急遽テレワーク導入!の顛末記

「リモートでの社内情報共有に『Confluence』を使ってみた」――急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記(36)

顔を突き合わせない“プロジェクト引き継ぎ”や“新人教育”は可能か?

引き継ぎマニュアルを「Confluence(コンフルエンス)」で共有、管理してみた

 テレワークに伴うコミュニケーション不足で、各プロジェクトの進捗管理で細かいトラブルが増えている。主に使っているLINEのやり取りだけでは、伝えるべき情報が漏れていたり、大事な情報が見過ごされてしまいがちだ。

 ……この記事を書いている時点で、一都三県で2度目の緊急事態宣言が発令されてから10日が過ぎた。

 私が勤めている新宿にある中小企業では、テレワークによるコミュニケーション不足から進行管理にトラブルが頻発。これを解決するために、クラウドツール「Trello(トレロ)」の本格導入を検討している。現在、後任への引き継ぎを行っている経理部でも問題が起きているようなので、Trelloが使えないか話を聞いてみることにした。

【今回のハイライト】
マニュアルの文面をConfluenceにコピペ
コメントのやり取りをメンバー全員で共有できた
メール通知でコメントの見過ごしもない

【これまでの経緯】

緊急事態宣言が発令された4月、筆者の勤めている会社では何の準備もないまま、在宅勤務を始めることになった。仕事の環境は「デスクトップPC+メール」が普通だったため、データを外付けHDDで持ち運んだり、LINEの個人アカウントを流用したりと大混乱。その後、補助金などでNASやノートPCを導入、徐々にテレワーク環境を整えていく……

【4~8月末までの顛末はこちら】

1月12日(火): 経理で引き継ぎトラブル 原因はコミュニケーション不足

 緊急事態宣言の発令に伴って、今日から本格的にテレワーク。

 経費の件で経理部のAさんと電話で話をする機会があったのだが、どうやらテレワークの影響もあって、業務の引き継ぎがうまくいってないらしい。「今月中には終わらせないと」といっていたが、このまま続けて大丈夫なのだろうか?

 前回、アトラシアンの“中の人”に「今ある問題を見直すことが重要」とアドバイスをもらっていたので、話を深く掘り下げて聞いていると、どうやら原因はコミュニケーション不足にありそうだ。後任となっている同僚のBさんとはSlackを中心にやり取りをしているようだが、話の一部が伝わっていなかったり、忘れられていたりで、予定より時間がかかっているという。

社内Wiki的なクラウドツールのConfluence。Trelloと同じく基本無料で使える

 引き継ぎはマニュアルをベースに行われているようなので、Trelloよりは、「Confluence(コンフルエンス)」の方がマッチするかもしれない。これは、社長に相談すべきだろうか……。

1月13日(水):経理の引き継ぎマニュアルを社内で共有試しにConfluenceを使ってみる

 経理部の引き継ぎの件について社長や役員に相談したところ、Confluenceを使ってみようという話になった。さっそく、accounting(経理)というスペースを作成し、ここで引き継ぎのマニュアルを共有していく。

ワード感覚で容易にページ作成
ワード的な画面でドキュメントを編集、管理。テンプレートも豊富に用意されている

 Confluenceはドキュメントをページ単位で管理し、それをスペースという単位でまとめたもの。各ページはWordライクな画面で編集できる。さらに、ワードファイルをインポートすることもできるのだが、マニュアルはシンプルテキストで作られていたので、今回はコピペでページ上に配置することにした。これだけでも行間や文字サイズがキレイに調整されるので、かなり見やすい。

プレーンテキストをコピペすると、見やすい文字サイズや行間で配置された
さっそく、経理のAさん、同僚のBさんをConfluenceに招待する

 あとは、経理部のAさん、同僚のBさんがドキュメントを見られるように、メールアドレスを入力して招待すれば準備は完了だ。そのまま基本的な操作を2人に教えて、後は2人に任せることに。しばらくは引き継ぎが上手くいくように、Confluenceの様子を見守ることにする。

1月14日(木):マニュアルに修正依頼アリ

ブラウザーで見ながらその場で修正
マニュアルの一部分について、コメントで問い合わせがあった

 今日も朝イチでブラウザーを開き、サイボウズOfficeでタイムカードを打刻。ブラウザーでそのままConfluenceの画面タブを開くと、さっそく同僚のBさんからコメントが届いていた。

Confluenceではページ上の一部分をドラッグ操作で選択し、「コメント」をクリックすると……
選択した箇所についての問い合わせなどを、メンバーにコメントできる

 Confluenceではページの一部分を選択すると、その部分についての意見をメンバーにコメントできる。これによって、口頭では難しい説明も、スムーズにやり取りできるというわけだ。

表組みも簡単に作れる

 Bさんからのリクエストは「チェックリスト部分を表組にしてほしい」というものだったので、さっそく対応することに。といっても、操作自体は簡単で、ページ上で「/」を入力したら、表示された挿入候補から「表」を選択。画面上に表が作成されたら、データをそこにコピペで移せばいい。ページ上部のメニュー一覧から、表のアイコンをクリックして挿入することも可能だ。

「/」を入力して表示された候補から「表」を選択
無事に表組を作成できた! Bさんに確認してみたが、これで問題ないとのこと

 問題が解決したので、コメントボックスで「解決する」をクリック。これで画面上からコメントが消えて、ページの更新は完了というわけだ。

コメント欄で「解決する」をクリックして、問題が解決したコメントを非表示に
「解決する」をクリックするとウィンドウがポップして、問題が解決するまでの一通りのコメントが、メンバー全員と共有される
ページが更新された時にも、メンバー全員に通知が送られる

1月15日(金):マニュアルの運用スタート、ページのコピー機能が便利

 ページの作成から一夜が明けて、これを正式なマニュアルとして運用していくことになった。今回作成したページは“新入社員の入社時における手続きのチェックリスト”なので、これをテンプレートとして新入社員が入るたびにコピーしたページを作成し、手続きのチェック項目を埋めていくことにする。

ページをコピーして、テンプレートを親としてスペース上に配置
Dさんの入社手続きに、実際にConfluenceを使うことにした

 来月にはDさんというアルバイトが入社する予定なので、専用のページをコピーして作成。先に作成したテンプレートを親として、その下位レイヤーに配置した。今後は新入社員が増えるたびに、こうしてページを追加していけばよいだろう。

1月18日(月):同僚に直接コメントで相談したい

 会社が本格的にテレワークに移行してから今日で1週間が過ぎた。同僚と顔を合わせなくなったことで、前回の緊急事態宣言の時のように、社内ではLINEのやり取りが増えている。始業時間前にスマホを開くと、経理部のAさんから「早めにConfluenceを導入しておいてよかった」とメッセージが届いていた。

メンションで同僚に直接連絡する

 そのメッセージで相談されたのが、「飛田さんにいちいちコメントを確認させるのも悪いので、同僚のBさんと直接連絡する方法を教えてほしい」ということ。

【飛田】:そんな時には、コメントの最初に「@」を入れれば大丈夫。

【Aさん】:ちょっと待ってね…… なんか飛田さんの名前とかが出てきたけど。

【飛田】:そこで、Bさんをクリックして選べば、Bさんだけにコメントが送れるよ。

【Aさん】:本当に!? さっそく試してみる。

コメントの最初に「@」を入力すると、メンバーが一覧表示される
ここでメンバーを選ぶと、その人だけにコメントが送れる
「@」付きでコメントを送ると、その旨が相手にメールでリマインドされる

 その後、しばらく時間が経ってから、Aさんに話を聞いてみたが、どうやら無事にコメントのやり取りで問題が解決できたようだ。以前は互いにマニュアルを見ながらSlackしていても伝わらなかったことが、Confluenceではスムーズにやり取りできているらしい。マニュアルさえ用意しておけば、かなり濃いコミュニケーションができるので、プロジェクトの立ち上げや、新入社員の教育にも使えそうだ。

変更すればリアルタイムでメンバーに共有される

 Confluenceはクラウドでドキュメントを管理するため、ワードの校正機能と違って、ファイルのバージョン管理を気にする必要がない。変更履歴は自動的に記録され、過去のバージョンの確認や比較、指定のバージョンに戻すことも簡単にできる。

 さらに修正やコメントはリアルタイムで反映され、その内容がすぐにメンバー全員と共有される。このレスポンスの良さが、使ってみると実に快適だった。この変更の時の通知が、メンバー全員へと丁寧に行われるのが、一般的なクラウド型のオフィスアプリとの違いだろう。自然とコミュニケーションが活性化するし、使い方も簡単なので、一度スペースを作っておけば自然と社内に広まっていきそうだ。

 そして、Trelloに引き続き、これらの機能がConfluenceでも無料で使えてしまう。いや本当に、本当に大丈夫なんですか、アトラシアンさん??

 今回の緊急事態宣言で、再び社員全員が別々の場所で仕事をすることになった。ますます社長や同僚とコミュニケーションが取りづらくなるが、Zoomやチャット、TrelloやConfluenceなど、今まで準備してきたものすべてを活かして、これから起こるであろう問題を乗り切っていきたい。

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※編集部より
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(協力:アトラシアン株式会社)

飛田九十九