急遽テレワーク導入!の顛末記

「ついに田んぼが空を飛ぶ? またAI(Disco Diffusion)にプロフィール画像を作ってもらった」――急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記(113)

狙い通りの絵を描いてくれるAIを探してみた

ついに田んぼが空を飛ぶ……

 前回は画像生成AIの「Stable Diffusion」に、プロフィール画像用として“田んぼが空を飛ぶ”絵を描いてもらった。結果としてそれっぽい画像はできたのだが、結局は“空を飛ぶ”様子を再現できなかったのが残念だ。

……この記事を書いている時点で、東京都でまん延防止等重点措置が解除されてから173日が過ぎた。

 私が勤めている新宿にある中小企業では現在、各スタッフが可能な範囲でリモートによる業務を行っている。その中で、今回は目当ての絵を描いてもらうべく、ほかのAIも試してみることにした。

【今回のハイライト】
無料の画像生成AIを巡回中…
AIがお絵描き中(13%...)
ついに田んぼが空に!

9月5日(月):いろいろなAIを試してみたものの……

 「Dream」や「Craiyon」、「DeepAI」などなど……。あれから時間を見つけてはフリーの画像生成AIサービスに絵を描かせてみたが、なかなか思うような結果が得られない。作成する画像の指定についても、いろいろなキーワードを試したがダメ。どうやら、AIには非現実的な光景が受け入れられないらしい。

 やはり田んぼは空を飛ばないのだろうか……。

Dreamが描いた「Makoto ShinkaiがSNS Icon用に描いたflying Paddy field」
Craiyonが描いた「Makoto ShinkaiがSNS Icon用に描いたflying Paddy field」
DeepAIが描いた「Makoto ShinkaiがSNS Icon用に描いたflying Paddy field」

9月6日(火):アーティスティックな絵を描く「Disco Diffusion」に制作を依頼!

 ここ数日はサイトにアクセスするだけで簡単に使えるサービスばかりを利用してきたが、今日はまとまった時間が取れたので大物の画像生成AIにチャレンジしたい。

 今回、利用する「Disco Diffusion」は、「Stable Diffusion」と同じように「Google Colab」上で実行することが可能。コードを丸ごと自分のGoogle Driveにコピーしたら、上から順にコードを実行することで利用が可能となる。

メニューから「ファイル」→「ドライブにコピーを保存」と操作
ポップアップメッセージが表示されたら、「OK」をクリック
前回の「Stable Diffusion」と同じようにコードを順に実行、もしくは「全てのセルを実行」する
Googleドライブへのアクセス許可を求められたら、「Googleドライブに接続」をクリック。利用するGoogleアカウントを指定する
「Prompts」までたどり着けば準備は完了。「text_prompts」の「0:[]」内に、絵のお題を“”で囲って入力。「Diffuse!」のコードを実行すれば、絵が作成される

 準備が整ったところで、まずはテスト用に「Internet Watcher」をお題として、AIに絵を描かせてみた。「Disco Diffusion」の面白いところは、絵を描く過程が見られること。下絵を描いてから、細部を書き込んでいく……という工程をリアルタイムで観ることができる。

「Makoto Shinkai が描いたInternet Watcher」をお題に、AIが絵を描いているところ(13%進行中)
51%進行中……
所要時間15分ほどで絵が完成

 しばらく様子を見ていると、筆者のPC環境では15分ほどで作業が完了した。完成した絵は“空の上からインターネットの様子を見守っている人たち”だろうか? なかなかアーティスティックな仕上がりになっている。

 その後も何度かテストをしてみたところ、これまでのツールとは違った絵をAIが描いてくれた。これは、“空を飛ぶ田んぼ”についても期待が持てそうだ。

「unrealengine がSNS Icon用に描いたInternet Watcher」と指定すると、キャラクターアイコンとしても使えそうな絵を描いてくれた
「unrealengine がLogo用に描いたInternet Watcher」はEマークとヘルメットの融合に。U字にあいた穴が口に見えて、一気にキャラクターっぽくなった

9月7日(水):ついに“空を飛ぶ田んぼ”の絵が完成!

 「Disco Diffusion」が描く絵の傾向も見えてきたので、いよいよ“flying Paddy field”(空飛ぶ田んぼ)を描かせてみたい。

 まずは冒頭に「SNS Icon of」と利用目的を指定したところ、“田んぼで文字を描かせようとする”など一部が強調された仕上がりとなった。そして、その中には田んぼが空を飛んでいる姿が! この部分だけ切り取れば、まさに目的通りのアイコンが作れそうだ。

「Makoto Shinkai がSNS Icon用に描いたflying Paddy field」をお題にAIが描いた絵。中央やや右上に空を飛ぶ田んぼが!

 続いて、頭に「Logo of」と付けてみたのだが、これは「Stable Diffusion」と同様に謎の文字が描かれてしまう。見た目はアイコンっぽいのだが、やはりこのままでは使えそうにない。

「Makoto Shinkai がLogo用に描いたflying Paddy field」をお題にAIが描いた絵

 ここまで来ると目的を与えずに描かせた絵がどうなるか? も気になってくる。ということでAIに作らせた絵がコレだ。空に浮いた島に田んぼがあるような絵に仕上がり、中央には不時着したと思われる飛行機の姿が。これも飛行機を中心に切り取れば、なかなか面白いアイコンになりそうだ。

「Makoto Shinkai が描いたflying Paddy field」をお題にAIが描いた絵

9月8日(木):いや、これは本当に沼(時間泥棒)だ……

 「Disco Diffusion」を利用することで、ようやく狙い通りの絵をAIに描かせることができた。Googleのアイコン画像には、すでに「Stable Diffusion」に描かせた絵を使用しているので、これはtrelloなど別のサービスのアイコンに使用してみたい。

画像編集ソフトを使って、AIが描いた絵を丸く切り抜いた様子。“空を飛ぶ田んぼ”っぽい仕上がりになった

 と、ここまで原稿を書いたところで、ふと「空に浮いた島にある田んぼ」と指定した方が良かったのでは? と思いついたので、さっそく試してみたのだが……。結果として、今まで以上に狙い通りの絵ができてしまった。いや、これ沼だよ本当、きりがない(汗)。

「Makoto Shinkai が描いたRice fields on an island floating in the sky」をお題に「Disco Diffusion」が描いた絵。右の方で完全に田んぼが空を飛んでいる

 これまでいくつかの画像生成AIを使ってみたが、「Disco Diffusion」はアーティスティックな絵が描けるものの、1枚当たり15分近くかかってしまうのが悩ましいところと言えそうだ。一方、「Stable Diffusion」なら30秒ぐらいでハイクォリティな絵を描いてくれるので、目的に合わせて利用するAIを使い分けることになるだろう。

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※編集部より
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飛田九十九