスプレイとして使えるか試してみたが……。やはり、通信にMiracastを利用している都合上、Bluetooth接続できる状態でないとダメらしい。仕方がないので、この日はchromeリモートデスクトップ経由で資料のファイルを「mouse E10」に送り、それを開くことでディスプレイに表示させることにした。

10月28日(金):Zoomでスタイラス入力を活用したい!

 今日は自宅のリビングに「mouse E10」を置いて、会社で行われているミーティングにZoomで参加。Zoomの「共有」機能で表示された資料について質問したのだが、なかなか同僚に意図が伝わらない。

 そこで、Zoomの注釈機能とスタイラスを組み合わせて、共有された資料にペン入力で指示を出してみた。これなら質問の意図を分かりやすく伝えられると思ったのだが……。同僚が資料の表示を下にスクロールしたところ、ペン入力した指示を残したまま、表示内容が下にズレてしまった。いいアイデアだと思ったのだが、これはちょっと使えそうにない。

スタイラスを使って、画面共有された資料に指示を出す
相手が資料のページをスクロールすると、指示と資料の位置がズレてしまった

 そこで、Zoomで「ホワイトボード」を作成し、そこに先ほどの資料の文章をコピーしてもらったところ、スクロールしても指示と資料の位置関係がズレなくなった。Zoomでスタイラスを利用したいなら、「ホワイトボード」と組み合わせて使うのがよさそうだ。

ホワイトボードに書き込んだ注釈は、画面をスクロールされても位置関係がズレない

 会議室のディスプレイと組み合わせることで、「mouse E10」のオフィスでの使い道が見えてきた。

 ちなみに、10月時点で税込み1万3000円で販売されている「mouse E10-VL」にはスタイラスペンが付属していないのだが、MPP準拠のペンであれば利用できる。別途購入するなり、手元に余りがあるのなら活用してみるのも良さそうだ。

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※編集部より
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飛田九十九