急遽テレワーク導入!の顛末記

「iPhoneやPCに分散したアドレス帳を、Googleの連絡先にひとまとめにしたい」――急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記(66)

これでGoogleカレンダーからのZoom招待も楽々

iPhoneやThunderbirdなどに散ったアドレス情報を、googleの「連絡先」にまとめる

 前回Zoomを同期させたことで、ミーティングへの招待メールをGoogleカレンダーから直接送れるようになった。ただ、その招待メールを送る時、相手のメールアドレスを入力するのに手間取ることがある。

 ……この記事を書いている時点で、東京都などで4回目の緊急事態宣言が発令されてから46日が過ぎた。

 私が勤めている新宿にある中小企業では現在、各スタッフが可能な範囲でリモートによる業務を行っている。その中で、今回はスマホやThunderbirdに分散しているアドレスを、googleの「連絡先」にまとめて登録してみた。

【今回のハイライト】
Thunderbirdの連絡先はアドオンで
iPhoneの連絡先はアプリで
名刺もiPhoneでスキャンして登録
【これまでの経緯】

緊急事態宣言が発令された2020年4月、筆者の勤めている会社では何の準備もないまま、在宅勤務を始めることになった。仕事の環境は「デスクトップPC+メール」が普通だったため、データを外付けHDDで持ち運んだり、LINEの個人アカウントを流用したりと大混乱。その後、補助金などでNASやノートPCを導入、徐々にテレワーク環境を整えていく……

【2020年4~8月末までの顛末はこちら】

8月24日(火): Googleカレンダーでのアドレス入力がちょっと面倒……

Googleの「連絡先」に登録されているアドレスは、最初の数文字を入力すると候補として表示される

 今進めているプロジェクトに新たな展開があり、急遽メンバーで話し合うことになった。そのZoomの招待をGoogleカレンダーから行おうとして、これが意外と面倒なことに気が付く。メンバーのうち何人かのアドレスがGoogleに登録されていなかったので、Thunderbirdのアドレス帳からコピペで入力することになった。

 すでにGoogleの「連絡先」に登録されているアドレスは、最初の数文字を入力すると候補としてリストに表示される。後はクリックして入力できるので、手間がないのだが……。これを機会に、「連絡先」のデータをアップデートしておいた方が良いかもしれない。

8月25日(水): Thunderbirdの連絡先をワンクリックでコピーする

 午前中の仕事を片付けたところで、さっそくGoogleの「連絡先」にThunderbirdのアドレス帳から連絡先を移行させることにした。

メニューバーから「ツール」→「アドオン」と操作。「アドオンマネージャー」の検索ボックスから「TbSync」を検索して、インストールする
続いて、「Provider for CalDAV & CardDAV」もインストール

 Thunderbirdのアドレス帳は標準の機能でエクスポートできるが、今後は頻繁に同期する可能性もあるのでアドオンを利用することに。アドオンマネージャーを起動して、「TbSync」とその関連ツールの「Provider for CalDAV & CardDAV」をインストールする。

 あとは、「TbSync」を起動したら、アカウントを作成して、Googleに紐づけ。すると、新しいアドレス帳が作成されるので、ここに同期させる連絡先を移せば、ワンクリックで同期できるようになった。

ウィンドウ右下の「TbSync:待機中」をクリック。表示された画面で「アカウント操作」→「新規アカウントを追加」→「CalDAV & CardDAV」と操作する
「Manual Configuration」を選択して、「次へ」をクリック。アカウント情報の入力画面で、アカウント名を適当に入力し、「CardDAV server address」に「https://www.googleapis.com/.well-known/carddav」と入力
Googleアカウントでサインインすると、「今すぐ同期」ボタンから、新たに作成されたアドレス帳をGoogleと同期できるようになる

 実際に同期操作を行ったところ、Googleの「連絡先」に同期した連絡先が登録された。主要な連絡先は新たなアドレス帳に移したので、後はここを最初に表示するようにThunderbirdの設定も変更しておこう。

新しく作成されたアドレス帳(tobita)を右クリックし、「初期表示ディレクトリー」を選択すると、メールの作成画面などでこのアドレス帳が最初に表示されるようになる

8月26日(木): iPhoneの連絡先もGoogleにコピーしてみよう

 この機会にせっかくだから、いろいろな場所に散った連絡先を、Googleの「連絡先」をにまとめておこう。そこで目を付けたのがiPhone。主に保存されているのは電話番号だが、中にはメールアドレスを登録しているものもある。

 iPhoneとGoogleの「連絡先」の同期には、アプリ「Googleドライブ」が便利だ。「連絡先」や「カレンダーの予定」を同期させる機能が用意されており、チェックボックスをオンにしたものだけ同期ができる。

 操作後にGoogleの「連絡先」を確認すると、こちらも問題なく連絡先がコピーされていた。iPhoneからコピーした連絡先には、iPhone名のラベルが付いていたので、これでソートしてプライベートな連絡先を削除。Googleの「連絡先」を仕事用にカスタムしておこう。

「設定」→「バックアップ」と操作し、上の画面で「連絡先」をタップ。「Googleコンタクトにバックアップ」を有効にする
「バックアップを開始」をクリックすると、iPhoneの連絡先がGoogleの「連絡先」に登録された

 なお、ThunderbirdとiPhoneから同期したことで、Googleに重複して保存された連絡先も出てきたが、クリックして開くと「統合と修正」というボックスが表示され、ワンクリックで一つにまとめることができた。中には、名前が違うので“重複”と認識されていないものもあったが、両者を選択すると「統合」というメニューが表示されるので、これらの機能を使ってサクサクと「連絡先」を整理できる。

重複した連絡先をクリックして開くと、「統合と修正」というボックスから連絡先を統合できる
連絡先を複数選択すると上に表示される上向き矢印のアイコンからも、連絡先を統合できる

8月27日(金): 名刺からスキャンした連絡先をGoogleに登録

 今日は急な案件で出社することに。仕事が一息ついたところでデスクを整理していると、モニターの陰から名刺フォルダが出てきた。中を見ると、スマホやThunderbirdに登録していない連絡先が結構ある。

 また、しばらくテレワークなので持ち帰ってもいいのだが、せっかくなのでスマホで「Wantedly People」というアプリを起動した。これは撮影した名刺をデータ化するアプリで、この手のアプリでは「Eight」が有名だろうか。筆者も最初は「Eight」を使っていたが、一部機能が有料版でリリースされたので、今はこちらをメインで利用している。

名刺管理アプリ「Wantedly People」

 そんな、「Wantedly People」の機能の一つに、iPhoneの連絡先との同期がある。これを有効にしておくと、名刺をスキャンすることで、そのデータがiPhoneの連絡先にも保管される。この状態で「Googleドライブ」の同期を行うと、Googleの「連絡先」に名刺からスキャンした連絡先が登録された。メールアドレスしか登録されていなかった連絡先にも、住所などの情報が追加登録できたので、付き合いのある相手の名刺は片っ端からスキャンしておこう。

「Wantedly People」で「設定」→「つながり」と操作。「iPhoneの連絡先と同期」を有効にする

 ちなみに、「Eight」にもGoogleとの連携機能が用意されていた。こちらは、“Googleの「連絡先」に登録してある人を、Eightユーザーから探す”というもの。せっかくなので、こちらの機能も有効にしておくことにする。

「Eight」で「設定」→「外部サービス連携」と操作。「Gmail」で接続操作を行う

 仕事関係の連絡先が一通り登録できたので、GoogleカレンダーからZoomの招待メールを送るのが楽になった。新しい取引先などができたら、引き続き登録作業を続けていきたい。

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※編集部より
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飛田九十九